味論(達人)の記事一覧

noimage
【酒場伝説】大宮最後の“屋台”という名の灯火が消えた夜/「ゆたか」
子供の頃というのは「不思議だなぁ」と思うことが沢山あったものだ。例えば“雲ってどうして浮いてるのかな?”や“着ぐるみはどうやってご飯をたべるのかな?”など、純真無垢な疑問をいつも抱いていた気がする。じゃあ、大人になってからはそんな疑問がまったく無いのかといえば、そうでもない。例えば、飼っていた猫が亡くなったとする。無条件で悲しみに襲われるのだが、ふと“なぜ、すべては無くなってしまうのか?”という、長年生きてきたからこその疑問が浮かぶことがある。
noimage
サービス料理にまさかの“熊の手”⁉ 究極のサービス精神は会津若松『麦とろ』にあった!
“サービス精神”というものを最も感じる時、それはどんな時だろうか。例えば、病気や怪我をして病院に行くとする。厄介な病状ではあったが、先生や看護師さんの献身的な処置で無事に治った……いや、これはサービス精神ではなく“ホスピタリティ”になる。いつもわがままも聞いてくれるし、いつだって優しい。自分にはもったいないくらいの恋人がいるとする……うーん、これはサービス精神よりも強い“愛情”というやつか。では“お金の羽振りがいい”はどうか……それはただの“お人よし”ってやつで、サービスでもなんでもない。そう、サービス精神を最も感じるといったらひとつ、“酒場”なのである。
noimage
もはや観光名所! 大阪・京橋の『居酒屋とよ』で昼間から開催される炎のディナーショー
たかが酒場、されど酒場──お酒なんてものは詰まるところ、楽しく飲めればそれでいい。ただ、それでも尊い価値というのが存在していて、中にはお酒だけではなく酒場自体に陶酔してしまう人間もいる……私がそのひとりだ。その酒場の価値について、改めて考えさせられたことがある。世界のストリートグルメを紹介するNetflixの「ストリート・グルメを求めて」というドキュメンタリー番組で、日本の酒場が特集されていた。大阪にある酒場なのだが、店主の人生や酒場への愛情が非常によく描かれており、観ていてとても感動した。そう、酒場というのは時に感動すらさせてくれる価値を持っているものなのだ。
noimage
濃い酒の聖地“南中野”で、酒も人間味も濃~い酒場を堪能する【中野富士見町『炉ばた焼 吾作』】
「ウッ、こ、濃いっ……!!」私は酒場が好きな以前に、とにかく酒が好きだ。焼酎、ビール、日本酒、ウイスキー、ワイン……アルコールが溶けている飲み物であればなんだって好きなのだ。ただ、それだけ酒好きなのに、未だに慣れないことがある。それが“唐突な濃い酒”である。どういうことかというと、例えば酒場でウーロンハイを頼んだとする。それが届いておもむろに飲む──ウッ、なんだこれ……焼酎がめちゃくちゃ濃いじゃないか!といったことに出くわすことがあるだろう。こちらとしてはほどよく調合されたウーロンハイのつもりで勢いよく飲むものだから、驚いて口から霧を吹いてしまうこともある。
noimage
消えゆく看板の灯火……そこから始まる新たな酒場の光【超入りにくい店に入ってみた/荻窪『女ヶ澤』】
とあるニュース記事で、今年(2023年)上半期の飲食業倒産数が過去30年間で最多というのを読んだ。ラーメン屋、寿司屋、喫茶店など、それと私がもっとも愛してやまない小さな酒場は、未だコロナ禍の影響が色濃く影響しつつあるようだ。「これはなんとかしなければならない!」などと思いつつ、なるべく酒は外で飲むように心がけていても、一軒につき酎ハイ一杯400円を3杯とアテを少々。私の努力など、たかが知れている。それでも、古き良き酒場の文化だけは途絶えないようにと、曲がりなりにもこうして酒場を紹介しつづける意味はあるのだと思う。
noimage
「そろそろ店畳もうと思ってますよ」。中野坂上の老舗酒場『大宝城』は味わい深すぎ!
都内屈指の歴史を誇る中野駅周辺は、ただいま絶賛開発中であり、中野駅前のシンボルともいえる中野サンプラザも、2023年7月をもってその幕を閉じた。“100年に一度”と言われる街の生まれ変わりが始まる中、古き良きものもしっかりと残していこうという風潮は、他の再開発地区とは少し違うような気がする。
PAGE TOP トップへ PAGE TOP 目次へ