START ⇒ 神田駅 ⇒ 新橋駅

『そばいち 神田店』狭山のさといもコロッケそば500円。
『そばいち 神田店』狭山のさといもコロッケそば500円。

神田駅構内の『そばいち』の生そば仕立てのうれしさは、つかの間でも「そば屋にいるんだ」感覚を味わえること。里芋コロッケで贅沢度が増し、スキップしながら山手線の外回り。神田駅と並ぶサラリーマンの聖地・新橋へ。ニュー新橋ビルの外からしか入れない『丹波屋』は超コンパクト。ネクタイ姿の常連が春菊天を頼む中、ごぼう天ですよ。丼に浮くイカダの如ごとき佇まいとは対照的に、やや西日本風な汁にしみじみするひととき。

『丹波屋』ごぼう天そば380円。
『丹波屋』ごぼう天そば380円。

⇒ 五反田駅 ⇒ 目黒駅

外回り電車は五反田へ。広い桜田通りを望み、真正面には山手線。高架ホームの『道中そば』の優越感だ。視線を落とせば巨大唐揚げそばの登場。景色を薬味に完食したら外回り。目黒駅改札を出て駅舎の真ん前、『立喰そば 田舎』……といえばアジ天そば! 風景激変の町並みの奇跡。毎日3時から仕込みをするコンパクトな店の心意気。汁で温めたしっとり天ぷらを噛み締めて、いざ高田馬場!

『道中そば』鶏からあげそば470円。
『道中そば』鶏からあげそば470円。
『立喰そば 田舎』アジ天そば400円。
『立喰そば 田舎』アジ天そば400円。

⇒ 高田馬場駅 ⇒ 池袋駅

寿司屋の看板にそば屋ののれん、どっちなんだぁ〜と叫びたくなる『吉田そば』。どっちもなのよと笑う女将の草野さん。汁を吸った揚げ玉がまたいいんだ。真後ろのガードを見上げて深呼吸、外回りで池袋。中央改札内コンコースの一隅の『爽亭』は、ここだけメニューもあって悩むけど、生姜パワーに吸い寄せられる。店名通り爽やかささえ感じる汁に、家でもやってみようと決意する。

『吉田屋 そば店』たぬき玉そば480円。
『吉田屋 そば店』たぬき玉そば480円。
『爽亭 池袋店』豚肉生姜そば490円。
『爽亭 池袋店』豚肉生姜そば490円。

⇒ 駒込 ⇒ GOAL!

ラストは駒込、本郷通りからちょいと入った『一◯そば』のパワフル一杯。濃いめ汁にたこ焼き風情のGTOをのせ、わしわし食べる。わしわし食べながら考える。駅そばは、味とお店のロケーション。そして、頑張って働いてるぞ!という証しだなって。

『一◯そば』並盛りかけそば220円と、名物GTO(ゲソ入り鶏肉団子、紅生姜入り)100円。
『一◯そば』並盛りかけそば220円と、名物GTO(ゲソ入り鶏肉団子、紅生姜入り)100円。

『そばいち 神田店』店舗詳細

『丹波屋』店舗詳細

『道中そば』店舗詳細

『立喰そば 田舎』店舗詳細

『吉田屋 そば店』店舗詳細

『爽亭 池袋店』店舗詳細

『一◯そば』店舗詳細

取材・文=高野ひろし 撮影=オカダタカオ
『散歩の達人』2020年4月号より