異次元の体験! ハマ熱波がスゴイ!
国道1号に架かる新鶴見橋西のたもとにあり、大きな青い看板が目印。2000年11月の開業時には鶴見地区では最初のスーパー銭湯だったが、現在は鶴見川の対岸に『RAKUSPA鶴見』、国道1号の西200mほどのところに『ヨコヤマユーランド鶴見』があるスーパー銭湯超激戦区になっている。
こんな競合が激しいところで勝ち抜くのはさぞかそ大変かと思うが、『ファンタジー サウナ&スパ おふろの国』は独創的なイベントで訪れた者を虜にする。
なかでも注目は、熱波師・井上勝正氏が率いるサウナ熱波道が行う熱波イベント「ハマ熱波」。通常でも92℃ある高温サウナで、焼いた熱波ストーンにアロマ液をかけて水蒸気を蒸発させ、大判タオルであおいで熱風を送る。
これだけならよくあるロウリュウと変わらないが、熱波師と呼ばれるスタッフのパワーと情熱がすごく、かけ声に圧倒されそうだ。まさに熱波エンターテイメントと呼ぶにふさわしい迫力あるイベントだ。煩悩の数と同じといわれる108回の熱波を受ければ体中から汗が噴き出てくる。
熱波師には、現役プロレスラーやお笑い芸人、女湯では会社員でありながら熱波の魅力に取りつかれ休日は熱波師として働くようになったという宮川はなこさんなどさまざまなキャリアをもつ人がいる。馴染みの客の中には特定の熱波師のファンもいるというから、一度体験すれば病みつきになるかも。
熱波イベントは毎週土・日曜・祝日の9・15・17・19・21時(女湯は16・18・20時)に開催。開催1時間前までに熱波券(通常200円)を購入し、フロント前で待つとその日に担当する熱波師が現れ受付する。1回定員17名。超過した場合は抽選になる。女性は無料なので直接サウナへ。
男湯2室、女湯3室の趣の異なるサウナが好評
サウナが充実しているのでサウナーからの人気が高い。男湯にはハマ熱波を行う高温サウナのほか、「1時間おきに蒸気ジュワ~」をキャッチフレーズにした65〜70℃前後のアロナサウナもある。毎時30分に自動で蒸気が発生するオートロウリュウで発汗効果も抜群。
女湯のサウナは3室。ハマ熱波を体験できる高温サウナのほか、うず潮の塩サウナとアロマテラピーサウナがあり、バリエーション豊かなサウナ体験ができると好評だ。
たっぷり汗をかいたら、水風呂でクールダウンし、露天エリアのイスで川風に吹かれながら外気浴をすれば最高の“ととのい”が体験できる。
入浴料平日850円。地域一番の格安料金も魅力
サウナに注目が集まるが、一つひとつの湯船も独創的なものが多い。内湯で一番大きな浴槽は「RELAX(リラックス)人肌の湯」。体温と同じ36℃前後の人肌のぬる湯なので長湯好きに人気で、あまりの気持ちよさにうとうとしてしまいそう。
隣接する「アツ湯」は日本で唯一の医薬品浴剤として認可されている「千葉実母散(ちばじつぼさん)」が入った湯を楽しめる。鎌倉時代からの歴史があるという入浴剤なので、実際の効果を体感してみよう。
このほか、ジェット噴流が背中や腰をほぐすストロングバス、腰や足の筋肉をほぐす座湯、トントントンとリズミカルな刺激がある電気風呂などの各種機能浴もそろっているので、ハシゴ湯が楽しみだ。
2つのカプセルタイプの部屋が並んでいるのは打たせ湯と打たせ水。水も湯も、滝のように激しく落下する。かなり勢いがあるので頭上に落下すると痛いくらいだ。隣にある水風呂は広く、深さ90㎝あり、水温は17~20℃前後。少しかがむと肩まで浸かれる90㎝という深さがちょうどいい。
露天エリアは鶴見川の川風が心地よい岩造りの露天風呂と「月見の炭酸泉」の2つ。露天エリアにはデッキチェアやイスが配置されているので、のんびり外気浴するにもぴったりだ。
がっつり満腹サウナ飯。料理名だけでも迫力が伝わる
サウナーに人気がある施設なのでサウナ飯が充実しているのも特徴だ。食堂も「サウナ食堂」を名乗るだけに、ビールはもちろん、がっつり満腹になれるメニューがそろっている。から揚げ噴火定食、ネギライスDX(デラックス)、天空のから揚げ丼、驚異のメガチキン定食ネギ山脈など、ネーミングからも想像できるが、どの料理もボリュームたっぷり。
話は変わるが、ユニークな活動をされている方を紹介しよう。「癒し處(いやしどころ)ケアケア」の店長・大西一郎さん。実はこの方、サウナの中で歌を披露するサウナ歌謡歌手。おそらく日本で唯一のサウナ歌謡歌手ではないかと思う。
ラジカセを首から提げて、マイクを持ってサウナ室に入ってくる。披露する歌は自ら作詞・作曲した「あかすりブルース」「サウナ船」「サウナ夢街道」など。大西さんの歌は第1日曜21時から開催の「サウナ歌謡ショー」で聴けるのでぜひ応援してあげてほしい。
とにかく『ファンタジー サウナ&スパ おふろの国』のスタッフたちは個性的で熱い。店長の林 和俊さんは「普段は日常づかいのスーパー銭湯として、土・日曜は非日常を楽しむスーパー銭湯として楽しんでもらいたいですね。とにかく、言葉では伝わらないこの熱・風・想いを、ぜひここに来て体感ください」と話す。
取材・文=塙 広明 写真=ファンタジー サウナ&スパ おふろの国