初台の「加賀」でかき揚げうどん。
ずっと心の片隅にあった立ち食いそばうどんの店。新宿駅から一駅という微妙な距離感になかなか足が向かず訪れるが叶わなかった初台にある「加賀」。
少し遅い集合時間の研修の日に今日だよねと計画するいつも通りの時間に家を出て遠回りして寄り道する朝ごはん。
山手線を新宿で降り、足早に目指す京王新線。辿り着くホームに到着する笹塚行きに乗り込んで一駅。
初台で降り、たぶんこの出口とウキウキしながら上る階段。地上に出てそこにある「加賀」に感極まりながらおはようございます。
思いの外ちいさな店舗。厨房を囲うLの5席と窓際に2席のカウンター。店内の自販機と向き合い一番の人気だというかき揚げをポチとする。
ある日見かけたうどんもイケるの投稿のうどんの絵面に一目惚れしてうどんな気分で臨む今日。きつね色の油に浮くかき揚げを菜箸で突いて対峙するお店の方に食券を渡し「うどんで」とお願いする
注文を受けてから揚げるという天ぷら。パチパチパチと弾む芳ばしい音にお腹が鳴る。流れるラジオを聴きながらのんびりと待つ時間。
少ししてお待ちどうさまですと届くかき揚げうどん。噂通りのエアーズロックな厚みあるかき揚げが鎮座するどんぶり。おいしそう。
ふわりと薫る節の匂いに上がる気持ち。テーブルにあるセルフの葱を放り込み、いただきますとレンゲで啜る汁は喉がびっくりするあちちの汁。
あらためて慎重にフーと息をかけそろりと啜ると濃いめの醤油に円やかに節と昆布の旨みが交じり溢れるやわらかな沁みる汁。
箸で崩し頬張るエアーズロックは揚げ立ての熱々。サクとした食感をはふはふと噛み締めるざく切りの甘みが広がる玉ねぎが主のかき揚げ。
汁に浸かるところを頬張るとまた違うおいしさ。甘みを纏いとろける衣が口の中に溢れるしあわせ。
啜るうどんはやわらかですべすべな白肌がどんどんと茶に染まるやさしくふわふわでもっちりとしたエロいうどんがたまらない。
かき揚げを頬張り、うどんを啜り、汁をレンゲで啜るをただただ繰り返すグッドなモーニング。
うどんが無くなり、天抜きのようになるとろとろに崩れふわふわになる衣と玉ねぎと人参と青ねぎが泳ぐ汁をレンゲでよそい浸るジャンクなおいしさ。
汁を飲み干して、どんぶりに張り付く衣を箸でひろい噛みしめ名残惜しいに浸り一息つく。うん、満足。どんぶりを下げごちそうさまでしたと店を出て元来た道を戻る良い一日の始まり。