ハマグリと真鯛の極上スープ『SOBA HOUSE 金色不如帰(こんじきほととぎす)』

東京メトロ丸ノ内線新宿御苑前駅から徒歩2分、毎年ミシュランの1ツ星を獲得していることとでも有名な『SOBA HOUSE 金色不如帰』。静かな路地裏の雑居ビルにありながら連日行列が絶えない。なんと1杯のラーメンには60種以上の材料が使われているという。
ラインナップは塩そば、醤油そば、つけそばの3種。どれもおいしいに決まっているが、店主が長年練り上げてきた渾身の一杯、ハマグリと真鯛の濃厚なスープの塩そばをいただくことに。ひと口スープを飲むと幾重もの味の層と余韻が楽しめる。そんな極上のスープには、もちもちとして小麦の香りも豊かな自家製の中太麺がよく合う。
脂身に甘みがあり、さっぱりした肉質の希少な銘柄豚肉・デュロック種と、最高品質のイベリコ豚をチャーシューに。チャーシューの上にはポルチーニオイル、その隣にネギ&バジル、さらにその左手にはゴールデンベリー(食用ほおずき)ソースなどが乗る。トッピングにもひとつずつ吟味した逸品しか乗せないところにプライドと心意気を感じる。

蛤と真鯛の塩そば1000円。自家製の全粒粉麺は香りと喉越しがいい。
蛤と真鯛の塩そば1000円。自家製の全粒粉麺は香りと喉越しがいい。
少し白濁した黄金色のスープを一口飲むと、濃厚なハマグリの旨味が舌を覆い尽くす。
少し白濁した黄金色のスープを一口飲むと、濃厚なハマグリの旨味が舌を覆い尽くす。
カウンターとテーブル席を完備。カウンターの上には受賞した歴代のミシュランの盾が飾ってある。
カウンターとテーブル席を完備。カウンターの上には受賞した歴代のミシュランの盾が飾ってある。

『SOBA HOUSE 金色不如帰』店舗詳細

住所:東京都新宿区新宿2-4-1 第22宮廷マンション1階105号/営業時間:11:00〜15:00・18:30〜21:00(整理券制。配布時間は昼の部9:30〜、夜の部17:30〜)※定員に達し次第閉店/定休日:土・日/アクセス:地下鉄新宿御苑前駅から徒歩2分

ネオンサインが灯るエモい店のシンプルな塩ラーメン『Rahmen Eddie』

新宿御苑前駅の裏手に位置し、新宿区立花園公園を臨む雑居ビルにある『Rahmen Eddie』。店内には壁に大きく描かれたイラストや、ネオン管がまるでカフェやハンバーガーショップのようでエモい。今やいろんなラーメンがあるなか、塩ラーメンのみで展開する。店の雰囲気は最先端だけど、ラーメンのテイストはオーソドックスに、というのがいい。
昆布と鶏が主体の清湯スープは澄み切っていて、かえしには昆布をベースにフランス産岩塩を使った塩だれを使用。菅野製麺所の専任・製麺技能士が管理・製造する麺は、小麦粉の温度、品質やかん水の成分を厳密に管理され、パツンとした歯切れの良さが心地よい。そして、トッピングのチャーシューは低温調理の鶏むね肉、豚ロースのチャーシュー(脂多め・少なめ各1枚)と醤油だれで味つけた親鳥のチャーシューの3種。アマダ東京のブランド卵の味玉もじっくり味わいたい逸品だ。

トクセンシオラーメン1400円。麺は太・中太・細から選べる。
トクセンシオラーメン1400円。麺は太・中太・細から選べる。
サイドメニューのタマゴオニギリ200円。シオラーメンオニギリセットは1200円。
サイドメニューのタマゴオニギリ200円。シオラーメンオニギリセットは1200円。
グレーを基調に色とりどりのネオン管がアクセントになった店内。
グレーを基調に色とりどりのネオン管がアクセントになった店内。

『Rahmen Eddie』店舗詳細

住所:東京都新宿区新宿1-11-7/営業時間:11:00〜22:00/定休日:無/アクセス:地下鉄丸ノ内線新宿御苑前駅から徒歩3分

唯一無二の牛骨×貝出汁のスープがこっくりと滋味深い『中華そば 流川』

新宿駅西口のB15出口から百人町方面に徒歩7分。新旧の名だたるラーメン店がひしめく西新宿エリアに『中華そば 流川』がある。メニューは、牛骨スープと貝出汁スープのまろやかな清湯と、濃厚つけ麺の2本柱だ。
牛骨×貝出汁の組み合わせが面白い、牛貝清湯醤油中華そばは、国産100%の牛骨(ゲンコツ)と、国産鶏(丸鶏、ガラなど)を低温で10時間ほど炊き上げた透明度の高い清湯を使用。さらに数種の貝出汁をブレンドしている。旨味の強い濃口醤油のたれに、自家製の香味油と牛鶏油を加えてコクもアップ。
スープをひと口飲んでみるとじんわりと舌に広がるまろやかな旨味があって、この味でしか表現できない唯一無二の極上スープだ。40秒ほどでさっと茹でた細麺はパツンと歯切れが良く、豚肩ロースと国産鶏むね肉を低温調理したチャーシューはしっとりやわらか~い。濃厚な黄身が特徴のマキシマムこいたまごの味玉も見逃せない。

特製牛貝清湯醤油中華そば1150円。麺は菅野製麺所謹製の細麺。
特製牛貝清湯醤油中華そば1150円。麺は菅野製麺所謹製の細麺。
『SLAM DUNK』のロゴを彷彿とさせる『RUKAWA』のオリジナルTシャツ。
『SLAM DUNK』のロゴを彷彿とさせる『RUKAWA』のオリジナルTシャツ。
店内はカウンターのみ。客席は厨房の目の前で、調理している様子がよく見える。
店内はカウンターのみ。客席は厨房の目の前で、調理している様子がよく見える。

『中華そば 流川』店舗詳細

住所:東京都新宿区西新宿7-9-15 新宿ダイカンプラザビジネス清田ビル1F/営業時間:10:00〜22:30LO/定休日:無/アクセス:JR・地下鉄新宿駅から徒歩7分

個性豊かな5種類の麺をメニューごとに使い分けるラーメン店『麺や 麦ゑ紋』

大江戸線新宿西口駅から徒歩5分のところにある『麺や 麦ゑ紋』には、菅野製麺と試行錯誤して生み出されたオリジナル麺が5種類ある。
味や香り、食感もすべて違う麺を端からひとつずつ食べてみたくなるが、これらの麺が一度に3種類食べられるのが合盛りつけ麺だ。一番細い小麦ブラン麺、中くらいの太さのつる平麺、そしてまるで一反もめんのような極平麺が皿に整然と並べられて提供される。
麺だけでなく、もちろんつけ汁にもこだわりがある。豚ゲンコツ、豚背骨、豚足と北海道産鮭節をベースに数種の乾物を低温でじっくり炊き合わせている。隠し味の白菜など野菜の甘みによりまろやかであっさりとしているが、鶏油の香りとコクで食べ応えは申し分ない。
もっちもちでつるつるの極平麺、小麦の香りと甘みを感じるつる平麺、穀物の香ばしい風味や苦味も旨味のうちと感じさせる細麺・小麦ブラン麺と個性豊かな麺を包み込むつけ汁の包容力がすごかった。

合盛りつけ麺950円。つけ汁の中にはチャーシュー、ネギ、江戸菜、海苔が入っている。
合盛りつけ麺950円。つけ汁の中にはチャーシュー、ネギ、江戸菜、海苔が入っている。
一番細い小麦ブラン麺、中くらいの太さのつる平麺、そしてまるで一反もめんのような極平麺。
一番細い小麦ブラン麺、中くらいの太さのつる平麺、そしてまるで一反もめんのような極平麺。
店内はテーブル席とカウンター席。オープンとともにお客さんでいっぱいになる。
店内はテーブル席とカウンター席。オープンとともにお客さんでいっぱいになる。

『麺や 麦ゑ紋』店舗詳細

住所:東京都新宿区西新宿7-4-6 1F/営業時間:11:00〜23:00/定休日:無/アクセス:地下鉄大江戸線新宿西口駅から徒歩5分

煮干しとトンコツのイイトコ取り! バランスの取れた濃厚つけ麺『麺や百日紅』

地下鉄新宿三丁目駅C2出口に直結するビルの地下2階にある『麺や百日紅』。小腹が空いたときにでもさっと立ち寄れる気軽さがいい。
メニューはとんこつスープをベースにした、つけ麺、煮干しそば、まぜそばを用意。一番人気の濃厚煮干しつけ麺は、煮干しととんこつをバランスよく融合したスープとそれによく絡む太麺がベストマッチだ。
三河屋製麺謹製のオリジナル太麺をアツアツのスープにダイブ。煮干しの力強さはそのままに、とんこつの持ち味も生かしながら旨味を昇華している。う~ん、絶妙にいいバランスだ。チャーシューは低温調理で仕上げた鶏チャーシュー(ムネ)と北海道産の豚チャーシュー、国産豚の煮豚(豚バラ)の3種が乗っている。
最後は、ポットのアツアツスープを丼に注いでスープ割りにしてシメる。このスープは煮干しの2番出汁であっさりテイスト。濃厚な煮干しスープに加えると、また違った味わいに生まれ変わり飲み干したくなる。

濃厚煮干しつけ麺950円。麺は並200g、大300g、特400gから選ぶことができる。
濃厚煮干しつけ麺950円。麺は並200g、大300g、特400gから選ぶことができる。
北海道産豚肩ロースのチャーシューは、低温調理でしっとり仕上げる。
北海道産豚肩ロースのチャーシューは、低温調理でしっとり仕上げる。
木の温かみを感じる店内。毎日平均200人以上のお客さんがやってくる。
木の温かみを感じる店内。毎日平均200人以上のお客さんがやってくる。

『麺や百日紅』店舗詳細

住所:東京都新宿区3-4-8 京王フレンテ新宿三丁目B2F/営業時間:11:00〜22:30LO/定休日:無/アクセス:JR・私鉄・地下鉄新宿駅から徒歩5分、地下鉄新宿三丁目駅直結

体にしみるしじみたっぷりスープの朝ラーメン『江戸麺GOODLE 歌舞伎町店』

JR新宿駅東口から徒歩5分、営業時間が朝5時から13時の『江戸麺GOODLE 歌舞伎町店』。高田馬場にある『江戸麺GOODLE』の2号店で、系列店『鉄板焼きじゅうじゅう』の店舗を使った二毛作営業の朝ラーメン店だ。高田馬場店からしじみスープのらぁ麺を移管し、現在しじみスープのらぁ麺が食べられるのはここだけ。
基本のメニューは柚子塩らぁ麺とトリュフ醤油らぁ麺の2種類。どちらもしじみをたっぷり使い、さらに帆立やあさり、牡蠣、白はまぐりなどを使った貝の味を堪能できる絶品ラーメンに仕上がっている。
麺は中細ストレート麺でやわらかめに茹でてあり、透明感のあるスープと麺の絡み具合も抜群だ。
トッピングのチャーシューは豚と鶏むね肉の2種類。醤油味にはメンマ、塩味には茎わかめなど、それぞれにあったトッピングで楽しめる。歌舞伎町で働く人や朝まで飲んだ人の〆だけではなく、多くのラーメン好きにもおすすめしたいお店だ。

GOODLE自慢の味を堪能できる開店当初からの人気メニュー、特製柚子塩らぁ麺1430円。
GOODLE自慢の味を堪能できる開店当初からの人気メニュー、特製柚子塩らぁ麺1430円。
具材は豚チャーシューと鶏チャーシュー、茎わかめ、かいわれ、エビのつみれ、たまご、あられ。
具材は豚チャーシューと鶏チャーシュー、茎わかめ、かいわれ、エビのつみれ、たまご、あられ。
カウンター4席のほか個室が4室。
カウンター4席のほか個室が4室。

『江戸麺GOODLE 歌舞伎町店』店舗詳細

住所:東京都新宿区歌舞伎町1-11-12 M1ビル1F/営業時間:5:00~13:00/定休日:日/アクセス:JR・地下鉄・私鉄 新宿駅から徒歩5分

ラーメンとうどんのハイブリット! かん水ナシ、塩ナシの新感覚麺『楢製麺』

新宿駅の都営地下鉄A1出口から徒歩3分のところにある『楢製麺』。近くにあるうどん店『うどん慎』の姉妹店だ。
見た目はラーメンだがラーメンじゃない。かといって、うどんのようだけれどもうどんでもない。ここだけでしか食べられない打ちたて、切りたての独特な麺がある。一般的にうどんは塩水と小麦で作るが、塩もかん水も使わないからうどんでもラーメンでもないという、うどんのようななめらかさがある細麺を独自に開発。言うなればうどんの進化系だ。オーダーが入ってから製麺機で製麺して調理。茹で時間はたったの8秒。
スープは山梨県産信玄鶏と鳥取県産大山鶏のもも肉、手羽先、ガラでじっくり炊いた出汁に北海道産羅臼昆布の出汁を合わせ、天然醸造の醤油と生醤油で味を整えているという。
チャーシューは3種乗る。信玄鶏の低温炙りチャーシュー、北海道産夢の大地豚トロチャーシュー、宮崎県産豚肩ロースチャーシューだ。メンマならぬ特大のマタケはやわらかくて香りもいい。

一番人気の特製醤油1540円。澄んだスープに浮かんだ鶏油が幾何学模様を描いて美しい。
一番人気の特製醤油1540円。澄んだスープに浮かんだ鶏油が幾何学模様を描いて美しい。
素麺よりは太く、ラーメンとは違いつるっと喉越しのいい細麺。
素麺よりは太く、ラーメンとは違いつるっと喉越しのいい細麺。
店内はムード満点のコの字のカウンター。
店内はムード満点のコの字のカウンター。

『楢製麺』店舗詳細

住所:東京都渋谷区代々木2-26-2第2桑野ビル/営業時間:11:00〜21:00/定休日:無/アクセス:JR・私鉄・地下鉄新宿駅から徒歩3分
高層ビルや百貨店が建ち並び、昼夜にぎわう国内屈指の繁華街・新宿。飲食店激戦区でもあり、お店の入れ替わりが激しいなかで、古くから営業を続ける老舗も多い。なかには創業100年を超えるお店も。長く地元で愛され続ける新宿の名店をご紹介!
新宿は種々雑多な国籍が混ざり合う“寄せ鍋エリア”。料理もバリエーションが豊かだ。中華料理、韓国料理、ベトナム料理にアフリカン。味、雰囲気ともに現地感あふれる本格派が所狭しと並び、歩いているだけでも気分が盛り上がってくる。お腹も心も満たされること間違いなしのおすすめ4店を厳選してご紹介。本場さながらの味をお試しあれ!
のっけからこんなことを書くのもなんだが、「散歩の達人」の新宿特集はあまり売れない。それはきっと新宿が東京の中心だからだと思う。東京都庁があるのはもちろん、全国一の乗降客数を誇るJR新宿駅を筆頭に、私鉄、地下鉄が多数が乗り入れる大ターミナル。多くの人はビジネスや買い物など目的を持ってやって来るし、ここを通ってまたどこかへ行く。だから散歩どころではないのだろう。でもそれはもったいない! なぜなら新宿は都内でも有数の魅惑の散歩スポットだと思うからだ。

取材・文・撮影=丸山美紀(アート・サプライ)、パンチ広沢、羽牟克郎