中目黒への出店はたまたまだけど……
愛知県岡崎市で『ダイワ』と言えば、知る人ぞ知るお店。一見すると何の変哲もないスーパーマーケットに見えるが、実際はフルーツサンドの名店。社長自ら毎日のように市場に出向いて仕入れた新鮮なフルーツを惜しげもなく使ったフルーツサンドが話題となり、今や休日には行列ができるほどの盛況ぶりを誇る。
そんな名店が2020年3月、全国で3店舗目としてオープン。その場所として選ばれたのは中目黒だった。都内屈指のオシャレタウンである“中目”だけに最新トレンドに敏感なイマドキ女子をターゲットにしての出店かと思われたが、店長の岩田真帆さんにお話を伺うと、実に意外なことだった。
「最初から『中目黒がいい』と狙っていたというわけではなくて、たまたま中目黒の物件でいいところがあったので、『そこにしよう!』ということで決めました。目黒川沿いで駅からも近いのでアクセスはいい方かなと思います」
確かにお店は中目黒駅から歩いて3分ほど。すぐ後ろには桜の名所としてもおなじみの目黒川が流れている。お花見シーズンにここで買ったフルーツサンド片手に散歩するのも悪くないだろう。
同じフルーツサンドでも産地によって使い分ける
『ダイワ』のフルーツサンドと言えば、なんといっても魅力なのがその種類の多さ。ケースにズラリと並ぶ色とりどりのフルーツサンドが目にも鮮やかだが……このお店の場合は来店したときから楽しい。ドアを開けた瞬間にフワリと香るフルーツの甘い匂いが思わずにんまりとさせてくれる。
見た目も鮮やかなフルーツサンドなだけに、どれを買うかで迷ってしまうが……岩田さんによると季節によって様々な果物が並ぶという。
「やっぱりフルーツには旬があるので、たとえば夏と秋だったらラインナップが大きく変わるんです。今(10月半ば)だったら、まさに旬を迎えたシャインマスカットとこれから旬を迎えておいしくなるいちごは多く並べるようにしています」。
数ある『ダイワ』のフルーツサンドの中でも人気の高いこの2つ。いずれも多い日には1日150~200個ほど売れることもザラにあるという大ヒットメニューだが、入れる果物の品種は地域によって異なるという。
「同じ果物でも、その地域の市場によって卸される品種が違ったりしますよね? 例えばいちごだったら、岡崎の本店では紅ほっぺという品種を使いますが、関東にあるこのお店は栃木産のとちおとめの方が新鮮でおいしいのでそっちを選ぶようにしていますし、福岡の支店ならあまおうを使います。同じいちごのフルーツサンドでも地域ごとに味が違うのがこだわりですね」。
また、『ダイワ』のフルーツサンドの特徴がこのクリーム。甘すぎずかといって深みのある味わいでフルーツの魅力を最大限に引き立ててくれる名バイプレーヤーだが、このクリームだけを食べたいという声も続出。そのため、クリームだけの限定サンドも用意しているという。
今が旬のフルーツにプレーンのままでもおいしい生クリーム……『ダイワ』のフルーツサンドが特別なのがよくわかる。
何度来ても新鮮な思いで楽しめる
都内屈指のオシャレタウンである中目黒に誕生した全国レベルで知られるフルーツサンドの名店『ダイワ中目黒』。その客層は当然ながら最新のトレンドに敏感なイマドキ女子がほとんどかと思われたが……岩田店長からは少し意外な答えが返ってきた。
「タピオカみたいに女の子ばかりということはないです(笑)。最初のころはインスタで見てくれた若い女性客が多かったですけど、今は男性が1人で買いに来るなんてケースもありますし、この街に住むサラリーマンの方がおみやげで買うこともありますね」。
老若男女を問わずに愛される『ダイワ』のフルーツサンド。最後に岩田さんはお店の誇るべきところとして「いつ来ても違うフルーツサンドのラインナップ」を挙げてくれた。
「季節によってフルーツの仕入れが変わるので、いつも同じものが並んでいないというのがこのお店の誇るべきところです。なので季節ごとに来ると全然違うモノが並んでいるので、きっと楽しいと思います。何度来ても新鮮な思いを感じられるはずなので、ぜひともお店に来てほしいですね」。
構成=フリート 取材・文・撮影=福嶌弘