GREEN FIELD[亀有]
ちぎって、カレーにディップして
つけカレーパンは1日10個限定。カルダモン、クミンなど12種のスパイスで仕上げたカレーが、ロールパンとセットになっている。頬張れば辛みが軽やかに走り、小麦のかすかな甘みと出合って鼻に抜ける。雑味のない丁寧な仕事ぶりに、店主の人柄がうかがえるようだ。新井田直樹さんは異なる業界で働いていたが、食に対する強い思いからパン職人の道へ。真面目な性格と自由な発想で生み出されたパンを求め、老若男女が集う。
『GREEN FIELD』店舗詳細
碑文谷ベーカリー[武蔵小山]
迷ったら、とりあえずカレーパン
店内には、あらゆるパンや弁当が並び、それはもう選択肢が膨大。「ほとんど食べたよ。全部おいしいから、毎回どれにしようか迷うんだ」と笑うのは、40年以上通う常連客だ。名物は特製カレーパン。厚みをもたせた生地に自家製パン粉をつけ、じっくり揚げた。カリッとした歯触りのあと、こんがりと香り、ふんわりモチッ。煮詰めてペースト状にしたカレーは辛さ控えめで、細かく乱切りされたゆで卵がいいアクセントになっている。
『碑文谷ベーカリー』店舗詳細
カトレア[森下]
衣とカレー。食感の緩急が心憎い
昭和2年(1927)に「洋食パン」として実用新案を取った元祖カレーパン。パン粉が立ったカリカリの衣をまとったカレーは、3時間煮込んだだけあって野菜の甘みも引き立ち、この上なくクリーミー。サラダ油や綿実油で揚げているので、あっさりして胃もたれしない。7時、11時、15時の揚げ上がり時間を狙うのもいいが、冷めても十分においしい。レンジ後、オーブンで2分温めれば揚げたての食感が戻ってくるのも、みやげに好適。
『カトレア』店舗情報
BOULANGERIE SEIJI ASAKURA[北品川]
シェフの手による、もはや一つの料理
フランスでの修業経験をもつシェフの朝倉誠二さんが「日本の食文化に根ざし、世界で勝負できるパンを」と挑んだ焼きカレーパン。ブドウの天然酵母で発酵させた生地は噛むとほどよく弾み、グリュイエールチーズが何とも香ばしい。生地に開けた穴から水蒸気を抜きながら焼くため、揚げパンにできがちな空洞もなく、冷めても油っこくならない。中には野菜がごろごろ入ったカレーがぎっしり。一つの料理と言えるほどの満足感。
『BOULANGERIE SEIJI ASAKURA』店舗情報
ロビンソンクルーソーカレーハウス[北品川]
地元住民とコラボの限定カレーパン
市ケ谷で創業し、この地に移り20年以上のカレー専門店では、水曜日のみカレーパンが登場する。フィリングは合びき肉をたっぷり使いカルダモンの効いた御殿山カレーがベース。製パンは地元在住のパン職人さんが担当。パン粉がまぶされ揚げたような焼きカレーパンは、北海道産小麦粉にターメリックを加えほんのりカレー色。ふかふか生地を噛みしめれば、タマネギの食感と香辛料の辛みがアクセントの濃厚な味わいが口に広がる。
『ロビンソンクルーソーカレーハウス』店舗情報
/定休日:無/アクセス:京急本線北品川駅から徒歩2分
Boulangerie Shima[三軒茶屋]
待ち時間にも形にも理由あり!
「人が待てる時間はせいぜい2分半」と、店主の島健太さんは、注文を受けて2分半で出せるカレーパンを1年かけて生み出した。生地で自家製カレーフィリングを包み成形しておき、注文後に菜種油で揚げる。空洞のあるドーム形だから時間が経ってもふっくらサクサクなのだ。煮崩れるまで煮込んだ鶏もも肉もゴロゴロ~。
『Boulangerie Shima』店舗情報
構成=フラップネクスト 取材・文=信藤舞子(team まめ)、香月真理子、下里康子 撮影=オカダタカオ、加藤昌人