【伝統のうまさを楽しむ】

昭和の名士も堪能したふわっとサクッとおいしい天丼『神田 天麩羅 はちまき』

天丼1000円。魚介類はエビ、キス、イカが定番。野菜はその日の仕入れによって変わる。
天丼1000円。魚介類はエビ、キス、イカが定番。野菜はその日の仕入れによって変わる。

昭和6年(1931)創業の神保町の老舗『神田 天麩羅 はちまき』は、江戸川乱歩をはじめ昭和の時代を彩った著名人たちがこよなく愛した店。にもかかわらず、天丼1000円、天麩羅定食1200円と、かなりお値打ちなのには驚かされる。無論、とってもうまい。その味にハマって通い続ける常連客が多いなか、一流の味を手頃な価格でいただけて、ご飯が大盛り無料とあって、学生の人気も高まってきている。

天丼にはエビ2本、キス、イカのほかに野菜が2~3品。看板メニューの穴子海老天丼1500円には、丼からはみ出るほど大きなアナゴの天ぷらがドーン! とのっていて圧巻。カラッと揚がった衣に包まれた魚介類はふわっふわで、野菜はシャキッとしていたり、ほくほくしていたり。衣がサクッと軽く、タレはさらっとしているので、延々食べ続けられそうだ。ご飯はコシヒカリに厳選し、大きな釜でふっくら炊き上げている。おいしい天ぷらにおいしいご飯、しかもリーズナブル。パーフェクトです!

丼の中央でインパクトを放つエビ。海老天丼1200円にはエビが3本のる。
丼の中央でインパクトを放つエビ。海老天丼1200円にはエビが3本のる。
外観は洋風、内観は和風の木造一軒家の1階に店舗を構える。
外観は洋風、内観は和風の木造一軒家の1階に店舗を構える。

『神田 天麩羅 はちまき』店舗詳細

住所:東京都千代田区神田神保町1-19/営業時間:11:00~21:00LO(土・日・祝は~20:00LO)/定休日:火/アクセス:地下鉄神保町駅から徒歩3分

伝統と革新が同居する喫茶店『カフェ・トロワバグ』

グラタントースト(コーヒー付き)1600円。
グラタントースト(コーヒー付き)1600円。

神保町駅から目と鼻の先にある雑居ビルの地下に店を構える『カフェ・トロワバグ』。シックで大人な雰囲気漂うこの店の内装は、原宿の喫茶店『アンセーニュダングル』などを手掛けた建築デザイナー・松樹新平さんによるデザインだ。1976年の創業当時のままを保った内装と同様、『コクテール堂』のオールドビーンズをネルドリップで一杯ずつ淹れるコーヒーも、創業時から守り続けているものの一つである。

変わらないものがある一方、時代の変化に柔軟に対応してアップデートを加えているものもある。隣で営業するたい焼き店のあんこを使った小倉バタートーストを考案したり、創業当時から人気のグラタントーストをハーフサイズにして、付け合わせのトロワバグサラダの量を増やした新メニューを開発するなど、店主の三輪徳子さんはフードメニューの改良や追加に余念がない。そんな趣向を凝らしたフードメニューを目当てに、ランチタイムには近隣のビジネスパーソンや大学生など老若男女でにぎわうのだ。

トロワブレンド750円。
トロワブレンド750円。
建築デザイナーの松樹新平さんが手掛けた内装。
建築デザイナーの松樹新平さんが手掛けた内装。

『カフェ・トロワバグ』店舗詳細

酒を恋う、江戸前うなぎ『うなぎ かねいち』

特上うな重(肝吸、上新香付き)5200円。
特上うな重(肝吸、上新香付き)5200円。

書店帰りの一人客が白焼きをつまみ日本酒でくつろぐ1階、近隣会社の宴会でにぎわう2階座敷。神保町にのれんを出して40年以上、なじみ客が多い、敷居の低いうなぎ屋だ。さばいて白焼き、後に蒸し、タレをつけ焼く国産のウナギ。その脂の風味を淡白なタレが引き立てる。夜は、酒がすすむ日替わり料理があれこれ。うなぎ屋で、粋に飲めてこそ、大人かな。

肝焼き950円、酒を振ってあぶる白焼き3600円は、ワサビか塩で。貴之さんにちなんで「貴」など銘酒が揃う。日本酒750円~。
肝焼き950円、酒を振ってあぶる白焼き3600円は、ワサビか塩で。貴之さんにちなんで「貴」など銘酒が揃う。日本酒750円~。
昔は居酒屋だった。
昔は居酒屋だった。

『うなぎ かねいち』店舗詳細

住所:東京都千代田区神田神保町1-25/営業時間:11:30~14:00・17:00~21:30/定休日:日・祝(土曜不定)/アクセス:地下鉄神保町駅から徒歩3分

ランチで働く人々の胃袋を支える喫茶店『喫茶プペ』

特製カレー1000円。
特製カレー1000円。

オフィスビルが多く建ち並ぶ、比較的閑静な一画に『喫茶プぺ』はある。1970年に創業した当時のままのテーブルとイスを使用しているという1階の店内は、昔ながらの喫茶店を感じさせる風情が漂う。この店を利用するお客さんの大半が近隣で働く人という店柄、彼らの限られた時間を第一に考えたサービスを提供中だ。そのため、ゆっくり時間をかけてコーヒーを淹れることはなかなかできないというが、目黒にあるコーヒー店にこの店専用のブレンドを作ってもらうなど、豆にはしっかりこだわっている。

フードメニューも特製カレーをはじめ、オムライスやナポリタンなど洋食店に負けないクオリティの品々がそろう。中でも、ホテルのシェフからレシピを譲り受けた特製カレーは、でき上がるまでに3日かかるという手の込んだ一品。原直樹さんが2代目店長を引き継いでからも、手間を惜しまない製法を守り続けている。そんな特製カレーは、神田カレーグランプリの決勝戦に3年連続で出場も果たしている、この店の名物だ。

珈琲530円。
珈琲530円。
店内1階の様子。
店内1階の様子。

『喫茶プぺ』店舗詳細

住所:東京都千代田区神田錦町3-13-11/営業時間:7:00~17:00/定休日:日・祝/アクセス:地下鉄東西線竹橋駅から徒歩6分、地下鉄神保町駅から徒歩9分

ここで大人の世界に仲間入り!?『ランチョン』

長年のファンが多いオムライス1200円。男性でも十分満足できるボリューム。ここはサラリーマンも結構いて、というのは値段も結構いいので。ここの牡蠣フライはいまでも冬の到来とともに食べたくなります。なくならないでほしいお店です。(40代・ライター・♀・元明大生)
長年のファンが多いオムライス1200円。男性でも十分満足できるボリューム。ここはサラリーマンも結構いて、というのは値段も結構いいので。ここの牡蠣フライはいまでも冬の到来とともに食べたくなります。なくならないでほしいお店です。(40代・ライター・♀・元明大生)

「学生さんは、ゼミの先生に連れられて来ることが多かったかな」とは、4代目の店長・鈴木寛さん。私もその一人だ。頻繁に通ったわけではないのに記憶に残っているのは、安くて量が多いことが最優先だった普段の店との違いが新鮮だったからだろう。10年以上ぶりに食べたオムライスは、トロトロのオムレツとトマトソースには深みがあり、やっぱり大人の味。今度は常連を見習って、古書店街を散策した後にビール一杯なんて使い方もしてみたい。

10人以上で訪れるゼミ生たちが座るのは、だいたい店の奥のスペース。
10人以上で訪れるゼミ生たちが座るのは、だいたい店の奥のスペース。

『ランチョン』店舗詳細

住所:東京都千代田区神田神保町1-6/営業時間:16:00~21:30(土は11:30~20:30)/定休日:日・月・祝(祝のある週の月は営業)/アクセス:地下鉄神保町駅から徒歩1分

【繊細な味の定食&がっつり学生飯がうまい】

五感でいただく麗しきごちそう『割烹きほく』

宇和島鯛めし定食1000円。鯛のあらとかつお節で取った出汁に醤油などを合わせた特製ダレ、生卵を刺し身に絡めればまろやかな味に。
宇和島鯛めし定食1000円。鯛のあらとかつお節で取った出汁に醤油などを合わせた特製ダレ、生卵を刺し身に絡めればまろやかな味に。

路地裏にあるビルの地下1階、迎えてくれたのは清水さん夫妻。宇和島鯛や鬼北産キジを使った定食があるのは、日本料理を中心に名門ホテルなどで腕を磨いてきた店主の故郷が愛媛であることから。旬の食材やその日のおすすめが添えられる小鉢、脇役に徹しながら素材の味が丁寧に引き出された汁物もさることながら、食事をサーブされるときの高揚感といったら! 目でも舌でも楽しめる定食とはまさにこのこと。

厨房を仕切る十樹さん。
厨房を仕切る十樹さん。
十樹さんとなつみさんの夫婦で店を切り盛りする。
十樹さんとなつみさんの夫婦で店を切り盛りする。
2024年12月に開店。半個室のテーブル席とカウンターがある。シ ックな雰囲気で接待や会食にも重宝しそう。
2024年12月に開店。半個室のテーブル席とカウンターがある。シ ックな雰囲気で接待や会食にも重宝しそう。
夜メニューの雉(きじ)炭火焼1900円。十樹さんの地元・愛媛県鬼北町から仕入れたキジのもも肉を使用。日本酒800円~のほか焼酎も充実。
夜メニューの雉(きじ)炭火焼1900円。十樹さんの地元・愛媛県鬼北町から仕入れたキジのもも肉を使用。日本酒800円~のほか焼酎も充実。

『割烹きほく』店舗詳細

住所:東京都千代田区神田多町2-9-20 CELESTIA B1/営業時間:11:00~13:30LO・17:00~22:00LO(月は夜のみ。土・祝の夜は予約のみ)
/定休日:日/アクセス:地下鉄丸ノ内線淡路町駅・地下鉄新宿線小川町駅から徒歩3分

白米がこの上なく進む鯖の黒煮『食堂新(あらた)』

看板メニューの鯖の黒煮定食1100円はしじみ汁付き。おでんやきんぴら、ひじきなど、手作りのおばんざいはその日のお楽しみ。
看板メニューの鯖の黒煮定食1100円はしじみ汁付き。おでんやきんぴら、ひじきなど、手作りのおばんざいはその日のお楽しみ。

店の代名詞である、こっくりとした色合いが目を引くサバの黒煮。口に入れた瞬間からほろりとほぐれていく身と骨の柔らかさ、しっかりと染み込んだたまり醤油の濃厚な香ばしさは、ごはんのお供として群を抜いている。「脂ののった、ノルウェー産サバを2日かけて仕込んでいます」とオーナーの平野新さん。ほかにない、サバの新たな持ち味を引き出した煮魚を求めて週に数回食べに来る常連客がいるのも納得だ。

煮魚もフライも食べたい、欲張りな人のために生まれた鯖の黒煮あじフライ定食1250円。タルタルソースは、和風で酸味控えめ。
煮魚もフライも食べたい、欲張りな人のために生まれた鯖の黒煮あじフライ定食1250円。タルタルソースは、和風で酸味控えめ。
「鯖の黒煮のおいしさをもっとたくさんの方に知ってもらいたい!」と意気込む平野さん。
「鯖の黒煮のおいしさをもっとたくさんの方に知ってもらいたい!」と意気込む平野さん。
2023年の開店以降、平野さんと共に鯖の黒煮を広める中村瑛里子さん。
2023年の開店以降、平野さんと共に鯖の黒煮を広める中村瑛里子さん。
カウンターに並べられたおばんざいに「ぐぅ~っ」と空腹が刺激される。
カウンターに並べられたおばんざいに「ぐぅ~っ」と空腹が刺激される。

『食堂新』店舗詳細

住所:東京都千代田区神田猿楽町1-2-4 冨田屋ビル1F/営業時間:11:00~14:30LO/定休日:土(営業の場合あり)・日・祝/アクセス:地下鉄神保町駅から徒歩4分

特濃ボリュームのデンジャラスマッチ『ボーイズカレー』

しょうが焼き1100円はライスとスープもセットで大変にお得。付け合わせのナポリタンもうまい。
しょうが焼き1100円はライスとスープもセットで大変にお得。付け合わせのナポリタンもうまい。

1982年に創業。近頃では神保町と言えばカレーでしょ、ということになっているけれど、ここはそのはるか前から変わらぬ味で学生やサラリーマンの腹を満たし続けてきた。しょうが焼きも開店当初からの人気メニュー。ピークタイムには1時間に100人もの客をさばくため、調理はスピードが命だ。ゆえに肉にも強火でガッと火を入れて、フライパンの中からもファイヤー! 厚めのロースが2 枚と、ボリューム感も抜群だ。

コの字形のカウンター。これぞカレースタンド。
コの字形のカウンター。これぞカレースタンド。

『ボーイズカレー』店舗詳細

住所:東京都千代田区神田神保町2-4/営業時間:11:00~15:00/定休日:土・日・祝/アクセス:地下鉄神保町駅から徒歩1分

滑らかな赤身のまぐろ定食『季節料理 はせ部』

まぐろ刺身定食880円。百貨店の地下で買ったら2000円くらいするかもしれない!?
まぐろ刺身定食880円。百貨店の地下で買ったら2000円くらいするかもしれない!?

大正13年(1924)創業の『季節料理 はせ部』は、新鮮な魚料理をはじめとした旬の素材を使ったメニューが楽しめる。店内に入ると、壁にメニューの札が並び、定食は魚料理を中心に10品で、880円と895円しかない。「祖父の代から付き合いのある豊洲の仲買さんから仕入れているから、魚はうまいですよ」と3代目店主。

まぐろ刺身定食880円を注文すると、この日は長崎で水揚げされた本マグロだった。いいですか、みなさん。本マグロの刺し身が5切れついてこの値段ですからね。ご飯は祖父の代からお付き合いのある茨城・河内村「たぬま」で仕入れるコシヒカリ。生わかめがたっぷり入ったお味噌汁に、切り干し大根煮と漬物がつく。赤身を食べたら、ババロアのようになめらかですっと溶けるおいしさ。このクオリティはすごい。

この日は長崎で水揚げされた本マグロ。ほどよい脂が乗っていて美味。
この日は長崎で水揚げされた本マグロ。ほどよい脂が乗っていて美味。
入り口を飾る鉢植えの植物が実家のようでアットホームな雰囲気。
入り口を飾る鉢植えの植物が実家のようでアットホームな雰囲気。

『季節料理 はせ部』店舗詳細

住所:東京都千代田区神田神保町1-39/営業時間:11:30〜13:30・17:00〜21:00/定休日:水夜・土・日・祝/アクセス:地下鉄神保町駅から徒歩2分

とろみがついた、あんかけ風の中華カレー『北京亭』

カレーをはじめ、強火で仕上げる料理の数々は絶品で、なじみ客も多い。
カレーをはじめ、強火で仕上げる料理の数々は絶品で、なじみ客も多い。

大学をはじめ、多くの学校が林立する白山通り沿いに50年以上続く中華料理店。先代の頃からの人気がカレーライス880円。中華鍋で炒めた鶏ガラに中華スープ、油通ししたニンジン、タマネギ、豚肉、少量の唐辛子と豆板醤などの調味料とカレー粉を入れて軽く煮込む。最後に片栗粉でとろみをつければ完成だ。タマネギのシャキシャキ感と、鶏ガラスープのコクとピリリと残る辛さが絶妙で、どんどんスプーンが進む。カレーライスのほか、カレーがのったカレーラーメン990円もある。

『北京亭』店舗詳細

住所:東京都千代田区西神田2-1-11/営業時間:11:00~15:00・17:00~22:00/定休日:月/アクセス:地下鉄神保町駅から徒歩5分

カラッと揚げたてほっくりアジフライ定食『居酒屋なごみ』

アジフライの定食1000円。山盛りのキャベツもうれしい。
アジフライの定食1000円。山盛りのキャベツもうれしい。

2014年7月、“仕事帰りに同僚と気軽に飲める店”というコンセプトのもと『居酒屋なごみ』がオープンし、ほどなくしてランチもスタートした。「旬の素材を使って、できるだけ手作りに努めています。つい茶色っぽいものになりがちなので、栄養バランスにも気をつけています(笑)」と店主。メニューは変則的だが常時5品で、この日のメニューは鶏のから揚げ、アジフライ、サバの塩焼き、豚のネギ塩焼き、ミックスフライ(カキフライ、エビフライ、白身フライ)があり、それぞれ1000円。ご飯に味噌汁、日替わりの小鉢、サラダ、漬物が付く。これだけ充実してこのお値段。

注文したのはアジフライの定食1000円。揚げ物は揚げたてがおいしいから、と作り置きしないのがうれしい。最初からちょっとアジフライの端に付いていたタルタルでひとかじりすると、シャクッと音を立てた衣のなかにはホクホクのアジ。卓上の醤油やソースでももちろんおいしい!

落ち着ける和風の店内。壁には夜のお品書きがびっしり!
落ち着ける和風の店内。壁には夜のお品書きがびっしり!
親しみやすい和風の店舗。アサヒビールのちょうちんが目立つ。
親しみやすい和風の店舗。アサヒビールのちょうちんが目立つ。

『居酒屋なごみ』店舗詳細

住所:東京都千代田区神田神保町1-18-11/営業時間:11:30~13:00・17:45〜22:00LO/定休日:土・日・祝/アクセス:地下鉄神保町駅から徒歩3分

カロリー焼きで栄養と元気をチャージ『キッチンカロリー』

カロリー焼き+手作りカニクリームコロッケ1200円。
カロリー焼き+手作りカニクリームコロッケ1200円。

「ガッツリ食べるぞ!」と、気合を入れて訪れた店。名物は、初代が考案したカロリー焼きだ。ガーリック醤油で炒めたカルビと、パスタやタマネギを一緒に食べると、見た目のボリュームが噓のように完食。「就職を報告に来てくれた学生さんもいるよ」と笑う2代目の江本篤哉さんを慕う客も多く、スポーツ界で活躍している先輩方が今も食べに来るとか。現在は、3代目として息子の雄哉さんも共に厨房に立つ。我らのカロリーはこの先も安泰だ。

2代目の江本篤哉さん。
2代目の江本篤哉さん。

『キッチンカロリー』店舗詳細

住所:東京都千代田区神田小川町3-10 /営業時間:11:00~16:00/定休日:木/アクセス:地下鉄神保町駅から徒歩5分、JR・地下鉄御茶ノ水駅から徒歩6分

【ラーメン、うどん。神保町は麺の街なのだ】

復活したもりそばとカレーライスに感涙!『お茶の水、大勝軒』

特製もりそば1100円。
特製もりそば1100円。

2020年に閉店した『お茶の水、大勝軒』が2024年7月にリニューアルオープン。以前はビルの2階の店舗だったが路面店という形での新オープンとなり、ランチ激戦区の神保町で注目の存在となっている。

店主は、つけ麺文化を世に広めた「旧東池袋大勝軒」山岸一雄さんの弟子、田内川真介さん。行列店として知られた旧東池袋大勝軒の味を引き継ぐ名物の特製もりそばは、自家製麺を風味豊かなつけダレといただく必食の一品だ。つるっとした麺は食べやすく、ランチにいただくのにもぴったり。

田内川さんは、かつて旧東池袋大勝軒で提供されていた昭和の町中華メニューも復刻しており、カレーライスやチャーハンなどが楽しめるのもこの店のスゴいところ!いずれも山岸さんのDNAを継承した絶品で、師匠の味を引き継ぎ、さらに広めたいという田内川さんの熱い思いも一緒に味わえるはずだ。

復刻版カレーライス1100円。
復刻版カレーライス1100円。
店主の田内川真介さん。
店主の田内川真介さん。

『お茶の水、大勝軒』店舗詳細

住所:東京都千代田区神田小川町3-1-5 須田ビル1F/営業時間:11:00~21:00/定休日:月(祝の場合は翌火)/アクセス:地下鉄神保町駅から徒歩5分、地下鉄新宿線小川町駅から徒歩5分、地下鉄丸ノ内線淡路町駅から徒歩5分、JR・地下鉄御茶ノ水駅から徒歩6分

シンプルながら温かみのあるこれぞ町中華!『中華 成光』

朱色のテーブルによく映えるチャーハン&ラーメン1000円。
朱色のテーブルによく映えるチャーハン&ラーメン1000円。

専大交差点からさくら通りに向かうと、すぐ目に入る真っ赤な幌に『中華 成光』と書かれた看板が見える。昔懐かしい“中華そば”ののれんも町中華らしい風情がある。店内に入るなり、ドドーンと目に入ってくる壁一面に掲示されたメニュー。町中華というと店内にも少し年季が入った雰囲気があるが、こちらはとても手入れが行き届いている。現店主で3代目の花田高広さんによれば、祖父が1955年ごろお菓子の量り売りをしていて、途中からラーメンの販売も始めたそう。

看板メニューは半チャンラーメン1000円。ラードで炒めたチャーハンはパラパラだが米は一粒ずつふっくらとしている。初代から変わらない味のラーメンは、鶏ガラ、トンコツ、厚切りのカツオ節や昆布、野菜類で作った醤油スープには中太のストレート麺がよく絡む。醤油で煮た豚肩ロースのチャーシューは、柔らかくて脂と赤身のバランスが良く食欲をそそる。

パイプ椅子に朱色のテーブルがフォトジェニック。
パイプ椅子に朱色のテーブルがフォトジェニック。
町中華のお手本のような外観!ドラマにも登場したことがある。
町中華のお手本のような外観!ドラマにも登場したことがある。

『中華 成光』店舗詳細

住所:東京都千代田区神田神保町2-23/営業時間:11:15〜15:00・17:00〜21:00(土は11:15〜15:00)/定休日:日・祝/アクセス:地下鉄神保町駅から徒歩1分

出汁の香り咲く一杯のうどんが酔客をとりこに『ささ吟』

透明感のあるつゆにアサリの味わい深い滋味があふれ出すあさりうどん1090円。
透明感のあるつゆにアサリの味わい深い滋味があふれ出すあさりうどん1090円。

フレンチの修業歴9年という異色の経歴をもつ店主・吉家(きっか)桂三さん。だが、「東京のうどんはほぼ食べ歩きました」と“うどん愛”は強く、その中でも自分が好きな関西風うどん居酒屋を神保町で開店。茹でても小麦の香りが逃げない道産小麦を使った自家製麺は、もちもちクニュクニュの食感で舌を喜ばせる。昆布出汁と、やや酸味があってフワッと立ち上る鰹カツオ出汁のやさしい味わいは、酒の締めに抜群。

山形の「十四代」など地酒も常時8種ほど用意。
山形の「十四代」など地酒も常時8種ほど用意。
「あさりうどんのほかに、やや濃いめのつゆと鴨の脂の旨味が相性抜群の鴨なんばん1200円もぜひ」。
「あさりうどんのほかに、やや濃いめのつゆと鴨の脂の旨味が相性抜群の鴨なんばん1200円もぜひ」。

『ささ吟』店舗詳細

住所:東京都千代田区神田神保町1-16-2 武藤ビルB1/営業時間:11:30~14:30・17:00~23:LO(土は17:00~22:30LO)/定休日:日/アクセス:地下鉄神保町駅から徒歩すぐ

富士山をイメージした元祖・冷やし中華『揚子江菜館』

多彩な具材の五目冷やし。
多彩な具材の五目冷やし。

明治39年(1906)創業の老舗店。冷やし中華の元祖ともいえる五目冷やし1680円は、昭和8年(1933)に2代目が考案。高く積んだ麺に、糸寒天やチャーシュー、キュウリなどを周りに盛り付け、富士山の四季をイメージしている。ほかにもシイタケやエビ、錦糸玉子におおわれた中にある肉だんごなど、具材が多彩だ。やや甘めで酸味があるタレで細麺と具材に一体感を与える。

明るい店内。
明るい店内。

『揚子江菜館』店舗詳細

讃岐うどんの名店の15周麺を知っていたか?『うどん 丸香』

コシを楽しむなら冷たい月見山720円もぜひ。
コシを楽しむなら冷たい月見山720円もぜひ。

15周年を迎えた年に、15周麺と銘打ち、麺を大きく改良した。「もちもちとキレ、やわらかさとハリ、洗練と田舎麺——。相反するものを両立したくて。全体的にはより温かいかけうどんに合う味と香りの麺になったと思う」と店主・谷口春紀さん。やや細身の麺を啜(すす)ればむっちりと押し返すのびやかな麺が舌に愉悦をもたらし、爽やかな小麦の香りと伊吹イリコの出汁が余韻を残す。毎日食べたい王道の一杯なのだ。

行列は相変わらず。
行列は相変わらず。
粉は日清製粉の丸香特雀に製粉方法の異なるさぬきの夢3種をブレンド。麺肌は淡黄で15周麺はよりやさしい喉越しの印象。
粉は日清製粉の丸香特雀に製粉方法の異なるさぬきの夢3種をブレンド。麺肌は淡黄で15周麺はよりやさしい喉越しの印象。

『うどん 丸香』店舗詳細

住所:東京都千代田区神田小川町3-16-1 ニュー駿河台ビル1F /営業時間:11:00~16:00LO・17:00~19:30LO(土は11:00~14:30LO。うどん無くなり次第終了)/定休日:日・祝/アクセス:地下鉄神保町駅から徒歩4分

心落ち着く手打ち十割そばと和風キーマカレーを!『まれびと』

手打ち十割そばとキーマカレーのセット1290円。
手打ち十割そばとキーマカレーのセット1290円。

地下鉄神保町駅を降りて、白山通り側からすずらん通りに入って徒歩2分ほど。地下1階にあるそば屋『まれびと』は、店主が打つ十割そばが評判の店だ。元々は日本茶を供する茶屋兼ギャラリーだったが、お客さんの要望もあって、今やそばや天ぷらを中心に和食を出す店となった。上質なインテリアと民芸品が品よく飾られた店内は、半分が美術館のカフェのようなシックな空間で、もう半分が4畳半ほどの小上がりの和モダンな空間となっている。

3種のそば粉を独自に配合した十割そばは、店主が日夜研鑽を積んで改良し続けている。店自慢のそば屋のキーマカレーは930円(大盛りは無料)で、十割そばとのセットは1290円。十割そばと揚げたてとり天のセットは1490円。どれもボリューム満点で、丁寧に淹れてくれる日本茶付きなのがうれしい。おいしい手打ちそばと出汁を効かせた和風キーマカレーをいただきながら、心落ち着く和の空間で贅沢なひと時を味わえるだろう。

手打ち十割そばととり天のセット1280円。
手打ち十割そばととり天のセット1280円。
神保町駅から徒歩2分。店名『まれびと』は「客人」を意味する。
神保町駅から徒歩2分。店名『まれびと』は「客人」を意味する。

『まれびと』店舗詳細

住所:東京都千代田区神田神保町1-13-7 SLビルB1/営業時間:11:30~15:00・18:00~21:00LO/定休日:土・日・祝/アクセス:地下鉄神保町駅から徒歩2分

取材・文=半澤則吉、かつとんたろう、佐藤さゆり、松井一恵(teamまめ)、鈴木健太、井島加恵、速志 淳、柿崎真英、丸山美紀(アート・サプライ)、パンチ広沢、コバヤシヒロミ、羽牟克郎、新居鮎美 撮影=半澤則吉、小野広幸、オカダタカオ、須田卓馬、丸毛 透、yOU(河崎夕子)、関 尚道、鈴木俊介、高野尚人、加藤昌人、井上洋平、柿崎真英、丸山美紀(アート・サプライ)、パンチ広沢、コバヤシヒロミ、羽牟克郎

東京23区のど真ん中に位置し、靖国通りと白山通りが交わる神保町交差点を中心に広がる街、千代田区神田神保町。  この街の特徴をひと言でいうと、なんといっても「本の街」ということになる。  古書店や新刊書店が多くあつまり、その規模は世界一とも言われている。だがそれだけではない。純喫茶、カレー、学生街、スポーツ用品街、中華街などなど、歩くほどに様々な顔が垣間見えるのが面白い。ある意味、東京で一番散歩が楽しい街ではないかと思うほどだ。