町田忍
庶民文化研究家。幼少期より銭湯に通い、銭湯研究の第一人者に。『銭湯「 浮世の垢」も落とす庶民の社交場』(ミネルヴァ書房)など銭湯関連本ほか著書多数。

こういうカッコよさに弱いんだなあ

武田 町田さん、今まで何枚ぐらい銭湯の写真撮りました?
町田 そりゃもう何万枚と!
武田 ですよね。ほかにもいろんなものを撮り歩いていると思います。今日は1日FUJIFILM X100Vを持って千住を歩き、『タカラ湯』まで来ました。1日歩いたご感想は?
町田 このカメラは重さと大きさがちょうどいいね。
武田 普段はどんなカメラを使ってるんですか?
町田 1970年に買ったやつ。
武田 50年前!……ならオールマニュアルですよね。
町田 難しくないよ。絞りとシャッタースピードを合わせるだけ。結構楽しいもんだよ。
武田 あ、その感覚わかります。昔のカメラって、スイッチとかダイヤルとか硬かったけど、触る楽しさがありました。
町田 そう。このカメラはその辺の気持ちをわかってくれるのがうれしいね。年取るとオートフォーカスも大事だし(笑)。
武田 レンズは何を?
町田 普段は28㎜。銭湯ってほら路地にあるでしょ。でも35㎜のほうが万能感はある。町歩きなら35㎜だよね。

デジタルでここまでできるとは驚きだね

武田 フィルムシミュレーションもこのカメラの特徴ですが、使ってみてどうですか?
町田 僕はリバーサル派で基本はプロビア。ごくたまにベルビア。その二つの使い分けがデジタルでできるとは驚きだね。
武田 クラシックネガというモードもあるんです。

見事な宮造りのタカラ湯。昭和13年に新築された時の姿をとどめている。玄関上には小さな家が一軒建つほどの費用をかけた七福神の彫刻が客を迎えてくれる。●F2.5 ●1/90秒 ●ISO200 ●Velviaモード
タカラ湯の脱衣場に沿った縁側のある豪華な庭園。かつては専属の庭師と大工さんがいたが、現在はご主人みずからが手入れをしている。普段は男湯側だが、毎週水曜日は女湯側に。●F2.0 ●1/40秒 ●ISO200 ●Velviaモード
庭園突き当たりにある池には廃業した銭湯からゆずり受けた見事な錦鯉がいる。タカラ湯のアイドル猫、ボビー君は鯉と仲良し、運が良ければ会える。●F2.0 ●1/20秒 ●ISO200 ●Velviaモード
かつての宿場通り沿いにある蕎麦店。私は最近このような町蕎麦店を特に記録取材している。特にラーメンに興味を持っている。北千住は町蕎麦店が多いのも特徴。●F2.2 ●1/70秒 ●ISO200 ●クラシックネガモード

町田 おおっ、この昭和感!
武田 町田さんお好きでしょ?どうです、これを機にデジタルにシフトしては?
町田 うーん、50年ぐらい使ってて、体に染みついちゃってるからねえ。でもこのカメラは確かにカッコいい。僕は万年筆もコレクションしてるんだけど、カメラと万年筆って似てるところがあるんだな。
武田 ほう。
町田 使うだけじゃなく、持つ喜びというか。この軍艦部のカクってしてるところなんか、ほれぼれするじゃない。
武田 それはアルミニウムじゃないと出ないやつだそうです。
町田 僕みたいタイプの人間は、こういうのに弱いんだよね。うーん悩むねえ(笑)。

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FUJIFILM X100V

今回使用したカメラは、FUJIFILM X100V。新設計23㎜(35㎜換算で35㎜)F2レンズと超高性能センサーを搭載したレンズ一体型デジタルカメラ。ボディ天面および底面にはアルミニウムを使用し、シャープなデザインと、手にしっくりなじむ機能性を実現。多彩な色調を可能とするフィルムシミュレーションには「クラシックネガ」や「Velvia(ベルビア)」など全17種類のモードを搭載する。オープン価格。
●お問い合わせは富士フイルムデジタルカメラサポートセンターへ ☎050-3786-1060
●製品ホームページはこちら https://fujifilm-x.com/ja-jp/products/cameras/x100v/

撮影・写真キャプション=町田忍 TOPイメージ撮影=松本康一
撮影地=タカラ湯

FUJIFILM X100Vを片手に、アウトドア系編集者・清野明と、月刊『散歩の達人』編集人・武田憲人が山さんぽ。天気にも恵まれた撮影日和の湘南平(神奈川県)、予想外に本格的な山歩きで汗を流した後は、とある山麓酒場に直行! 喉を潤しながら理想の散歩カメラについて語りあいました。