消火栓蓋の傾向とは
まず形について。マンホール蓋はほぼ全てが丸型なのに対し、消火栓蓋は四角型と丸型とがある。おおむねどの自治体においても、設置年が古いものは四角型、新しいものは丸型となっているようだ。レトロなデザインの消火栓蓋を見たければ、四角型を中心に探すとよいだろう。
四角型であっても、花の模様が施されたものやキャラクターがデザインされた新しめの蓋も発見できるので、丸型との違いを比較してみたい。
丸型の消火栓蓋は、より一層バリエーションが豊かである。昔ながらのデザインのものもあれば、
さいたま市のように大胆なサッカーボール柄をデザインしているものもある。
消火栓は目立たなくてはいけない
そもそも消火栓蓋は、火災の時に目印となるように、またその上に車などを駐車しないように、周囲の地面が黄色くペイントされていることが多い。最近では更に目立つようにという意図からか、蓋そのものが黄色などの派手な色で塗装されている。黄色い背景に描かれるモチーフとして、圧倒的に多いのが「消防車」である。特に左斜め方向の構図が各地で見られるが、
消防車単体ばかりではなく、キャラクターが描かれる場合もある。消防車とともに登場するので、必然的に描かれるのは消防士が多くなる。
一方所沢市の消火栓蓋は、市のキャラクター「トコろん」が消防車のホースを持ち消火にあたるデザインだ。
今後もマンホール蓋と同様に、ご当地キャラが消火栓蓋に登場する機会が増えていきそうだ。
消火栓は上水道であるため、下水道広報プラットホームが発行するマンホールカードには含まれない。しかし、ここまでさまざまなデザインがあるのであれば、いずれ「消火栓蓋カード」も登場して欲しいように思う。街の人々に消火栓の存在を知らせるのにも役立つだろう。とはいえそれが実現した場合、また集めなければならないものが増えてしまうかと思うと、なんとも悩ましい。
※参考:川崎市HP「消火栓ってなんだろう?」
https://www.city.kawasaki.jp/840/cmsfiles/contents/0000127/127019/siryou.pdf
イラスト・文・写真=オギリマサホ