トロ隊長がすすめる!町中華の大発明といえる「和」ベースのつけ麺

トロ

つけ麺が好きになったのはここ1、2年のこと。気づくのがものすごく遅いが、和食のつけそばを巧みにアレンジした、町中華の大発明だとつくづく思う。カツ丼やオムライスなど、中華でもなんでもないメニューを平気で出すのが町中華の特徴のひとつだけど、つけ麺は和食を中華に昇華させた数少ない成功例ではないだろうか。その元祖が中野にあった「大勝軒」(現在は代々木上原が本店)。“ラーメンの神様”と呼ばれた山岸一雄さんが、旧東池袋大勝軒を開く前に働いていた店だ。「大勝軒」のルーツは戦後まもなく荻窪に開業した『丸長』で、同店を興したメンバー全員がそばどころの信州出身。しかも戦前、東京のそば屋で働いた経験を持っていた……。年季の入った旨味に、町中華の奥深さを感じながら食べている。

時代を超え愛される代々木上原『大勝軒』こそ、つけ麺のルーツ

故・山岸一雄さんが旧東池袋大勝軒でブレイクさせたつけ麺。そのルーツがここにある。つけ麺は山岸さんが働いていた「大勝軒中野本店」のまかない飯からメニューになったのだそう。本店は1951年に代々木上原に移ったが、つけそば583円が今も看板メニューだ。スッキリしているのにコク深い、これぞ大勝軒系のつけそば。のり玉つけそば748円などバリエーション豊富で、スープ割りのスープは美しい銀食器で提供される(上写真)。うどん並みの強いコシ、冷やし中華のような酸味、日本そばを思わせる出汁、ラーメンの持つ熱々感。いろいろな料理のいいとこ取りの一杯は、今も多くのファンを魅了する。

海外にも出店する町中華のレジェンド店

2代目坂口光男さんの父・正安さんは荻窪『丸長』の創業者の1人で、『大勝軒』を築いた町中華レジェンド。光男さんは現在『大勝軒』も名を連ねる「丸長のれん会」の会長でもあり、『丸長』そして『大勝軒』の名を世に広めている。彼が店主を務める代々木上原『大勝軒』は通し営業で、とにかく元気のある店だ。テイクアウトメニューも充実していて、夜はお酒を飲みにくる常連も多く、客が絶えない。厨房には常に5、6人が立ち、四六時中活気がみなぎっている。歴史を紡いできた名店はなんと海を飛び越え、3代目がサンフランシスコで店を展開中という。昭和の味が令和の世を、そして世界を席巻している。

「丸長のれん会」の店舗限定で販売されているつけ麺用のオリジナル七味780円は、丸長のルーツである長野県にある七味唐辛子の有名店、『八幡屋礒五郎』とのコラボ商品だ。
ワンタン麺737円。自家製麺にこだわりを持つ大勝軒はワンタンも自家製だ。もちもちの皮の存在感が圧倒的。すっきり澄んだスープも美味で、体の芯からあったまる一杯。
なんと名物のつけそばは、つけそば弁当788円として持ち帰りもできる。ほかにもおかずを選べるお好み弁当820円など、お得感たっぷりのメニューが並ぶ。

代々木上原『大勝軒』店舗紹介

住所:東京都渋谷区上原1-17-11/営業時間:11:00~22:00 LO(土・日・祝は~21:00 LO)/定休日:水/アクセス:小田急線代々木上原駅から徒歩5分

取材・構成=半澤則吉 撮影=山出高士