しかし、問題はガイドである。
スタートは、小石川の伝通院(下の写真)だが、「徳川家康の生母 於大(おだい)の方の菩提寺」って、英語で言えるだろうか。
無理無理。
ふと、人工知能を思い出した。
いつも使っているブラウザの下の方に「何でも聞いてください」って出てくるのは、今はやりの人工知能だよね。今こそ、何でも聞いてみる時だ。
「伝通院について英語でガイドしてください」と打ち込むと、あっという間に英語の説明が出てきた。
「伝通院について日本語でガイドしてください」と打ち込むと、今度は日本語で説明が出てくる。
量もちょうどいいし、箇条書きで読みやすい。すごいね!これで何とかなりそうだ。
「伝通院」や、谷中の「朝倉彫塑館」などについては、文句なしの文章がでてきた。
しかし、ちょっとマイナーな場所になると、英語と日本語の説明が違ったり、「いやそれ違うでしょ」的内容を、するすると表示したり。結果のチエックはまだまだ必要だ。
すごく博識で、説明上手で、知らないことでも自信満々で答えちゃう。
人工知能が、そんな奴に見えてきた。
とはいえ、大事なスポットについては英語と日本語の文章を揃えることができ、いざ当日。
歩きだしてみれば、彼女は日本語がよくわかるし、友人は通訳してくれる。
私も中学生以下の英語を話し、意外と会話ができるのだった。
冒頭の写真の「澤蔵司(たくぞうす)稲荷」は、私のおすすめの場所。
伝通院のすぐ近くにあって「江戸初期に伝通院で修行した」という稲荷大明神を祀っている。
澤蔵司(たくぞうす)は、伝通院に現れた修行僧。短い間に浄土宗の教えを会得し、自身が稲荷大明神であることを告げて去ったという。蕎麦が大好きで、近所の蕎麦屋に通ったという言い伝えもある。
境内には、霊屈「お穴」と書かれた霊場があり、赤い鳥居の連続と、たくさんの狐の像がなんとも不思議な雰囲気をだしている。
ゲートボールをしていた地元の人が、「今でも近所の蕎麦屋さんが、毎日蕎麦を供えにくるんだよ」と教えてくれた。
伝説あり、見ごたえあり。でもそんなに人はいない穴場スポット。
ちなみに人工知能は、マイナーな「澤蔵司(たくぞうす)稲荷」が苦手らしく、英語のガイドには、蕎麦のエピソードだけが出てくるのだった。
週末の東京大学本郷キャンパスは、今や観光地。
安田講堂や、その地下の食堂には、カメラを持った人たちが。
各時代の高名な建築家が手掛けた建築がそこここに建っているが、特に、建築学科の建築家で後の総長となった内田祥三(うちだ・よしかず)は、関東大震災後に多くの建物を手がけた。ゴシック様式の建物は「内田ゴシック」として知られている。
どの建物も美しくて、向こう側が見通せる美しいアーチで、みんなで写真を撮った。
(そこで写真を撮っていた人との偶然の出会いがあった)
谷中の「朝倉彫塑館」も、前から好感を持っている場所だ。
彫刻家の朝倉文夫氏のアトリエ兼住居であった建物が素晴らしい。和洋折衷の家や庭はいつまでも居たい気持ちになるし、弟子と一緒に植物を育てた屋上や、作りかけの彫刻が盛大にアップダウンするアトリエなど、見どころがたくさん。
さらに、今回は、外国からのお客さんにも楽しんでもらえる施設だと再発見。すべての場所に、多言語の説明文がついていて、音声ガイドもあった。アメリカから来た友達も、じっくりと眺めて、楽しんでくれたようだった。
今回、「英語でガイド」を初体験して思ったこと。
・人工知能は、事実のチエックをちゃんとすれば、役に立つ。質問の仕方が大事らしくて、こちらの質問力も試される。
・英語は、せめて中学生レベルでしゃべりたい。
・谷中のように、外国からのお客さんが多いところの強さも感じた。上野→谷中コースもなんかもいいのではないかしら。
3人で歩いた散歩はとても楽しかった。また、機会があればチャレンジしたいと思っている。