田沼駅
駅から左へ。線路を渡って秋山川の橋を過ぎて行くと鳥居。左のほうへ行くと栃本公園。右手からも可能。
↓ 30分
栃本公園
公園内を突っ切り、山のほうへ行くと右手に入り口がある。少しわかりにくい。山道を上がり城方面へ。
↓ 25分
唐澤山神社(本丸)
尾根に上がって本丸へ。展望のいい南城や二の丸、三の丸から天狗岩へ。喰違虎口から鏡岩へ。
↓ 15分
鏡岩
鏡岩ハイキングコースを通る。尾根道を行くと佐野市街が一望できる場所もある。
↓ 45分
見晴小屋入り口
ハイキングコースが終わる地点が見晴小屋入り口。曲がりくねった車道を下りて行くと、山道入り口。
↓ 35分
山道入り口
県道151号を行くと、まもなく東武佐野線堀米駅。先へ進み、右手の道に入り佐野城へ。佐野駅は公園を抜けてすぐ。
↓ 50分
ゴール
佐野駅
体力度:★★☆
歩行時間:3時間20分
歩行距離:約9.5km
アクセス:[行き] 上野駅からJR宇都宮線で久喜駅、東武伊勢崎線に乗り換え館林駅、約1時間30分。東武佐野線に乗り換え田沼駅、約25分。
[帰り] 佐野駅から東武佐野線で館林駅、約15分。後は行きと同じ。
交通費: 2790円(往復)
※浅草駅から東武線特急を利用すれば、乗り換えが館林駅だけの1回で済む。ただし交通費は2090円(行き/片道)。時間はほぼ同じ。
江戸の火事も見えた展望の山城には見事な石垣が残っていた
関東の山城の特徴として、西日本に比べて石垣で造られた城が少ない。理由は簡単で、石垣に適した安山岩や花崗岩を手に入れにくかった、ということだ。豊臣秀吉が造営した小田原の石垣山城は総石垣の城だが、近くに適した石があったからである。
唐沢山城も関東では珍しい石垣のある山城。高さ8〜10mほどの巨大な高石垣の山城である。石はおそらく城のある唐沢山から採掘したのではないかと思われる。
東武佐野線の田沼駅がスタート。城のある唐沢山に向かって広い道を進む。秋山川に架かる橋を渡って行くと正面に鳥居がある。右の車道を上がっても城には行けるが、左手のほうへ曲がって栃本公園へと向かった。
公園内の池を過ぎて山側へと向かう。標識がないのでわかりにくいところだ。うろうろしていると、山に入れるような場所があった。入ると登山道のような道がある。これだと思い上がって行くと、まぎれもないこれは城への道である。途中からだが確信した。
麓から20分程度で尾根道へと飛び出した。このルートはあまりパンフレットにも載っていないので、注意したい。でも道はしっかりしている。入り口は柴山口というようだ。
尾根道は関東ふれあいの道の「松風のみち」になっていて、ここが唐沢山城の最東端あたり。この尾根沿いに城の施設が残っている。まず北城跡から唐澤山神社のある本丸のほうへ行く。二の丸を回り神社へ。
唐澤山神社は明治16年(1883)に佐野一族や旧臣が中心になって建てた神社で、祖の藤原秀郷(ふじわらひでさと)を祀っている。参道を下りて社務所のある南城跡へ。ここからの眺めは抜群で、東京まで見えるという話。南城跡から本丸を囲む高石垣の下へ。見事なものだ。
謙信も落とせなかった、難攻不落の城跡がそこに。
上杉謙信がこの城を10回ほど攻めたが、落とせなかったのは、この壮大な高石垣の堅固さがあったからではないか。
三の丸から四つ目堀の橋を渡って天狗岩へ上がる。ここは物見台だった場所で、眺めは南城跡よりもさらにいい。江戸の火事が見えたというくらいの展望のよさだ。
喰違虎口(くいちがいこぐち)を通り、鏡岩から車道ではなく鏡岩ハイキングコースに入る。
ここは登山道で、しばらく行くと佐野市街が一望できる場所があった。登山道は見晴小屋入り口で終了し、あとは車道歩き。1時間ほど歩くと東武佐野線の堀米駅だが、その先の佐野駅へと向かった。現在は城山公園になっている、たった12年という短さで廃城となった佐野城に寄ってから佐野駅へ。
唐沢山城
高さ8mほどの高石垣が城を守る
関東七名城のひとつ。関東では珍しい高石垣のある山城。唐沢山一帯に城が築かれていて、石垣の防御性も高く堅固な山城。延長5年(927)頃に藤原秀郷が築城したと伝わる。慶長7年(1602)に廃城となった。
佐野城
たった12年のはかない城跡は公園に
佐野駅そばにある城。佐野氏は慶長7年(1602)に徳川家康の意向で唐沢山城を廃して、佐野城を築くが、慶長19年(1614)に佐野氏改易により、築城半ばで廃城となった。たった12年のはかない命の城といえる。
取材・文=清野編集工房
『散歩の達人 首都圏日帰りさんぽ』より