あえて最寄りというならば、西武立川駅から徒歩18分。
JR立川駅の周辺は近代化している立川市内に、こんなのどかな場所があるのかと驚きながら歩くなつかしい道を行く。
今日は友人とたくさん歩こうと決めて、オープン時間目指して向かう先は、農園の敷地内にあるカフェレストラン『Pcube』。

『鈴木農園』の直売には朝採れたての野菜が並び、古い建物がいくつか。ごはん屋さん以外にもいろいろあるんだね、と目的のお店はどれかなとキョロキョロ奥へ。
道路からは見えなかったテラスと建物を見つけて、いい感じだねと顔を見合わせて期待が高まった。入り口に手をかけると、店員さんが清々しい挨拶で出迎えてくれた。

一歩店内に入り、まずはぐるりと見渡して「わー」と言葉にならない感動。
古い蔵の良さを残しつつも、家具やインテリアのセンスがモダンで新しさがある。オープンとほぼ同時だったので、席は選び放題。
窓の近くのゆったりとしたソファ席に決めて、深く腰掛けてまたじっくり店内を見渡す。大きな窓に外の木々が美しくはまって絵画のようだった。

1日5食限定のドリアを注文すると「寒い中ありがとうございます。まずはあったまってください」と野菜のスープが運ばれてきた。さりげない一言ってなかなか言えなかったりしますよね。店員さんの心遣いに、食事をする前から素敵な店認定。
スープをすすっていると、次々にお客さんが入ってくる。電車に乗り遅れまいと小走りして早めに来てよかった。

どっしり大きな器をぐつぐつさせて、お待ちかねのドリアが運ばれてきた。
「わーおいしそう!」目を輝かせて小さく拍手のアラフォー女子。感動は素直に作り手にも伝えたい主義。

たっぷりかかったバジルソースを絡めながら、あつあつのなすをほおばる。しっかり素材を感じる、ごまかされていない味。サラダもシャキッと気持ちの良い歯応え。
大地の恵が全身に染み渡る感覚をイメージしてしまうほど、空間と料理がマッチしてマインドフルネス状態でした。

実は最後まで迷っていた、鶏チャーシューと烏骨鶏のTKGセット。次来たら絶対食べてみたい。
お隣のミートソーススパゲッティもおいしそうで、運ばれて来たときの香りが優勝だった。

会計をしてもらっている時に、ヤギがいることを教えてもらう。レジ近くの窓を覗くと、柵と小屋があって、本当に…ヤギ!
外にまわって近づいてみると、やっぱり、ヤギ!
東京で動物園以外のヤギに会えるってなかなかないのでは…?と、ランチしてヤギに会えて上機嫌。

農園を出る頃には直売の野菜はピーマンだけに。早い時間に売れちゃう人気の農家さん。

手の込んだ料理を、美しい空間でいただくって、本当に贅沢だ。
それがわかるようになったのだから、歳をとるのも悪くない。
こんなふうに日々を大事に楽しんでいきたいと、しみじみ感じた秋の穏やかな日。