若者が次世代に継ぐ、町中華魂『中華屋 啓ちゃん』
上の写真を見てアレっと思った人も多いはず。そうこの店、町中華には珍しく「若者の店」なのだ。中野の『尚ちゃんラーメン』で修業した幸田さんは25歳でこの店を開業。その味と盛りのよさですぐ評判になった。2011年創業の若い店だが、手頃な価格でおなかいっぱいという古きよき中華屋魂を受け継ぐ。中華屋を開いた理由を聞くと「普段遣いする人に、毎度違うものを食べてもらいたかったんです」。町中華の未来は、君に任せた!
『中華屋 啓ちゃん』店舗詳細
駅前で飲んで食べて、至福の時『はなや』
荻窪の象徴、タウンセブン1階にある『はなや』。勤め人からファミリーまで幅広い客層に愛される駅前中華だが、この店が本領を発揮するのは実は夕方から。何を隠そう”飲み中華”の名店なのだ。常連が鶏カラや自家製の餃子、一品メニューなどを肴に喉を潤す光景はもはや荻窪名物といえる。「締めの一杯」という言葉はここでは、お酒&ラーメンのダブルミーニング! 1人でも大勢でも、ついつい飲みすぎ、そして食べすぎてしまう。
『はなや』店舗詳細
「不変」の味は「普遍」でもある『春木家本店』
昭和6年(1931)の創業以来、中華とそばを提供し続ける『春木家本店』。初代の妹夫婦が独立してできたのが駅前の『春木屋』で、こちらは住宅地の中にある。麺もそばも自家製、手抜きは一切ない。「継いだ以上やるしかない。昔のやり方をシンプルに守るだけだよ」。3代目の古川善啓さんは、3歳から店を手伝っていたという。町中華サラブレッドが作る料理は時代を超えたスタンダード。これぞ昭和の味だが、古くささは微塵もない。
『春木家本店』店舗詳細
今や希少⁉ パラパラチャーハン『あもん』
油に卵を入れ、具材を加え、コシヒカリを投入する。粘り気が出そうなものだが、「強い火力と大きな中華鍋だから」と、店主の根岸孝昌さんが作れば、パラパラの昔ながらの味になる。兄が営む『三ちゃん』勤めから数えて約55年。鍋をあおるたびに、ごはんが宙を舞う職人技には、目が釘づけ。チャーハンは五目が基本で、干ししいたけが名脇役。味の根底で深みと香味を醸し「これがないと、この味にはならないですよ」。
『あもん』店舗詳細
構成=株式会社エスティフ 取材・文=半澤則吉 撮影=山出高士、大西尚明