スタート:JR川越線・東武東上線川越駅―(21分/1.4㎞)→中院―(2分/0.2㎞)→仙波東照宮―(3分/0.2㎞)→喜多院―(14分/1.0㎞)→川越城本丸御殿―(1分/0.1㎞)→川越市立博物館―(7分/0.5㎞)→川越氷川神社―(13分/0.9㎞)→菓子屋横丁―(4分/0.3㎞)→川越まつり会館―(すぐ)→大沢家住宅―(すぐ)→川越一番街―(2分/0.2㎞)→時の鐘―(2分/0.2㎞)→大正浪漫夢通り商店街―(3分/0.2㎞)→連馨寺―(21分/1.4㎞)→ゴール:JR川越線・東武東上線川越駅
今回のコース◆約6.4㎞/約1時間30分/約8900歩
1 中院
藤村ゆかりの茶室と桜の古刹
春は数種の桜が次々と咲き、特にシダレザクラは中院の代名詞。天長7年(830)、慈覚大師円仁により開かれた。円仁が境内に栽培した茶が狭山茶の始まりとされ、発祥の地の石碑が立つ。島崎藤村が義母に贈った茶室・不染亭や義母の墓もある。
2 仙波東照宮
日本三大東照宮の威光を放つ
徳川家康の遺骸を久能山から日光へ運ぶ途中、仙波喜多院で住職の天海僧正が法要を行った。後日、天海は家康像を造り大堂に祀ったことが仙波東照宮の始まり。小さな境内だが、本殿、随身門、唐門、石鳥居など国の重要文化財が多数ある。
3 喜多院
見飽きない魅力の五百羅漢
天長7年(830)に慈覚大師円仁により創建。日本三大羅漢に数えられる五百羅漢像は釈迦の十大弟子・十六羅漢など538体の石仏。江戸城から移築された徳川家光誕生の間などがある。
4 川越城本丸御殿
東日本唯一の現存の本丸御殿
嘉永元年(1848)築の玄関と大広間、移築した家老詰所が見られる。かつては16棟、1025坪にも及ぶ広大な建物だったという。広間の引き戸に描かれた杉戸絵も御殿の名にふさわしい。最奥の部屋では家老たちが話し合う様子を再現している。
5 川越市立博物館
川越の歴史を多角的に見せる
原始から現代までを時代ごとにフロアを分け、社会の変遷や文化の様相など川越の歴史を紹介。原始・古代の発掘物やジオラマなど、視覚的な展示がわかりやすい。特に職人が支えた川越独自の伝統産業や民俗芸能の展示は見ごたえがある。
6 川越氷川神社
良縁を授ける縁結びの祭神
古墳時代の欽明天皇2年(541)の創建と伝わる。本殿に施された江戸彫の装飾は、名彫師・嶋村源蔵らが7年の歳月をかけて彫りあげたもの。古来、縁結びの神として知られ、境内の玉砂利を持ち帰り大切にすると良縁に恵まれるという。
7 菓子屋横丁
駄菓子の甘い香りに誘われる
明治初期、鈴木藤左衛門が江戸っ子好みの菓子を製造したことが始まりと伝わる。全長約80mの石畳の通りに約20軒の菓子屋が軒を連ねる。横丁は店先から漂う菓子の香りに包まれ、環境省の「かおり風景100選」に選定される。
8 川越まつり会館
高さ8mの絢爛豪華な山車が圧巻
市内最大のイベントであり、ユネスコ無形文化遺産登録の川越まつりの展示施設。祭りの準備の紹介、会所の再現、大型スクリーンで川越まつりの熱気と興奮が体験できる。実物の山車2台が展示され、華麗な幕や精巧な彫刻を間近で見られる。
9 大沢家住宅
川越最古の蔵造り建築
呉服商の近江屋半右衛門が、寛政4年(1792)に建てた蔵造り商家。明治時代の川越大火の際に焼失を免れたため、以後、川越の街に蔵造り建築が増えたという。現在は1階で民芸品店を営業し、店内と外観のみの見学。建物は国指定重要文化財。
10 川越一番街
蔵造りの建物が立ち並ぶ家並み
仲町交差点から札の辻交差点までの約400mの通り。レンガや大谷石、御影石などの重厚な蔵造りの建物が並び、時の鐘や国登録有形文化財の洋館も立ち、建築散歩が楽しい。電線を地中化し、景観もすっきり。人気のみやげ物店や飲食店も集まり、川越観光のメインスポットになっている。
11 時の鐘
小江戸川越のシンボル
寛永4年~11年(1627 ~ 1634)の間に川越藩主・酒井忠勝が建造。度重なる火災で焼失し、現在の鐘楼は明治26年(1893)の川越大火の翌年に再建。今も高さ約16mの櫓から6時・12時・15時・18時に鐘を鳴らし時を告げる。鐘の音は環境省の「残したい日本の音風景100選」に認定。
12 大正浪漫夢通り商店街
大正時代にタイムスリップ
町家造りや洋風看板建築の建物が立ち並び、その名のとおりのレトロな景観。県内屈指の歴史ある商店街で、江戸時代から連綿と続く店が数多くある。かつては商店街にあったアーケードを撤去し、御影石を敷いた石畳の通りは、電線の地中化で電柱がないため、歩きやすく街並みも美しい。
13 蓮馨寺
庶民を助けた呑龍上人を祀る
天文18年(1549)に川越城主の大道寺政繁が亡き母のために建立。呑龍堂に祀られる呑龍(どんりゅう)上人は、人々のあらゆる相談にのり解決したと伝わる。毎月8日に行う縁日・呑龍デーは朝9時から多くの人出でにぎわう。
歩いたらもっと美味しいごほうびグルメ
手打ちそば 百丈
洋風意匠の看板建築で会津産のそばを堪能
国の登録有形文化財の看板建築の店舗が、川越商人の文化と心意気を伝える。福島県会津産の玄そばを使って手打ちするそばは、香り高くのど越しがよいとそば通にも好評。涼味を味わう大根おろしそば1100円。
川越 いちのや
代々受け継がれた技と秘伝のタレで最高級のうな重
天保3年(1832)から続く川越屈指の老舗。この店では、白焼きをせず、生のまま蒸してからタレをつけて備長炭で焼く。ふんわりと柔らかなうなぎと、やや甘めでさらっとしたタレの相性もぴったり。うな重(大)6426円。
取材・文・撮影=塙 広明(アド・グリーン)