◆散歩コース◆
体力度:★★☆
難易度:★★☆
- 登山シーズン 1月~12月
- 最高地点 975.6m(高川山)
- 登山開始地点 460m(初狩駅)
- 歩行時間 5時間
- 歩行距離 約8.5km
初狩駅
駅から線路をくぐって反対側に出る。自徳寺を右に見て、回り込むようにお墓の脇を上がっていく。
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登山道入り口
入り口の先に、男坂・女坂へ行く木段。玉子石を左に見て上がっていくと、女坂、男坂からの道と合流し山頂へ。
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高川山
下山はむすび山縦走コース(大月駅)を確認して下りる。田野倉へ行く分岐を過ぎると急な下りが続く。
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天神峠(尾曽後峠)
古い峠のようで、祠や石仏が道脇に埋まっていた。アップダウンを繰り返すと九鬼山が右手に見えてくる。
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むすび山
山頂から10分も下りると民家の脇に出る。車道を歩いて桂川の橋を渡って大月駅へ向かう。
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ゴール
大月駅
アクセス:
[行き]新宿駅からJR中央線で高尾駅へ、高尾駅からJR中央本線で初狩駅へ。約1時間50分。
[帰り]大月駅からJR中央本線で高尾駅へ、高尾駅からJR中央線で新宿駅へ。約1時間45分。
新宿駅から特急を利用すれば大月駅乗り換え約1時間20分で初狩駅。しかし大月駅での接続時間が問題で、特急利用でも1時間40分かかる場合もあり。それなら特急に乗る必要もなくなる。
御坂山地の最東端に位置する高川山は、中央線の初狩駅から直接登れて、2時間程度で山頂へ到着できる。そして山頂は南側が開けている。当然のこと、遠くの富士山や近くの九鬼山、富士急沿線の眺望が素晴らしい。ということで前々から人気の山である。
そして今は九鬼山の下方から飛び出すリニアの実験線も見えたりする。とはいえ、リニアに関してはあまり興味がない、というのが筆者の本音である。だいたい今の時代には合わない輸送機関だと思う。電力は大量に使うし、そんなに急ぐ必要があるのかどうか。
スタートは中央本線の初狩駅。駅から線路をくぐって自徳寺へ。寺の裏手から上がっていくと、初狩駅が見えてくる。その奥には、ひときわ高い滝子山がどっしりと聳えている。
道端を見ると、スイセンをはじめ、いろんな色の花が咲き乱れていた。新緑のこの季節は、うっとりするほどきれいだ。
沢コースを進み、高川山山頂へ。
高川山山頂へ向かうルートは3つ。一番早く着ける男坂コース、次に女坂コース、そして今回たどる遠回りの沢コース。このコースが一番距離はあるが、なだらかな登山道になる。
男坂、女坂の分岐を分けて沢コースに入るが、いっこうに沢音はしない。
静かな森の中を登山道が通っているだけ。沢はいったいどこにあるんだろうか。たぶん枯れていてわからなかったのだろう。
上のほうで、女坂と男坂の道と合流すると、まもなく山頂。富士山はてっぺんがぼんやりと見えるだけ。春は、こんなふうに霞がかった富士山の姿が多い。
まだ時間は早いというのに、山頂にはやはり先客が多い。もう弁当をひろげている人たちも。長い休憩をとったあとに山頂を後にした。ここからは、むすび山までの縦走ということになる。およそ3時間の行程だ。
田野倉(たのくら)駅、禾生(かせい)駅方面へ下りる分岐を過ぎると、ロープなどもある下りの急坂。意外と手ごわい道だ。小形山分岐から天神峠までは平坦で歩きやすい登山道になる。峠には小さな社が二つ。そして半分埋まった石仏があった。往時は人の行き来もあったのだろうと推測される。
峠の先では道の脇にツツジの花が咲いていた。その中を登って行くと、また平坦な道になり、その先が九鬼山と田野倉の街並み、リニアの線路などが俯瞰できる展望地に出る。
さらに最後のむすび山に着くと、岩殿山の岩壁が正面に迫る。山頂には大きな円形の穴がある。直径は4.5ⅿほど。深さは1.5ⅿはあろうかと。これは前の戦争の遺構である。聴音壕といい、聴音と双眼鏡での目視がレーダーの代わりだったらしい。
けなげな努力とは思うが、これじゃなかなか勝てないな、と思ったりした。
岩殿山を見ながら麓の街へと下りていった。
山歩きメモ
山頂に早く着きたい場合は、男坂・女坂のルートをとる。男坂が一番早く着くが、もちろん一番急な坂になる。安全を期すなら、やはりこの沢コースが一番だ。
アドバイス
田野倉・禾生駅の分岐を過ぎるとけっこう急な坂道も。ロープなどもあるが、意外と手ごわい。不安な人は分岐から富士急行の田野倉・禾生駅方面へ下山する方法もある。あとは危険なところはない。
旧日本陸軍防空監視哨跡
飛行機の音を聴いて機種や飛行コースを判断した
むすび山は展望がいいために前の戦争では陸軍の防空監視哨があった。穴の中に入り、敵機の飛行音を聴くというもの。レーダー設備のない日本軍は昼は双眼鏡で空を監視し。夜間は1人が監視し、もう1人が穴に入って敵機の音を聴いいて飛行ルートや飛行機の機種を探ったという。かなりアナログなやり方だが、それである程度わかったというのがすごいところ。
取材・文=清野編集工房
『散歩の達人 日帰り山さんぽ 低山をきわめる!』より