新宿駅の「BERG(ベルク)」のホットドッグ。
大学生の頃に嵌った「ドトール」のジャーマンドッグ。こうばしく焼けたコッペと粒マスタードが添うパツンと弾けるソーセージのホットドッグが大好きすぎてことあれば食べてた記憶。
少しして社会に出た頃のある日、新宿駅からサブナードに向かおうと東口を出て地下を歩いていた時に目に留まるコーヒースタンド。その外観に派手に踊る写真付きメニューに似たようなホットドッグを見つける。
気になると立ち寄ったのが出会いの「ベルク」。30年ほど前のこと。商品の名は「ベルクドッグ」。それとアイスコーヒーを注文して受け取り壁に向かう立ち席のカウンターに陣取って頬張るそれはジャーマンドッグが霞んだドッグ。
ひゃー、うまいと一発でとりこ。それからは新宿で降りる用事もないのにわざわざ新宿で降りて頬張った「ベルクドッグ」。も、ここ最近はビールでのどを潤すで満足してこのたのしみをすっかり忘れる。
10時に直行の新宿で打ち合わせの日の前の晩。どこかで朝ごはんを食べて行こうと探していたら「ベルク」を提案するiPhone。
久しぶりに「ベルクドッグ」を食べようと決めて寝るも、次の日の朝、ゆっくりでいいならとぎりぎりまで寝てしまう悪い癖。
結局打ち合わせの場に何も食べず向かい、打ち合わせを終え会社に戻りコンビニの弁当でお茶を濁す意志の弱さに嫌悪するランチタイム。
もやもやと「ベルクドッグ」が頭を埋める午後。仕事を終えて山手線に揺られているとむくむくと湧き上がるやっぱり食べたい欲求。
乗り換えの新宿駅。最近できた東西の架け橋をいつもは西ルートから西武新宿に向かうも迷わず東ルートを歩く。
サブナードに向かう足取りで辿り着く階段を降りる手前の僕たちの「ベルク」。辿り着くと思いのほか並び。
でも、今日は揺るがない久しぶりの「ベルクドッグ」の日。並びに合流し牛歩のように期待とともに店内に向かい進む。
順番が来て注文口でお姉さんに「ベルクドッグ」と「生ビール」のレギュラーをお願いすると「プレーンがおすすめですけどケチャップとマスタードはどうします」と聞かれ、そうそう素材の味が最強だからプレーンで食いやがれを思い出し、プレーンでお願いする。
手際よく調理されるドッグに手間を惜しまず注がれる生ビールを受け取り立ち席のカウンターの開いてる場所を見つけて陣取る。
ほんとに久しぶりのドッグ。いただきますとむしゃっと噛り付くとパリッと弾け肉汁が溢れるソーセージとそれを包むふんわりと柔らかな小麦の甘みが広がる峰谷のコッペ。
これこれ。うん、おいしい。そんな余韻をビールで流し込むしあわせ。大切に少しづつ味わい頬張るドッグ。なん口かけたかな、最後の一口を名残惜しく口に放り込み咀嚼しておいしいなに浸る。
今日も明日も明後日も食べたいと蘇るドッグ熱。さてどうしよう。