とんかつ割烹 山下軒
しょうが焼きファン夢の爆盛りがここに!
先々代から揚げ脂は香り高いラード一本にこだわるとんかつが看板だが、ひそかにファンの多いのが豚生姜焼き。「昼は脂身があってごはんが進むバラ肉、夜はあっさりとしてお酒のつまみに合うヒレ肉を使ってます」と4代目。ランチの生姜焼き定食を頼むと、4代目がカッカッと振るフライパンから、ショウガとみりん、コクが出るよう醤油2種を使ったタレの、いい匂いが。そこにゴマの香ばしさも加わり、白飯がわしわし進むのだ!
『とんかつ割烹 山下軒』店舗詳細
俺の洋食 ビストロボナペティ
噛むほどに「肉を食べている」と実感
2011年、本格フレンチの店からカジュアルな洋食屋にリニューアル。その際に、店主の鹿野英彦さんが、小さい頃から大好きだったというハンバーグがメニュー入り。今では、昼のオーダー率8割と不動の人気モノだ。肉は一度挽きの、牛100%。粗挽きに加え、つなぎが少ないゆえ、弾力にあふれ肉々しい。「1個につき150回ほど叩いて、しっかり空気を抜いているからね」。ぎゅっぎゅっと噛みしめるたびに、肉の食感と旨味を満喫できる。
『俺の洋食 ビストロボナペティ』店舗詳細
欧風カレー gii
インドmeetsフランスのハイブリッドカレー
果物と野菜の甘みの中に、香辛料の辛さも引き立つこの店のカレー。タマネギなどの野菜に加え、バナナとリンゴのほか、季節によって桃などの果物も追加し、5日間煮込む。さらにフランス料理の基本となる、牛肉からとった出汁のフォンドヴォーなどを入れ、濃厚な味付けに。スパイスを混ぜて炊いたご飯にかければ、より香りとコクが際立つ。人気No.1のチキンカレーはカリカリの皮と、中がふっくら柔らかい鶏モモ肉が魅力。
『欧風カレー gii』店舗詳細
玄海寿司
目利きが選び抜いた旬がつまった宝石箱
「福島の実家を飛び出して、16歳から寿司屋で働いてるよ。もう45年になるなぁ」と柔和な笑顔で話す店主の鈴木光明さん。毎日、鈴木さん自ら大宮市場に出向き、極上のネタを仕入れている。昼のおすすめは海鮮丼だ。シャリの上には脂ののったマグロをはじめエビ、カンパチ、コハダ、シラウオ……と、旬の魚介を中心に約12種がてんこ盛り。+110円で大盛りに、+220円のメガ盛りは総重量2kgと驚愕(きょうがく)のボリューム!魚好きにはたまらない。
『玄海寿司』店舗詳細
Primavera Classic
これぞ本場ブラジル流ワイルドな肉のカーニバル
肉塊を鉄串に刺して焼き上げるブラジルの定番料理・シュラスコ。ここではフィレやサーロイン、豚バラなど12種以上の肉が楽しめ、1種類ずつ順繰りにテーブルまで来てサーブしてくれる愉快なシステムも魅力。ブラジル出身のルシン・ハイムンドさんは、この道30年以上のベテラン。仕込みから切り分けまで、主に1人で行う。岩塩のみで焼き上げるイチボは、とろけるような旨味が特徴。好みで、ビネガーがきいたビナグレッチソースをつけてさっぱりと。
『Primavera Classic』店舗詳細
味市場
白ゴマの芳しい香りに吸い寄せられて
扉を開ければ、住宅地とは思えぬリゾート空間。800坪の敷地内には、春はチューリップ、夏はヒマワリなど季節の花が咲きそろい、冬には人工雪の演出も!白ゴマの香りに導かれて、多くの客が注文するのは担々麺。鶏ガラを4時間以上煮込んでつくる醤油ベースのスープに、濃厚な白ゴマの香りと甘みがにじむ。マイルドな印象の中で、ピリッとしたラー油の辛味がアクセント。八丁味噌が効いた国産豚ひき肉の肉味噌をまぜて、最後の一滴まで味わいたい。
『味市場』店舗詳細
おでんと魚菜 基
おでんを肴に全国のレアな日本酒を
埼玉県産野菜をはじめ、この店のおでん種は個性豊か。利尻昆布、トビウオ、魚のアラでとる出汁は、京風の上品で控えめな味付け。約20銘柄がそろう日本酒は、全国各地から厳選。随時入れ替わるので、訪れるごとにおすすめを聞いてみたい。おでんと並んで店の二枚看板が刺し身。大間のマグロ、高知のシマアジなど、各地の旬が並ぶ。冬場には、高知や九州産のクエのしゃぶしゃぶも登場する。
『おでんと魚菜 基』店舗詳細
手打ちうどん さわいち
還暦超えてなお力強きツインうどん
うどん好きが高じ、勢い余って小澤さんがうどん店を創り上げたのは1994年。「だけど、当時は公務員で『うどん屋じゃ食ってけない』と妻に反対されて(笑)」。そこで、小澤さん抜きで奥様とその友人が店を切り盛りし、2011年に晴れて定年退職したご主人が麺を打つように。低温熟成後、足踏みしたうどんは啜(すす)るというより噛んで味わう“ごっつい”麺。つゆはかえしに黒糖とたまり醤油を加えてコクを出し、力強い麺をがっしり受け止める。
『手打ちうどん さわいち』店舗詳細
武蔵野うどん藤原 北与野本店
あの人気店で研鑽(けんさん)を積んだ主人の新境地
大宮の名店『藤店(ふじだな)』で7年間店長を務めていた藤原さんが平成20年に独立。名物は真っ赤なつゆの旨辛肉汁うどんだ。辛さは7段階で、レベル1でも十分に辛い。が、ヒーヒー食べ進むうちに小麦の甘み広がる細麺とつゆの辛みが絶妙に合い、箸が止まらなくなる。「香味野菜の香りを移した自家製和風ラー油と3種のかつお節を大量に使った琥珀(こはく)色の出汁で、辛さと旨さを両立させてます」。皆さん、Yシャツべとべとで完食するのも納得!
『武蔵野うどん藤原 北与野本店』店舗詳細
構成=フラップネクスト 取材・文=稲葉美映子・今田 壮・佐久間春奈(風来堂)、鈴木健太、本田直子 撮影=井上洋平、井原淳一、加藤昌人、金井塚太郎