見どころまとめ~ 1 まずは外から眺めよう

【皇室用玄関がある】

行幸通りをはさんで皇居の正面に皇室用玄関がある。代々の天皇陛下の行幸で利用されていて、一般客は立ち入り禁止。門扉のデザインは、駅舎の設計者である辰野金吾自身によるもので、相撲ファンだったことから軍配をイメージしているとか。

【駅に住所表記がある】

東京駅の住所は、千代田区丸の内一丁目9番1号。駅構内、つまり『東京ステーションホテル』も、『東京ステーションギャラリー』も、駅ナカのショップもすべて同じ住所となっている。

【新一万円札の木はここだ】

2024年に一新される紙幣のうち、一万円札の図柄は渋沢栄一と東京駅舎。角度的には、駅舎北側からの眺めと佐々木さんは推測する。渋沢栄一は、辰野金吾の支援者でもあった。

2 建築的・歴史的見どころ

【2種類のレンガが使われている】

化粧レンガ(左)は85万個、構造レンガは752万個が、創建時に使われた。化粧レンガの目地は、断面が半円形に盛り上がる「覆輪(ふくりん)目地」、交差部分は「蟇股(かえるまた)」といわれる技術で、復原工事においては専用のコテを作り、熟練の職人が作業にあたった。

【歴史を語るものたち】

丸の内駅前広場に立つ井上勝像。台座部分に説明らしきものが彫られているが、古文調で判読が難しい。
18・19番線品川寄りホーム端にある、新幹線の父、十河信二のレンガ造りの碑。裏側に回り、新幹線開通のプレートも見てほしい。
5・6番線の有楽町寄りホーム端に残る、かつての鉄柱。2015年まで現役だった。

【『東京ステーションホテル』 との関係】

『東京ステーションホテル』は駅舎内にある。

1・2番線から見える中央部台形の屋根裏は、ホテルのアトリウム。
創建から100年、駅舎を支えていたのは地下に打ち込まれた松の木の杭。その数、1万1000本。ホテル地下1階には杭を再利用したオブジェがある。

3 鉄道的見どころ

【20・21番線ホームからの眺め】

東北・上越新幹線ホームの20・21番線、南端からは、駅舎の南ウイング部分がよく見える。車両撮影スポットとしても名所で、在来線が有楽町方面へ出発していく様子がレンガ造りの駅舎とともに撮影できる。「東京駅らしい」一枚を撮るには、おすすめの場所だ。

【いろいろな0キロポスト】

東海道、東北、京葉、総武の各線にもあるのでそれぞれの意匠を楽しみたい。

20・21番線、東北・上越新幹線ホームの0キロポイント。床に埋め込むタイプで大理石風の石で飾られている。
1・2番線、中央線ホームのものは、レンガをかたどった台座に載っている。

4 駅自体が観光地なのだ

【東海道新幹線日本橋口の手描き案内ボードが素敵】

JR東海の案内板なのだが、駅員さんの手による尋常ならざる画力の車両イラストが人気。ツイッターのハッシュタグ「#東京駅ホワイトボード」にもなっていて、ファンがついているもよう。引退してしまう車両や話題の車両など、自社以外の車両も取りあげていて鉄道愛を感じる。

【100系新幹線食堂車のエッチングを展示】

「東京ギフトパレット」のカフェ2Fには、新幹線100系の食堂車に飾ってあったエッチングが保存されている。初代新幹線0系、100系、特急「つばめ」「こだま」など往年の名車両が描かれていて、旧国鉄でデザイナーとして活躍した黒岩保美(やすよし)の手によるものだ。

【乗車記念スタンプは必見】

切符を持ち帰りたいときに改札窓口で押してもらうスタンプ。一般的には「無効」と書かれたものだが、東京駅には駅舎をデザインした乗車記念スタンプが。ぜひ押してもらおう。(JR東日本の改札にて)

【東京駅の風景印ポストあり】

丸の内中央口の改札内付近にあるポストから投函すると、東京駅の駅舎をデザインした風景印を押して届けてくれる。ドームをかたどったオブジェがのったポストが目印。左側の投函口から入れること。

5 いま見ておくべき列車はこれだ

【サンライズエクスプレス】

現在、唯一残っている定期運行の寝台特急列車。東京駅発は21時50分、東京駅着は7時8分。この時間に東京駅にいれば、発着番線を確認して見に行ってみよう。旅に出たくなるはずだ。

【サフィール踊り子】

2020年3月から運転開始した車両で、全車グリーン席のデラックス仕様。東京~伊豆急下田をおよそ2時間30分でつなぐ。カフェテリアでは飲みもののほか、車内限定のパスタが提供される。

【E4系2階建て新幹線】

オール2階建て新幹線の2代目として1997年に運転を開始したE4系「Max」。現在は「Maxとき」「Maxたにがわ」として上越新幹線を運行しているが、2021年の秋ごろに引退を予定している。

取材・文=屋敷直子 撮影=佐々木直樹 イラスト=オギリマサホ
『散歩の達人』2021年5月号より