悩んだ結果、気づいたら頼んでしまう麻婆の不思議
個人的には単品に引かれることが多くて、丼で頼みたいという気持ちが起きにくいメニューです。でも丼ものの中でも最強クラスに一気にかっこめるから、短時間でおなかを満たしたい職人さんとかに人気なのだろうな。
僕はどちらかというと麻婆豆腐定食を頼むことが多い。最初は麻婆と白ご飯で分けて食べて、途中から麻婆を飯にのっけて食べるかな。
自分は頼む機会は少ないですが、悩んで悩んで一周して麻婆丼みたいな感じあります。
とてもわかります。メニューをぐるっと見回した後に、何かを悟って頼むというか。
悟る(笑)。
自分は割と食べるほうですね。月刊『散歩の達人』での連載時に麻婆丼を提案したら、もっと町中華っぽいメニューにしてくれと却下されて、町中華的ではないんだと驚きました。あと、麻婆丼といえば豆腐丼。新御徒町の『幸楽』さんを取材したとき、30年くらい前に豆腐丼を考案したそうで、当時はまだ麻婆豆腐が珍しい時代だったとご主人おっしゃってましたね。
「豆腐丼」という名前も素敵でしたね。
豆腐丼と麻婆豆腐定食、量は同じだけれど、丼のほうが安いそうです。理由は洗い物が少ないからだそう(笑)
なるほど。店にしたらそうかもねぇ。
僕は最近食べだして、おいしいことがかなり多いことに気付きました。
おいしい店が少なそうと思い避けがちだったのですが、そうなんですね!
麻婆丼はハズレが少ないんだと思いますね。
定食は本格的な麻婆豆腐も歓迎ですが、マーボ丼は丸美屋的な庶民の味がいいですね。
私も、お店で食べるものというより家で丸美屋が定番でした。ご飯に合う丸美屋路線を目指している店と、本格中華料理として出している店との違いで大きく2つに分かれそうですよね!
オレンジ色の憎いやつも好きですよ。大門の『味芳斎』の麻婆丼、オレンジ色で、あの色は豆板醤ですかね。かなり辛く汗が出るタイプ!
町中華の麻婆の決め手は甘・辛のバランス
麻婆豆腐がすごいと思うのは、嫌いな人に出会うことがないこと。
確かに! 結構特殊な味にもかかわらず。
でも自分は痺れる系は苦手かも。
わかる。町中華麻婆では甘さ大事、辛さとのバランスが決め手!
ほんとだ、言われてみたら甘さ重要ですね。ホッとする味ってそこに感じてるのかも。
今回うかがった『啓ちゃん』の麻婆丼は初めて食べたとき、衝撃走りました。なぜなら甘うまいんですよ。
甘辛いかんじですね。ご飯が進むタイプですね。
ですね、『啓ちゃん』の甘いパンチ! 調理過程を撮らせてもらいましたが、砂糖が入ります。豆板醤や他の調味料と一緒に鍋肌で焼くように作ってました。
甘いと辛いが一緒にやってきて、めっちゃ手が進む病み付き系麻婆丼ですよね。
レンゲを止めるな的なね(笑)。
おっ、「レンゲを止めるな」いただきました!
おばちゃんが常連にいる店は良い町中華
肉に下味がしっかり付いていて、少しスパイシーさも感じました。
今日いらっしゃった常連のおばちゃん、僕2、3回遭遇しているんですよ。ガチの常連で彼女は食券システム無視!
いちばんおいしいのは、中華丼だと言ってましたね。でも、きょうは麻婆だけど、と麻婆丼を食べてらっしゃいました。
おばちゃんが常連にいる店ってうまい店の証だと思ってます!
あのおばちゃんの言うことは間違いないと思う! 中華丼もそうだけど麻婆豆腐は「あんかけ」ジャンルでもあるわけで、その意味でも町中華には似合っている料理だよね。
町中華に似合っている麻婆豆腐が、丼になると更に町中華ど真ん中って感じですね。
たしかに町中華ど真ん中でありつつ、派手すぎず。見つけたら食べておきたい料理の一つ。
自分も町中華のど真ん中だと思っていたのに、町中華的ではないと思う人もいるわけ、そのあたりの麻婆丼の立ち位置の微妙さもおもしろいですね。
マグロさん、自分は麻婆丼の味方でいようと決めました!
麻婆丼は本連載で取り上げていそうでやってないんですよね、満を持してという感じなのですが、みなさん食べる機会はありますか?