入場無料だけど、見ごたえたっぷり!旧三井財閥別邸跡だった『大磯城山公園』
国内30数都道府県と海外22か国に行ったことがあります。
『大磯城山公園』(おおいそじょうやまこうえん)は、旧三井財閥別邸地区と旧吉田茂邸地区の総称。
わたしは、旧吉田茂邸地区の横から太平洋岸自転車道へと抜けるサイクリングの途中で、トイレ休憩で立ち寄ることが多いです。以前は旧吉田茂邸地区を利用することが多かったのですが、有料になってからは、もっぱら旧三井財閥別邸地区を利用しています。
北口に自転車を置き、不動池を通るのが定番ルート。正門である南門から入る方が多いので、人が少なめで穴場なスポットです。不動池の周りは、「もみじの広場」という紅葉スポットになっています。
2023年は11月24日(金)~26日(日)16:30~20:00まで、『湘南庭園文化祭』の一環で、ライトアップイベントが開催されます。25日と26日は和楽演奏会も同時開催されるそうです。
ふだんは不動池周辺しか散策しないのですが、久しぶりに展望台付近まで行ってみました。展望台のあたりには、以前は三井高棟(たかみね)の別荘だった城山荘(じょうざんそう)本館が建っていたそうです。
建築家は、高棟の次男の友達だった久米権九郎(ごんくろう)。日光金谷ホテルや軽井沢万平ホテルなどの建築家としても知られています。
城山荘本館の屋根には鶴の飾りが取り付けられていたためか、展望台の屋根にも鶴の飾りがありました。天気が良いと西側に富士山が見られるのですが、この日は残念ながら見られませんでした。
城山荘には、高棟が師匠として尊敬していた管主のいる薬師寺など、全国28の社寺の古材が利用されました。城山荘は、1970年(昭和45)に名古屋鉄道の所有になった後に解体され、京都に運ばれました。
敷地内にあった建物の中で特に有名な国宝茶室「如庵」(じょあん)は、今も愛知県犬山市の有楽苑(うらくえん)で見られるそうです。滋賀県の覚性律庵(かくしょうりつあん)にも、大雄殿や法雲堂、洗心寮などが移築されています。「もみじの広場」の近くにある茶室「城山庵」は、「如庵」を模して建てられました。
展望台付近まで上ると、天気の良い日は太平洋が眼下に眺められて、すがすがしい気分になります。各所にある門も風情たっぷり。展望台近くの「北蔵ギャラリー」は、1941年(昭和16)に建てられた、城山荘があった当時の様子を思い起こさせる建物です。
園内には「大磯町郷土資料館」もあるので、紅葉のタイミングでぜひ出かけてみてください。
参考資料:「大磯城山荘(旧三井別邸)」
「大磯別邸 城山荘 -三井高棟が遺したもの-」
大磯城山公園 公式サイト
有楽苑 公式サイト
国内30数都道府県と海外22か国に行ったことがあります。