『Cafe REDBOOK』約20種類のスパイスを使い分けた本格カリー
カリーはどれも本格派で、スパイスはホールとパウダー合わせて20種類ほどを使い分けている。なおスパイスの仕入れ先は種類によって異なるというから、そのこだわりは並ではない。
メニューは定番が5種類、季節のメニューが2~3種類ほどあり、辛さもそれぞれだ。
店主が好きでよく食べるという豚肉のカリーは、ポークビンダルーと呼ばれるもの。角切りにした豚肉を、ビネガーとマスタードシードで作ったマリネ液にひと晩漬け込んでから、スパイスと一緒に煮ている。メニューに「甘酸っぱいカリー」とコメントされているが、辛さレベルは5段階中の4。程よくとろみのあるルーは辛さが前面に出ているものの、ワインビネガーからくる酸味と甘みがふとした瞬間に感じられる。辛いのに、どこか甘いという不思議さにスプーンが進む。
『Cafe REDBOOK』店舗詳細
『香食楽』元気を求めて駆け込みたい薬膳カレー
「日本の土地にあった、体を温める効果が持続するカレーを作りたい」と考えた店主が2005年にオープン。
定番となっているカレーは4種類。気を巡らせる食材がたくさん入っているのは巡るカレー、消化器系全般を補う食材を中心としたかくらカレー、黒胡麻、豆鼓など黒い食材が入った黒カレー、肝、脾、心、肺、腎の五臓全体を補うベジカレーだ。入っているのは、たまねぎなどの野菜や鶏肉など一般的な食材がメイン。薬膳というから薬っぽさを感じるのかと予想したが、そんなことはまったくない。
近年、健康や美容への関心がずいぶんと高まったことで、オープン当時では考えられないほど幅広い年齢層が店を訪れるという。カレーがメインのため、ランチ、ディナーともに一人で入りやすいのもうれしい。
『香食楽』店舗詳細
『新潟三宝亭 東京ラボ中目黒店』看板メニューはクセになる酸っぱ辛い酸辣湯麺
新潟に本拠地を置く中華をメインにした飲食店グループが、東京に進出。看板メニューの一つが酸辣湯麺(さんらーたんめん)だ。
酸辣湯麺といえば酸っぱさと辛さの融合、そしてとろみのあるスープが特徴だ。『新潟三宝亭 東京ラボ中目黒店』でも胡椒や山椒、自家製辣油といった辛みのある素材と、酸味が柔らかなお酢をスープに加えている。麺は酸辣湯麺と、もうひとつの人気メニュー、全とろ麻婆麺のためだけの専用の麺で、とろみのあるスープが絡んでも切れることがないようにとコシを強めに作っている。
とろみのあるスープには具材が一体となっていて決して辛すぎることはないが、酸っぱさと辛さで身体が温まる。クセにならないはずがない。
『新潟三宝亭 東京ラボ中目黒店』店舗詳細
『炭火焼MARU』幻の地鶏・天草大王のスープがポイントの鶏そば
2013年のオープン時から熊本の地鶏、天草大王の焼き鳥をメインとしている。幻の地鶏とも呼ばれる天草大王は九州で水炊きに珍重されてきたが、なんと昭和初期に一度絶滅。のちに関係者の努力で復活したという逸話を持つ。
その貴重な天草大王のおいしさを存分に抽出したスープで作られているのが鶏そばだ。
丸鶏1羽と鶏ガラをニンニクと生姜と一緒に圧力鍋で長時間煮込んで白濁させたスープは鶏の味が力強く、香りも高い。
スープはもちろんだが、鶏チャーシューも心して味わいたい一品。使っているのはもちろん天草大王で、部位は胸肉。ブライン液に1日漬け込んでからオリーブオイルと一緒に真空低温調理して仕上げている。もともと弾力ある肉質に絶妙に火が入ったものを、薄く削ぎ切りにしていて鶏肉らしからぬしっかりした歯応えを楽しめる。
『炭火焼MARU』店舗詳細
『らぁ麺はやし田 中目黒店』急成長ブランドが作る鴨ガラ由来の上品さがあるスープ
各地に出店する成長著しいラーメン店が出した中目黒店は駅の改札を出て徒歩30秒という便利な立地。女性客から外国人観光客まで誰もが入りやすい清潔感のある店構えがうれしい。
スープは鶏清湯だが、鳥取県産大山鶏丸鶏に加えて高級食材である鴨のガラを利用している点が珍しい。スープの味に特徴が出るのはもちろん、『らぁ麺はやし田』というブランドを知ってもらうきっかけにしたいと鴨ガラの採用に至った。
醤油らぁ麺にはキレと甘みのある特製醤油ダレを使用。コクや力強さの中にどことなく上品さも感じるのは、鴨ガラの力なのか。
麺は複数の小麦をブレンド。醤油らぁ麺に使っているのは全粒粉を配合した細めのストレートだ。力強いスープに負けない小麦の香りと歯切れのよさが味わえる。
『らぁ麺はやし田 中目黒店』店舗詳細
『うどん豊前房』香り高い澄んだスープと滑らかな手延べ麺が融合
福岡県豊前の出身の創業者がお店をオープンしたのは1998年のこと。当時、うどんの専門店が少なかった東京でおいしいうどんをと、お店を開いた。現在は、最初はアルバイトとして働いていた2代目が店を切り盛りしている。
創業者が慣れ親しんだ出汁の味をベースに、麺は岡山県の製麺所から、揚げは京都南禅寺から、さつま揚げやかまぼこは下関からと全国から選りすぐった材料を集めて1杯のうどんに仕立てている。
店内も広々として落ち着いた雰囲気。ランチタイムはもちろん、ディナータイムはだし巻き玉子などをつまみにお酒を飲む人も多い。近隣に住む常連客は第2の台所と話す人もいるほどだ。中目黒にあって身構えることなく、体に染みわたるような一杯を味わえる貴重なお店だ。
『うどん豊前房』店舗詳細
『饂飩酒場もちこし』かけ、釜玉、ぶっかけ。種類豊富なうどんに天ぷらも
建物は、ずいぶん前に製麺所があった場所。製麺所経営者の親族が建物のオーナーで、親交のある飲食店経営者に持ちかけて、うどんを提供する店が誕生した。
うどんといえば土地によって特徴があるが「武蔵野うどんと讃岐うどんの中間で、ちょっと讃岐寄り。中目黒のお客さんのニーズに合ったものに辿り着きました」と店主の本橋さん。
いちばん人気は肉とろろ卵かけうどんで、たっぷりの豚肉にとろろ、温泉たまごにかまぼこと具沢山な一杯だ。
天ぷらも名物で、うどんと一緒に、またはたくさん並ぶ日本酒のつまみとして注文したい。おすすめはえびと鯛ちくわ。えびは立派なブラックタイガーで、ぷりぷりした食感が楽しめる大きさにこだわっている。鯛ちくわの天ぷらも、ほんのり甘くて程よい弾力だ。
『饂飩酒場もちこし』店舗詳細
『中目黒グリル』希少な短角牛を使った ヘルシーで旨味たっぷりハンバーグ
人気メニューに岩手県久慈市で育った短角牛を使用。短角牛は脂肪分が少ない高タンパクの赤身肉で、しかも旨味のもととなるアミノ酸をたっぷり含んでいる。その吊るし熟成短角牛をリーズナブルに食べられるのが、ランチのハンバーグだ。もちろん短角牛100%。
熱せられた分厚い鉄鍋フライパンにのってハンバーグは提供される。しっかりとした厚みと大きさ。添えられたソースをかけるとジューッと音がしてさらに期待が高まる。ハンバーグは挽き肉がギュッと詰まっているが、口の中で肉がほどける様も力強くて食べごたえもばっちり。
ボリュームはあるが、脂が少ないせいか最後のひと口まで飽きない。
『中目黒グリル』店舗詳細
『麻布笄軒 中目黒店』人気メニューを一皿に。とろとろ玉子のオムリバーグ
とろとろ玉子のオムリバーグは7~8割ほどの人が頼む中目黒店だけの人気ナンバーワンメニュー。ケチャップライスの上にハンバーグ、そしてオムレツが重ねられ、チーズソースとデミグラスソースが組み合わせられていて、写真や動画を撮らずにはいられない。
ハンバーグは1つ180グラム。注文が入ってから最終的な整形をしてフライパンで焼き、中目黒店ではスチームコンベクションオーブンへ。スチームを使っているので中までふっくら仕上がる。
厨房ではハンバーグの焼き上がりに合わせてオムレツを焼き始める。じっくり火を入れてからフライパンの持ち手をトントントン。焼き上がったオムレツがハンバーグの上にのせられて弓なりにカーブする姿も微笑ましい。
『麻布笄軒 中目黒店』店舗詳細
『Onigily Cafe』定食スタイルのランチは自慢のおにぎりに野菜もたっぷり
ショーケースに並ぶテイクアウト用のおにぎりは三角。ほとんどがのりで包まれている。テイクアウト用には全部で16種類が並んでいる。
ランチタイムには、定食スタイルのプレートを提供。人気のよくばりプレートは、シンプルな塩おにぎりにプラスして好きなおにぎりを1つ選べる。さらにおかずとして、揚げてから時間が経っても衣がサクサクの唐揚げが2つ、総菜が2種類にお味噌汁とシンプルながらも充実。野菜もたくさん食べられるのがうれしい。
使う米は長野県佐久市で栽培されたコシヒカリだ。粒が大きめで、もちもち感がある。ふんわり握ると握りたては点と点がくっつくように仕上がるとのこと。
『Onigily Cafe』店舗詳細
『Chou de ruban』甘じょっぱい自家製クイニーアマンのサンドイッチをセットで
パティシエが手作りしているクイニーアマンは、フランス・ブルターニュ地方の郷土菓子。甘じょっぱくてバリバリした食感が魅力で、生地は密度があって食べ応えもある。ランチのおすすめは、このクイニーアマンを使ったサンドイッチのセット。やはり塩気の効いたサーモンを挟んだものが人気がある。
店主はブライダル業界で花を中心に据えたディレクション経験があり、店は花屋を兼ねている。店内のあちこちには店主のセンスが感じられて、特にテーブルのディスプレイを背景に写真を撮ることを目当てに訪れる人が少なくない。ガラスの下に季節に応じて花やグリーン、そしてジオラマ用の動物たちが飾られていて、どんな季節も楽しい時間を過ごせる。
『Chou de ruban』店舗詳細
取材・文・撮影=野崎さおり