Patisserie Rico
生ケーキから焼菓子まで安定した味が魅力
オーナーの中村貴使さんは、元洋菓子専門学校の講師。2015年の9月、講師時代から住んでいる船橋に『Rico』をオープンした。「船橋は昔から住んでいる人や新たに引っ越してくる若い人たちなど、年齢層が幅広い。どんな世代にも受け入れられるケーキを提供していきたい」と話す。きめ細やかな生クリームはほんのりミルクの風味が感じられ、チョコレートも甘さは抑えつつ苦みも少ないため、小さな子供でもペロリと食べられそう。
『Patisserie Rico』店舗詳細
patisserie an
路地裏にある隠れ家的パティスリー
店舗の外観はごく普通の民家。引き戸を開けるとショーケースはなく、玄関で奥の厨房にいるオーナーの鳥居幸嗣さんを呼んで注文するという独特な販売スタイルだ。口コミで評判が広がり、今や地元の隠れ家的パティスリーとして人気を博している。使用するフルーツは旬で食べ頃のものにこだわって選んでいるため、ケーキのラインナップは日によって変わる。入り口の外にある看板に書かれたメニューを見てから、中に入ろう。
『patisserie an』店舗詳細
シャルロット洋菓子店
昔ながらのケーキにニッコリ、心ほっこり
金坂さんご一家が営む『シャルロット』は同地にオープンして30年以上。新作のアイデアは、奥さんや息子さんとみんなで出し合い、ご主人の定良さんが中心になって形にする。楽器や音符をモチーフにしたデコレーションが多いのは、ジャズトランペットを吹く息子さんの影響。「子どもの頃食べたケーキと同じ!」と喜んでくれる人がいるため、オープン以来デザインを変えていないものもあるとか。クラシカルなバラ花飾りは乙女心をぎゅっと掴む。
『シャルロット洋菓子店』店舗詳細
Sugar Shack
実家の果実を使った、初々しいタルト
旬の果実がツヤツヤ輝く果樹園のタルト490円を前に、「大きなクマみたいな人が作っているんです」とパティシエ藤尾健二さんの奥様、智子さんはそんな風に言って笑う。実はこの果実は市内にある智子さんの実家で採れたベリーやキウイ、千葉県産いちごなどを使用。ひと口食べれば、果汁が初々しくはじけ、口の中いっぱいに広がる。これを作るご主人は、きっとキュートなテディベアみたいな人に違ない!と思って、にんまりした。
『Sugar Shack』店舗詳細
LE PATISSIER YOKOYAMA 京成大久保店
若く美しい貴婦人にうっとり
色鮮やかなフルーツがまるで宝石みたい。貴婦人のロールフルーツから連想するのは、白いドレスを着た若くて美しい女性。おしゃべりも上手で明るいタイプで……なんて、勝手な想像はさておき、口に入れたとたんに広がる生クリームの甘さと、果物のさわやかな酸味のマリアージュにうっとりして、ため息が出る。わざわざ栃木県から2~3カ月に1度、このケーキを食べるのを楽しみに来る家族もいるという。なるほど納得の美味しさだ。
『LE PATISSIER YOKOYAMA 京成大久保店』店舗詳細
patisserie sucre sale
「王道」と呼ばれることの奥深さを知る
オーナーの笹塚哲正さんいわく「自分はオリジネイターではない」。ケーキはコミュニケーションツールだから、みんながイメージできる普遍的な姿であるべきだ、と。「“ショートケーキ”と言われてみんながパッと思い浮かべるもの、それを作りたい」という言葉通り、ふんわり食感に、甘さと酸味の若々しいハーモニーはまさに理想的。うんうん、これが食べたかったの!シンプルで王道のケーキだからこそ、その美味しさは誰もがわかるはず。
『patisserie sucre sale』店舗詳細
構成=フラップネクスト 取材・文=信藤舞子、深山晴代 撮影=猪俣慎吾、井原淳一