松記鶏飯

バックパッカーが惚れ込んだ日常食

海南鶏飯(大)1320円。パクチーを添えて。
海南鶏飯(大)1320円。パクチーを添えて。

「多国籍が混ざり合うので、食べながらルーツの謎解きを楽しんで」と、店主・松本裕介さんがシンガポールの食文化の、奥深い魅力を指南する。海南鶏飯(ハイナンジーファン)は、現地の食堂数十軒をめぐり研究した自信作。しっとり艶やかに茹でた鶏ムネ肉と、3種のタレ、香ばしいジャスミンライスを皿の上で自由に絡めながら、旅するように味わいたい。

スペアリブを漢方入り出汁で煮込む肉骨茶(バクテ) 2090円(2人前)と、紙に包み揚げるペッパーチキン(2p)700円。
スペアリブを漢方入り出汁で煮込む肉骨茶(バクテ) 2090円(2人前)と、紙に包み揚げるペッパーチキン(2p)700円。

『松記鶏飯』店舗詳細

住所:東京都千代田区神田司町2-15-1/営業時間:11:30〜 13:30LO•18:00〜 22:00LO/定休日:日•祝/アクセス:地下鉄新宿線小川町駅•丸ノ内線淡路町駅から徒歩3分

うなぎ かねいち

酒を恋う、江戸前うなぎ

特上うな重(肝吸、上新香付き)3500円。
特上うな重(肝吸、上新香付き)3500円。

書店帰りの一人客が白焼きをつまみ日本酒でくつろぐ1階、近隣会社の宴会でにぎわう2階座敷。神保町にのれんを出して40年以上、なじみ客が多い、敷居の低いうなぎ屋だ。現在は、鈴木貴之さんと久志さん兄弟が、父親の味、江戸前うなぎを受け継ぐ。さばいて白焼き、後に蒸し、タレをつけ焼く国産のウナギ。その脂の風味を淡白なタレが引き立てる。夜は、酒がすすむ日替わり料理があれこれ。うなぎ屋で、粋に飲めてこそ、おとなかな。

肝焼き800円、酒を振ってあぶる白焼き2800円は、ワサビか塩で。貴之さんにちなんで「貴」など銘酒が揃う。日本酒800円。
肝焼き800円、酒を振ってあぶる白焼き2800円は、ワサビか塩で。貴之さんにちなんで「貴」など銘酒が揃う。日本酒800円。
昔は居酒屋だった。
昔は居酒屋だった。

『うなぎ かねいち』店舗詳細

住所:東京都千代田区神田神保町1-25/営業時間:11:30~14:00・17:00~21:30/定休日:日・祝(土曜不定)/アクセス:地下鉄神保町駅から徒歩3分

ぽるとがる酒場 piripiri

心通じる、遠い国の名物料理

鶏の炭火焼き1/2羽1650円、ポルトガル産微発泡ワイン660円(グラス)。
鶏の炭火焼き1/2羽1650円、ポルトガル産微発泡ワイン660円(グラス)。

太田姫稲荷神社の斜め前、「やきとり」の看板が目立つ。串刺しのアレではなく、鶏丸ごとを豪快に焼く、ポルトガルの名物料理のことだ。香味野菜などで3日間マリネしてから、唐辛子入り調味液「ピリピリ」を塗りながら炭火でゆっくり焼くので、ジューシーな中にじんわりと辛味が広がる。「父が暮らす最南端の街、アルガルベで出合ってとりこになりました」と、若林ゆきさんとつつみゆりさん。本好きの仲良し姉妹が営む。

バカリャウのコロッケ660円、チキンパイ495円。
バカリャウのコロッケ660円、チキンパイ495円。
陶器が並ぶ棚。
陶器が並ぶ棚。
ゆきさん(左)とゆりさん。
ゆきさん(左)とゆりさん。

『ぽるとがる酒場 piripiri』店舗詳細

住所:東京都千代田区神田駿河台3-7-5 駿河台ビル2F/営業時間:17:00~22:00/定休日:水・日・祝/アクセス:地下鉄千代田線新御茶ノ水駅から徒歩1分

構成=フラップネクスト 取材・文=佐藤さゆり、松井一恵(teamまめ) 撮影=オカダタカオ、高野尚人