市内に歴史スポットが点在する町田市

都心から電車で約30分でアクセスできる東京都町田市。そんな町田市は鎌倉時代や江戸時代末期の歴史にゆかりのあるスポットが点在し、歴史ファンから密かに注目を集めている。町田市の歴史や文化を感じることができる祭りとして毎年秋に行われているのが「町田時代祭り」だ。

市の中央部には、鎌倉時代に御家人が鎌倉へ行くのに通ったといわれる鎌倉古道がある。また、下小山田町の大泉寺には鎌倉幕府の有力御家人であったといわれる小山田一族の墓が、西成瀬には新田義貞が鎌倉に攻め込む際に松の木に鞍を掛けて馬を休ませたという「鞍掛の松」の石碑があり、市内を歩くとさまざまな歴史スポットに出合うことができる。

さらに小野路町(当時の小野路村)では、江戸時代末期にまだ新選組が結成される前の近藤勇や土方歳三、沖田総司などが剣術の出稽古に来ていたといわれ、その後彼らの指導を受けた若者によって小野路農兵隊が結成され、剣術や砲術の訓練がますます盛んに行われたと伝わる。

時代行列に、砲術&流鏑馬など盛りだくさん!

11時から行われる時代行列では鎌倉武士や農兵隊の様相を再現し、甲冑や着物などの本格的な時代衣装に身を包んだ人々が町田駅周辺から芹ヶ谷公園まで約1時間かけて練り歩く。いつもの市街地が一変、まるでタイムトリップしたかのような雰囲気に包まれる。

また近年はサブカルチャーにも対応したコスプレ行列も人気を博している。「和装であることが条件。自作の甲冑や、ゲームやアニメのキャラクターに扮したコスプレイヤーの参加もOK。海外の観光客からも注目を集めています」と話すのは町田時代祭り実行委員会事務局の福栄太さん。参加には事前の申し込みが必要だ(2024年10月31日まで)。

時代行列に続いてコスプレ行列も街を席巻する。
時代行列に続いてコスプレ行列も街を席巻する。

時代行列の後は会場を芹ヶ谷公園に移し、さまざまな武芸を観覧することができる。大きな銃声がとどろく砲術をはじめ、観客も思わず手に汗握る古武道演武や居合抜刀、走る馬の上から的を射る流鏑馬が次々に披露される。「1日でこれらすべての武芸を観覧することができるのは、全国的にもめずらしいのでは」と福栄さん。木々が色づく秋の芹ヶ谷公園で迫力ある武芸を間近で見学しよう。

銃声とともに火薬のにおいが立ちこめる砲術の演武。
銃声とともに火薬のにおいが立ちこめる砲術の演武。

開催概要

「町田時代祭り2024」

開催日:2024年11月4日(月・休)
開催時間:11:00~15:30
会場:芹ヶ谷公園(東京都町田市原町田5-16)ほか
アクセス:JR横浜線・小田急電鉄小田原線町田駅から徒歩13分

【問い合わせ先】
町田時代祭り実行委員会事務局☎042・724・1951
公式HP:https://www.jidaimachida.org/

取材・文=香取麻衣子 ※画像は主催者提供