日本橋三越本店の屋上は、中心の水盤を中心にぐるりと一周できるような構造になっている回遊式庭園。
こちらは「つながりのもり」をコンセプトに造園されており、4月中旬から後半にかけては、溢れんばかりのツツジが見ごろを迎えます。

屋上の解放感に相応しい、軽やかなライトグレーの社殿の「三井神社」の分社。こちらは三越の創業者である三井家の守り神といわれておりまして、1914年からこの地に祀られているとか。
守り神の社殿目の前にもツツジが植えられていますね、神様は賑やかな声に耳を傾けながらお花見しているのか。はたまた静かに佇むのがお好みか。

3月に比べると各段にボリュームを増した植栽の緑達と、白と朱色の縁起が良さそうな取り合わせのツツジ。
全体的に白と朱色の取り合わせですが、そこに一部だけ紫色のツツジを発見。

こちらは「枝変わり」というそうで、成長する過程の突然変異で同じ株でも花の色が変化してしまい、更にそれが何世代にも続いて同じような現象が起こると新品種なのでは、ということにもなるそうな。
同じツツジという花の中で、自分を見てほしい、注目してほしいという気持ちの現れでしょうか。

色が変わるということは、何かしらの作用が働いたはずと思うのです。それが仮に周りからであても自発的であっても、同じツツジという枠の中で、誰かの注目を浴びたいと思っていたとしたら…なんて思うと、途端に愛しく思えたり。

さて、肝心の糖分補給はといいますと。
日本橋三越本店さん地下にもお店を構える菓匠花見さんの春限定の「苺味の白鷺宝」です。
白鷺宝(はくろほう)は丸めた黄身餡をオーブンで焼き上げてミルクコーティングを施した和菓子ですが、今回は苺餡を。
ひとつひとつ苺の型をとっているそうで、同じ見た目のものは無いのだとか。予想以上に爽やかな酸味を放つ苺餡に思わずキュンとしてしまうこと間違いなし。サイズ感も丁度いいんですよね、3個ほど食べるには。(欲張り)
なぜ苺を選んだのかといいますと、こちらの包装がまるでツツジのように思えたから。
お菓子そのものも苺という春にかけて美味しくいただける味覚ではございますが、ツツジを眺めたいという気持ちが先行してついつい包装紙から選んでしまった次第です。
一粒で二つ、春の趣を感じられました。


春の趣といいながら、日本橋三越本店さんの屋上はすっかりビアガーデンムード。この日はアイスコーヒーやお茶と一緒に麗らかな時間を堪能している方が多く見受けられましたが、まもなく「大人の麦ジュース」で喉を鳴らす人たちが増えそうですね。