池袋駅東口から徒歩4分。いつでも賑わうサンシャイン60通りの2階にあります
昼夜問わずにぎわう池袋駅周辺。ラーメン激戦区としても知られるこの地で2020年にオープンした『三ツ矢堂製麺 サンシャイン60通り店』。池袋駅からサンシャインシティに向かう途中のビルの2階にあり、まわりには映画館やユニクロ、ラウンドワンなどが立ち並ぶ。繁華なエリアだけに客は引きを切らず、人気の高さがうかがえる。
エレベーターか階段で2階に上がると、雑然とした外とは打って変わって店内は落ち着いたムード。開放感のある大きな窓とシックな内装が、しゃれたバーやカフェを思わせる。
一番のこだわりは「特等粉」を使った自家製オリジナル麺
「灰分率」という言葉をご存知だろうか。小麦粉に含まれるミネラルや不純物の割合のことで、灰分率によって5段階の等級に分かれている。一般的なラーメンで使う小麦粉の灰分率は0.6〜0.7%、二等から三等の小麦粉を使うことが多いのだが、この店の麺は灰分率0.34%の特等粉を使用。不純物の量が通常の半分ほどなので、雑味がなくキメが細かい。
トッピングには炙りチャーシューも!お得すぎるマル得つけめんをチョイス
外の看板でも店内でもやっぱり推しはつけ麺だ。自慢の麺をたっぷり食べたいし、もう一つの売りである真空低温調理のチャーシューも外せない。それならいろいろなトッピングが付いたマル得つけめんがおすすめ。半熟の味付け玉子とたっぷりの茹で野菜、海苔、そして炙りチャーシューが盛られた贅沢丼だ。
麺の量は通常で300g、中盛450gが100円追加、大盛600gが150円追加となる。今回は思い切って中盛をチョイス。
つるつる太麺とこってりスープにベストマッチな柚子の風味。最強すぎる味わい
着丼した瞬間から豚骨スープのいい香り……。では早速いただきま〜す!とその前に。「柚子をおかけしてもよろしいでしょうか?」。そうそう!こだわりの柚子を麺にかけてくれるサービスを忘れてました。もちろん!ぜひお願いします!
ミカンかと思うほど大きな柚子を、目の前で擦ってくれる。一瞬でさわやかな香りが広がった。この柚子は徳島県木頭地区産で、高級料亭で使われるブランド品。確かに通常の柚子に比べて香りの強さが段違いだ。
まずは麺をスープにとっぷりと浸けてひと口。スープは豚骨主体のこってり感と野菜の甘みがちょうどいい。とろみがあるので太い麺によく絡み、するりと気持ちよく口の中に入ってくる。さすがは特等粉使用の麺だと実感するのがつるつる感としなやかさだ。雑味がなくすっきりしているので、マイルドな風味のスープとベストマッチ。そして来ました!たっぷりかけた柚子の香りがふわ〜っ。柚子の香りに誘われて、気分は「これ、無限に食べられる」モードに突入。全体のバランスがとてもいい。
豚肩ロースを調味料といっしょに真空パックに入れ、長時間低温で加熱して作るチャーシューは、肉の旨みが凝縮され、とてもやわらか。噛むほどにほどけていくような食感で、炙られた脂は香ばしくとろりと口の中で甘く溶ける。おつまみにもアリなおいしさだ。
スープには棒状に切ったメンマとチャーシュー、ナルト、ネギがたっぷり沈んでいた。こちらは炙らないチャーシューが入るのだが、スープが染みてしっとりした食感。これだけゴロゴロと具が入っているなら、トッピングのつかないつけめんでも十分かも?とも思うくらいだ。スープにも柚子の果汁が入っており、時折さわやかな風味を感じる。
割りスープは鯛とホタテで取った出汁!滋味なおいしさがたまらない
なにこれ!ウマっっ!!思わず叫んでしまったのが割りスープ。涌井さんに「ぜひそのまま飲んでみてください」とすすめられたから飲んでみたのだが、本当にびっくりした。鯛とホタテを使って取ったという贅沢な出汁で、凝縮した鯛の旨み、貝特有の磯の香り、ほどよい塩加減……。すべてがパーフェクトなおいしさなのだ。もちろんスープをこれで割ると、出汁の味が際立って一段違うおいしさに。ぜひ忘れずにお試しあれ。
ユニークなトッピングと期間限定メニュー、そして旬の柚子といつでもお楽しみがいっぱい
熱々のつけ麺に溶けたチーズを混ぜるという他の店では見られないユニークなトッピングや、めんたいつけめん、カルボナーラつけめん、黒トリュフつけめんなど一風変わった限定メニューが登場するので楽しみにしているファンも多い。また、柚子の旬は冬なので、夏はどうなるのかというと、同じ徳島県木頭地区産の青い柚子になる。季節に合わせて違った味わいが楽しめる。
メニューを企画している涌井さんは「とびきりの商品を作るために原価は無視。毎回思い切ったことを考えています」と話す。常に新しさやおもしろさ、旬のおいしさを提供する中で、通底しているのは「本物であること」。次はどんなおいしさが出てくるのか。楽しみな店だ。
取材・⽂・撮影=ミヤウチマサコ