マグロ隊員がすすめる! ご飯、味噌汁、お漬物全部が愛おしい!とんかつ定食
デミグラスソースにラーメンスープ!?『中華・洋食 やよい』でしか味わえないとんかつ
『中華・洋食やよい』のロースとんかつ定食900円はなんとデミグラスソースがかかっている。町中華でデミソースが出てくるとは驚いた。そしてこのソースをまとったとんかつをいただくと、もう一度驚かされることに。濃厚でコク深いソースなのに、まったく重たさを感じないのだ。ラーメンスープを使っているから重たすぎない。ここでしか食べられない味だ。しっかり下味がついたカツは、これぞ町中華という味わいもたまらない。
中華×洋食のいいとこ取りの料理にファンが増殖
大正13年(1924)にカフェーとして開業した『やよい』。今、この歴史ある店を守るのは3代目大西功一郎さんだ。一流ホテルでフロントマンだった彼は先代のお父さんが倒れられたのを機に、店を継ぐことになった。突然厨房に入ることとなったが、彼の料理への情熱は初代、2代目にも引けを取らない。味はもちろん食べやすさも意識しているそう。
「食べることが好きなんですよね、子供を連れて浅草のビストロを食べ歩いたりしているんです」と大西さんは、常に料理人として高みを目指している。「昔のままだとダメなんです、ちょっと変えるくらいでやっとおいしいねって言ってもらえる」。下ごしらえから仕上げまで、こだわりが行き渡る彼の料理に見られる気遣いはすべてお客のためのもの。中華×洋食のいいとこ取りの料理が、今日もファンを喜ばせ新しい歴史を刻んでゆく。
浅草『中華・洋食 やよい』店舗紹介
住所:東京都台東区浅草5-60-1/営業時間:11:30~15:00・17:00~21:00/定休日:木/アクセス:私鉄・地下鉄浅草駅から徒歩13分
取材・構成=半澤則吉 撮影=山出高士
数々の名店を取材してきた町中華探検隊が、中華にとどまらず和食や洋食も併せ飲む「町中華」の気になるメニューを研究。前編では、テーマとなるメニューを扱う町中華の名店を取材。後編ではそのメニューについて隊員が大いに語り合います。第5回のテーマは「つけ麺」。トロ隊長がほれこんだ代々木上原『大勝軒』の味とは?
数々の名店を取材してきた町中華探検隊が、中華にとどまらず和食や洋食も併せ飲む「町中華」の気になるメニューを研究。第6回では町中華だからこその「とんかつ定食」!前編ではマグロ副長おすすめの浅草『中華・洋食 やよい』のロースとんかつ定食を味わいましたが、後編ではこれまで数多くの町中華を訪ねてきた隊員が「町中華にとって、とんかつ定食とは?」を掘り下げます。
揚げ物、とくに「とんかつ」がおいしい町中華に出合うとうれしくなる。なぜこんなにおいしいのかと店主に聞けば「いい油を使っているから」という答えが多い。ここ『中華・洋食 やよい』もそうだ。オランダ製のカメリアラードとサラダ油を独自の配合で使っているそうだ。カウンターに座ると油と会話するように丁寧にとんかつを揚げていらっしゃる店主の姿が見える。こちらで提供されるロースとんかつ定食は、そのビジュアルも素敵だ。メインのとんかつには、洋食店としての誇りでもあるデミグラスソースがかけられているし、ご飯、みそ汁、お漬物といったビジュアルも見ただけでそのうまさが伝わってくる。いただいてみると想像以上においしくて、うれしくなる。そうだ、揚げ物のおいしいお店は、たいてい定食もおいしいのだ。この法則は間違いではないと思う。