EPISODE04 恋愛症候群:男性嫌悪が解消された意外なきっかけ
「南千住~千住大橋」という小さなコミュニティーで酒を飲んでいると、惚(ほ)れた腫れたの噂話が一瞬で広まる。だれがだれにお熱だとか、だれとだれがデキているとか、あいつは騙(だま)されているとか、いないとか。そういう話を聞くたびに、「怖いなあ」と思うと同時に羨(うらや)ましさも感じる。いいなあ、わたしも恋がしたい。これまでにお付き合いした男性は5人いる。5人というと、あたかもそれなりに恋愛してきたようにも聞こえるが、1人目は1カ月半。2人目も1カ月半。3人目も1カ月半。4人目は4カ月。5人目に至っては3週間。つまり、人生で合計9カ月しか交際経験がない。なぜそんなにも恋愛が短命に終わるのかと言えば、端的に申し上げて「セックスをすると相手のことが気持ち悪くなってしまう」からだ。幼少期に性的虐待を受けたとか、レイプされたとか、そういう経験は一切ない。大好きな彼とセックスをした途端、どうしようもない嫌悪感に支配され、一方的に振ってしまうのだ。3人目の彼氏に「やり捨て」と罵(ののし)られたのもしかたがないだろう。歴代の彼氏たちには申し訳ない気持ちでいっぱいだ。セックスという行為自体も好きなほうではないため、できればこのまま一生セックスをせずに生きていきたいと思っている。思っていた、のだ。