月に500匹以上のペット撮影を手がける。
七色の声を使い分けてわんちゃんの気を引き、猫じゃらしで猫を操りながら撮影するペトグラファー。
その巧みな猫じゃらしさばきから「猫じゃらしの魔術師」の異名を持つ。
写真教室講師、原稿執筆、テレビ出演、レンタルフォト撮影など多岐にわたる活動をしている。著書多数。
その① 日の丸構図
被写体を真ん中に捉えている構図を「日の丸構図」と言います。
被写体がわかりやすくシンプルな構図でカメラ初心者の方は自然とこの構図になりがちです。背景の事まで気が回らないうちはこの構図でシャッターを切って写真を撮ることになれるといいでしょう。
シンプルな分インパクトが強いのですが、上手い下手がわかりやすい構図でもあります。ペット写真の場合、見ているだけで思わず笑みがこぼれてしまうようなかわいいカメラ目線を写す時に使うと効果的です。
可愛さを全面に出す時に日の丸構図は最適。萌え死にしそうな表情を強調したい時は空間を少なくして顔を大きく写しましょう。
その② 二分割構図
ここからは空間を開けて撮る時に効果を発揮する構図です。
二分割構図は上下左右のどちらかを均等に分割する構図です。風景写真に適している構図ですが、ペット写真にも使えます。
私の場合、空間を開けたいけど被写体も大きく写したい時にこの二分割構図を使います。
画面左に被写体の猫を配置し、画面右に空間を開けました。被写体が小さくなり過ぎず適度に空間も開けられるのでスッキリとした印象になります。
画面のどちらか半分ぐらいに被写体を置くイメージにしておくと撮りやすいですよ。
その③ 三分割構図
そして万能と言っていいのがこの三分割構図。画面の縦横をそれぞれ三分割し、その交点に被写体を置く構図です。この構図にしておけばだいたい間違いありません。先ほどの二分割構図よりも空間が広く撮れるので綺麗な景色と一緒に撮るときに最適です。
実際に撮影する時はカメラやスマホの画面にグリッド線(メーカーによって名称が異なります)を表示させましょう。そうする事で構図を簡単に決めることができます。また水平や垂直を合わせるのにも利用できるので常に表示させていてもいいでしょう。
他にも対比構図や放射線構図などペット撮影でも使える構図はありますが、まずはこの3つの構図を意識して撮ってみてください。
表情を見せたいか、景色も入れたいい雰囲気の写真を撮りたいか、自分が撮りたいイメージに合わせて構図を決めましょう。空間を開けて撮る場合はグリッド線を使い、被写体の視線の先に空間が開くように配置するといいでしょう。
最初のうちは戸惑うかもしれませんが慣れてくると自然と程よい余白のある心地いい写真を撮れるようになります。たくさん練習して素敵なペット写真を撮ってくださいね。
文・写真=湯沢祐介