仕事はコロナ禍により少なからぬ打撃を受け、宣言解除後も不本意ながら暇な時期が続いていた。そんな中、どうせ時間があるならと、近所の善福寺川公園から発する善福寺川をたどり、神田川との合流地点まで約10kmを歩いてみた日のランチだ。

武蔵野園の食堂スペースはビニールハウスのような作りで、釣り堀を見ながらのんびり食事ができる。このときは、外壁の役割を果たしているビニールシートが換気のためか一部取り払われていた。

ここにくると大抵オムライスを食べるのに、なぜかこの日はラーメンの口になっていた。濃厚系ラーメンはあまり得意ではないが、こういうシンプルかつオーソドックスなラーメンは好きだ。カラッとした晴天のもと3、4時間歩き、汗をかいた直後だったことを差し引いても、沁みるうまさだった。

緊急事態宣言発出以後、自炊を熱心にやり、たまにテイクアウトをするという食生活に不満はなかったけれど、家以外の場所でプロの味を食べるのってやっぱりいいなあ、としみじみ感じた。ささやかだけど大切な生活の潤いだ。

ランチ休憩の後、さらに1時間くらい歩いて合流地点を見て、電車で帰宅した。

あれからもうすぐ2年になる。たまに気分転換をしたくなると、和田堀公園まで自転車を走らせ、武蔵野園でラーメンを食べるようになった。