濃厚煮干し系の人気店のセカンドブランドは二郎インスパイア系
バーボンロードの中ほどにある『ラーメン宮郎』は、超濃厚煮干しつけ麺の行列店『煮干しつけ麺 宮元』のセカンドブランド。
オーナーの宮元達宏さんが「自分が食べたい二郎インスパイア系」を作るために2017年6月に開店した。店長の藤原和也さんは、この店の立ち上げ時から携わっているという。「一時期、私の都合でお店を離れていたのですが、2022年10月に戻り、開店当初の味に戻しています」と話してくれた。
外観の黄色い看板には、真っ黒な文字で店名が書かれていて、いかにもおいしい二郎インスパイア系が食べられそうな店構え。これは期待ができそうだ
フードロスの観点から無料トッピングは先にコール
入り口近くの券売機で「ラーメン並盛」1000円を購入。食券を渡すタイミングで、トッピングを聞かれる。無料でトッピングできるのは、ヤサイ・ニンニク・アブラの3種類。二郎インスパイア系の多くは、ラーメン提供時にトッピングを聞かれるのだが、二郎インスパイア系では初めての経験。
先にトッピングを聞く理由は「オーナーの考えなのですが、ヤサイを先に茹でておくと、フードロスにつながってしまいますから、最初に聞くようにしました」と藤原さん。今日はヤサイマシ、ニンニク、アブラをコールしてラーメンが届くまでしばし待つ。
パンチがありながらも食べやすいラーメン
スープは一時期、あっさりとした非乳化タイプになっていたというが、藤原さんが復帰してから乳化したスープに戻したという。飲んだ瞬間に、濃厚さを感じられるが飲みやすい。かえしに加わる醤油のキレもあって、スッキリとした後口に仕上がっている。鶏油の旨味も感じられる。
藤原さんは「スープは豚骨と豚足、豚頭などで作っています。さらに味に深みを与えるために昆布をはじめとしたいろいろな食材を加えています。宮元さんもおいしくなるなら変えていこうといっているので、ドンドンおいしいスープに変化していっています」と話す。
麺は極太の平打ち縮れ麺。力強いスープの味を正面から受け止めるゴワゴワとしてモチモチとしたコシの強さが魅力的だ。ニンニクを絡めながら食べれば、ガツンとした刺激が加わってさらに旨味が増す。お次はアブラを絡めてみる。甘みがある背脂だが、食べているとピリッとした味を感じた。藤原さんは「細かくした背脂に、ブラックペッパーを加えています」と教えてくれた。
名物ともいえる豚はスープと共にじっくりと煮込んでいるため、ほろっと崩れるほど柔らかい。味もしっかりと染み込んでていて、噛むたびに豚本来のおいしさが広がる。スープをまとったシャキシャキ食感のヤサイもいいアクセントになる。
好みで味変ができる調味料も豊富にそろっているので、いろいろと加えながら食べてみるのも面白い。
ジャンキーさがたまらない汁なし
藤原さんは「汁なし(並盛1000円)もオススメです」と話す。
ヤサイマシ・ニンニク・アブラの無料トッピングをした汁なしは、見た瞬間にボリュームに圧倒されそう。たっぷりの野菜とアブラの上には卵黄がのり、フライドオニオンとエビマヨが添えられ、すべてを合わせるように豪快に混ぜる。
ガッシリとした麺と、豚の旨味が満載のタレなど、一度食べるとこの味わいに魅了され、クセになりそう。エビマヨと卵黄が味をまろやかにして、一体感をもたせている。
エビマヨは、バジルマヨに変更ができるので、好みに合わせてチョイスしよう。
麺はミニから大盛まで用意。いろいろなラーメンを食べてみたい
藤原さんは「二郎インスパイア系ですと、ボリュームがありすぎてと敬遠する方もいるかと思います。ですが、麺の量150gのミニも用意していますので、小食の方でも安心して食べられます」。また、「塩ラーメンや辛いラーメンなどのほか、不定期で限定ラーメンも用意していますので、気分に合わせていろいろと楽しんで下さい」と話してくれた。
飲み屋街にある二郎インスパイア系。麺や豚の食べごたえは期待通りの高評価だった。加えて、濃厚なスープの味にも、ボリュームにも満足度が高く、くどさを感じさせず最後までおいしく食べることができた。限定も含め、さまざまなラーメンを食べ比べてみたい。
取材・文・撮影=速志 淳 構成=アド・グリーン