全45アイテムと圧巻の品揃え。お気に入りを探して
場所は、横浜髙島屋にある「Foodies’ Port2」の一角。白を基調とした店内に、なんと全45アイテムもの豆が並んでいる。まず同店限定の横浜オリジナルブレンドだけでも6アイテムあり、さらに有機栽培珈琲、シングルオリジン(単一農園で収穫された豆を使用)などを幅広くラインナップ。もしもどれにしようか迷ってしまっても、コーヒーアドバイザーの資格を持つスタッフが、好みの一品を探す手伝いをしてくれるのが心強い。
例えば、別の売り場でケーキを買い「これに合うコーヒーを教えて」という注文にも柔軟に対応。「チョコレートにはキリマンジャロがおすすめ」など、ペアリングを提案してもらえる。豆は量り売りで20g単位で購入でき、必要に応じてその場で挽いてもらうことが可能。日常的に飲みたいものを100gと新たにトライしてみたいものを20g、なんて買い方も楽しい。
ちなみに、店内にはコーヒースタンドとして使えるスペースがあり、買い物の途中にほっとひと息つくのにぴったり。全45アイテムをハンドドリップで提供し、片手で食べられるワッフルも用意している。飲んでみて気に入れば、同じ豆を購入して自宅で淹れてみるのもいい。KEY COFFEEオリジナルのクリスタルドリッパーをはじめ、道具もここで揃えることができ、初心者にはコーヒーを始めるのにちょうどいい入口になってくれる。
横浜で始まり、コーヒーの歴史と共に歩んだ100年
創業者の柴田文次が横浜でKEY COFFEEの前身、コーヒー商「木村商店」を創業したのは、1920年のこと。焙煎コーヒーの販売から始めたのだが、当時の日本ではまだ一般的な飲み物ではなく、なかなか広まらなかった。そこで考えたのが、コーヒーに砂糖を加え飲みやすくしたコーヒーシロップ。これが百貨店に置かれたことで大ヒットし、一気に知名度が上がったという。
市内の「ホテルニューグランド」とはホテルが開業した1927年からのつきあいで、その頃は文次自ら自転車で豆を配達していたとか。昭和に入ると今ではおなじみのブランドマーク「キー印」が生まれ、戦後、その看板を掲げる喫茶店が街中に増えていった。
創業以来脈々と引き継がれてきた品質第一主義
何を隠そう柴田文次こそが、ジャマイカにある標高4000フィートを超すブルーマウンテンの栽培地に日本人で初めて足を踏み入れた人物。豆そのものに強くこだわり、焙煎する際もその持ち味をしっかり活かす品質第一主義は、今に至るまで引き継がれている。1977年にはインドネシアに直営農園ができ、翌年トアルコ トラジャの製造、販売を開始。この商品は現在もKEY COFFEEの看板アイテムとして、たくさんのファンに愛されている。
一方、『COFFEE BEANS Clé de YOKOHAMA by KEY COFFEE』では、ここでしか手に入らない横浜オリジナルブレンドが話題。深みがあり、それでいて苦すぎることのない「横浜の朝ブレンド」100g594円、すっきりとして飲みやすい「横浜の午後ブレンド」100g675円、香り豊かでまろやかな「横浜の夜ブレンド」100g810円など、シチュエーションに合わせて選べるシリーズは、自宅用はもちろん、おみやげにしても喜ばれるはず。常連も一見も、マニアも初心者も気軽に立ち寄れるコーヒーショップ。ここでもらった鍵(Clé )でさらなる扉を開けば、その向こうに新たな楽しみが待っているだろう。