家族の笑顔と新鮮なモツが最高の酒肴『もつ焼 大阪屋』

治子さん(中央)や架月さんを中心とした家族経営。「大宮の市場から朝ジメのいいモツが入ってきます」。
治子さん(中央)や架月さんを中心とした家族経営。「大宮の市場から朝ジメのいいモツが入ってきます」。

ネオン煌(きら)めく南銀座から逃れ、暖簾をくぐると2代目女将・赤坂治子さんの「いらっしゃい」という温かい声。名物のやきとんを焼くのは息子の架月(かづき)さんで「大宮の食肉市場で2年間働いたのでモツの扱いは自信があります」。薄膜を丁寧にはがし軽く包丁でたたいたカシラはジューシーで、シロは大腸を使っており脂プルプル。「5歳の頃から遊びに来てたこの店を潰したくなくて継ぎました」という3代目の話を聞くと、酔いがさらに深まるのだ。

左からネギ、シビレなど串各100円。ガツ七味和え430円。麦焼酎・伝説お湯割り2合570円。
左からネギ、シビレなど串各100円。ガツ七味和え430円。麦焼酎・伝説お湯割り2合570円。

『もつ焼 大阪屋』店舗詳細

住所:埼玉県さいたま市大宮区仲町1-7-1/営業時間:16:00~23:00/定休日:日・祝月(12月30日~1月3日)/アクセス:JR・私鉄大宮駅から徒歩2分

並ぶ短冊に心躍る酒飲みの竜宮城『ろばた焼 北海』

カウンター客には櫂(かい)で提供。メニューは100種以上。
カウンター客には櫂(かい)で提供。メニューは100種以上。

短冊メニューが店内をぐるりと囲み、カウンターの氷には鮮魚や貝が彩りよく並ぶ。カワハギやアジが泳ぐ水槽の前では、ねじり鉢巻きの男衆が手際よく魚をさばいており、この風景だけで気分が高揚!「代表と私で毎日大宮市場に仕入れに行ってます。旨味も水分も抜けるから炉端焼きを含め冷凍ものは使いません」と店長の浅野裕史さん。確かに生にしん焼きは身がふっくら、キンメの刺し身は脂ノリノリ。「冬はズワイや毛ガニも登場します!」。

テーブル席は靴を脱いで座る。
テーブル席は靴を脱いで座る。
当日は本マグロやキンメなどが並んだ刺身の盛合せ2592円、生にしん焼き756円。上尾の地酒・文楽純米吟醸864円。
当日は本マグロやキンメなどが並んだ刺身の盛合せ2592円、生にしん焼き756円。上尾の地酒・文楽純米吟醸864円。

『ろばた焼 北海』店舗詳細

住所:埼玉県さいたま市大宮区仲町1-50 福田産業ビル/営業時間:17:00~24:00/定休日:無(12月31日~ 1月3日)/アクセス:JR・私鉄大宮駅から徒歩2分

日本酒党笑顔のほぼ全酒純米以上!『角打ち 酒屋の隣』

1階は立ち飲み、2階は限定一組、要予約のテーブル席。
1階は立ち飲み、2階は限定一組、要予約のテーブル席。

3代続く酒屋『石丸酒店』直営のため、全国の銘酒を良心価格で味わえる。「流行りや知名度に関係なく、店主の石丸と私がうまいと思った食中酒向けの地酒を中心に置いてます」と料理長の伊藤浩靖さん。例えば能登の白菊特純450円は大宮市場から仕入れる白身魚の刺し身の品のある味をひきたて、神亀手造り純米酒400円を燗で飲めば塩牛スジ大根500円の旨味が膨らむ。週1~ 2回日本酒の品ぞろえが変わるので、左党は足しげく通うべし。

ゴルゴンゾーラとチョリソーのポテサラ450円など。冷酒は70㎖、燗は90㎖で提供。
ゴルゴンゾーラとチョリソーのポテサラ450円など。冷酒は70㎖、燗は90㎖で提供。
酒を保管した築126年の倉庫を改装(左)。右が『石丸酒店』。
酒を保管した築126年の倉庫を改装(左)。右が『石丸酒店』。

『角打ち 酒屋の隣』店舗詳細

住所:埼玉県さいたま市大宮区桜木町2-403/営業時間:17:00~21:30LO/定休日:日・月・祝/アクセス:JR・私鉄大宮駅から徒歩7分

知られざるラム酒と出合う、味わう『Bar R』

カウンターは、アフリカ産アパの一枚板。
カウンターは、アフリカ産アパの一枚板。

開店は2016年3月。揃えるラム酒は200種を超え、さらに毎月必ず新しい種類をラインナップしている。マスターの柴田博美さんは、「多種多様な文化の中で造られているため柔軟性があって自由度が高く、まだまだ知られていない銘柄があります」と、その魅力を語る。冬の一杯目でトライしたいのが、ホットバダードラム。シナモンやクローブなどのスパイスに蜂蜜、バター入り。ダークラムを使った深い味わいのホットカクテルだ。

シェリー罇で熟成させたバルデスピノロン ビエホ1800円。ボディ感の厚いスペインラムの代表格。バカラのアンティークグラスも素敵。
シェリー罇で熟成させたバルデスピノロン ビエホ1800円。ボディ感の厚いスペインラムの代表格。バカラのアンティークグラスも素敵。
ホットバタードラム1200円。
ホットバタードラム1200円。

『Bar R』店舗詳細

住所:埼玉県大宮区宮町1-91-1/営業時間:18:00~深夜/定休日:火(1月1 ・ 2日)/アクセス:JR・私鉄大宮駅から徒歩5分

県産のヨーロッパ野菜をカクテルで『The Bar Sazerac』

重厚感ある店内。
重厚感ある店内。

マスターの山下泰裕さんは、大宮のオーセンティックバーや都内のミクソロジーカクテルのバーで経験を積み、2018年2月にこのバーを開いた。アルゼンチンタンゴやクラシックの流れる重厚感のある店内で提供するのは、「ここでしか飲めないカクテル」。たとえば、さいたまヨーロッパ野菜研究会の珍しい国産野菜をカクテルで提供。ジンのラインナップにも力を入れ、国内外産100種を揃える。

希少な岐阜県・辰巳蒸留所製のジンを多種揃える。
希少な岐阜県・辰巳蒸留所製のジンを多種揃える。
奥から、ビーツとりんごのカクテル1200円。ホットカルボナーラブルショット1300円。ベーコンの風味香るウォッカと玉子、牛乳、チーズ入り。
奥から、ビーツとりんごのカクテル1200円。ホットカルボナーラブルショット1300円。ベーコンの風味香るウォッカと玉子、牛乳、チーズ入り。

『The Bar Sazerac』店舗詳細

住所:埼玉県大宮区仲町2-42 セッテイン5F-B/営業時間:19:00~翌4:00LO/定休日:木(12月31日~1月2日)/アクセス:JR・私鉄大宮駅から徒歩3分

大宮の酒場と言えば、この店抜きには語れない『いづみや本店』

席数は60以上。すぐ隣にある「第二支店」を合わせると優に100を超える収容人数を誇る大箱酒場『いづみや』。
席数は60以上。すぐ隣にある「第二支店」を合わせると優に100を超える収容人数を誇る大箱酒場『いづみや』。

もとは定食屋として開業したため、開店は朝の10時。高く抜けのよい天井の周囲に、ぐるりと設えられた採光窓から日の光が差し込み、その光の向こうには壁一面に圧巻の手書きメニュー短冊。まだ日の高いうちからこの空間で、端正な佇まいの肉豆腐をつまみに、梅割をちびちびとやる時間には、他に替えがたい喜びがある。「長いお客さんとは、みんな友達みたいになっちゃって」と言って楽しそうに働く店員さん。大宮を代表する大衆酒場は、決して気取らず、しかしきちんと店の味わいを守り続ける、この街の奇跡そのものだ。

この短冊メニューを前に、あれこれ今日の作戦を練るのも至福の時間。
この短冊メニューを前に、あれこれ今日の作戦を練るのも至福の時間。
上から時計回りに、まぐろぶつ360円、梅割、わかめときゅうりの酢の物280円、いづみや名物のもつ煮込み170円、そして肉豆腐。
上から時計回りに、まぐろぶつ360円、梅割、わかめときゅうりの酢の物280円、いづみや名物のもつ煮込み170円、そして肉豆腐。
毎日仕込む特製の焼酎、梅割220円は、一升瓶でグラスいっぱいに注いでくれる。一升瓶が7本も空く日もあるほど人気。
毎日仕込む特製の焼酎、梅割220円は、一升瓶でグラスいっぱいに注いでくれる。一升瓶が7本も空く日もあるほど人気。
厨房では一日を通し、料理人の手が休まることはない。
厨房では一日を通し、料理人の手が休まることはない。
数度の建て替えはあれど、70年以上にも及ぶ歴史の堆積がそのまま残る空間。
数度の建て替えはあれど、70年以上にも及ぶ歴史の堆積がそのまま残る空間。
駅を出れば正面に堂々たる看板が目に入る。ここはまさに酒飲みのランドマークだ。
駅を出れば正面に堂々たる看板が目に入る。ここはまさに酒飲みのランドマークだ。

『いづみや本店』店舗詳細

住所:埼玉県さいたま市大宮区大門町1-29/営業時間:本店10:00~翌2:15、第二支店9:30~22:00/定休日:不定/アクセス:JR・私鉄大宮駅から徒歩1 分

大迫力のマグロの頭に仰天!『いろは三世』

2代目が寿司屋ということで、お客さん同士の距離が近い。ガラスケースには魚がずらり。
2代目が寿司屋ということで、お客さん同士の距離が近い。ガラスケースには魚がずらり。

暖簾をくぐると奥のカウンターの上に、マグロの頭がドンと置かれているのが目に入る。これを指さし、「その刺し身は頭のこの部分ね」を説明してくれるのは店主・新井國広さん。顎あごや頬など、同じ頭でも部位によって味が変わるという。毎朝仕入れるマグロの頭の刺し身は脂がのっていて、酒が進む。お店は1946年の創業で、新井さんが3代目ということで「三世」なのだそう。リーゼントがキマった名物店長だ。

マグロの頭とサエズリ(のど肉)が楽しめるイロハ梅盛1000円。
マグロの頭とサエズリ(のど肉)が楽しめるイロハ梅盛1000円。

『いろは三世』店舗詳細

住所:埼玉県さいたま市大宮区大門町1- 48/営業時間:17:00~ 24:00LO/定休日:日・祝/アクセス:JR・私鉄大宮駅から徒歩3分

おでんを肴に全国のレアな日本酒を『おでんと魚菜 基』

店長の妹尾和明さん。
店長の妹尾和明さん。

埼玉県産野菜をはじめ、この店のおでん種は個性豊か。利尻昆布、トビウオ、魚のアラでとる出汁は、京風の上品で控えめな味付け。約20銘柄がそろう日本酒は、全国各地から厳選。随時入れ替わるので、訪れるごとにおすすめを聞いてみたい。おでんと並んで店の二枚看板が刺し身。大間のマグロ、高知のシマアジなど、各地の旬が並ぶ。冬場には、高知や九州産のクエのしゃぶしゃぶも登場する。

春菊のはんぺん300円、丸ごとトマト580円など。フレッシュで華やかな味の米沢・新藤酒造の九郎左衛門・裏雅山流など、銘酒とともに。
春菊のはんぺん300円、丸ごとトマト580円など。フレッシュで華やかな味の米沢・新藤酒造の九郎左衛門・裏雅山流など、銘酒とともに。
カウンター席もあるので、1人飲みにも使える。
カウンター席もあるので、1人飲みにも使える。

『おでんと魚菜 基』店舗詳細

住所:埼玉県大宮区桜木町2-158-2 スプリングアートビルディングB1F /営業時間:17:00~23:00/定休日:無(臨時休業あり)/アクセス:JR・私鉄大宮駅から徒歩3分

地酒愛から生まれたほぼ全蔵飲み放題『酒蔵 栄楽』

「世界鷹」「豊明」「藍の郷」各1合750円。魚介や野菜で25種ある串天ぷら1本150円。
「世界鷹」「豊明」「藍の郷」各1合750円。魚介や野菜で25種ある串天ぷら1本150円。

創業60年の居酒屋で1年前に始めたのは、埼玉県内34蔵の酒の飲み放題(2000円)。ほぼ全蔵網羅するのは現在こちらだけらしい。「数年前に仙台で地元の人の通う酒場に行ったら、全部宮城県の酒だったので衝撃を受け、コレだ! と。埼玉の人は地方の酒は知ってても地酒を知らない人が多くて残念だと思っていたんです」と30代の店主・安田大輔さん。飲み放題は先入観なしで気軽に飲めるようにと考えてのこと。さらに飲んだ酒を忘れないよう全種類のラベルのコースター(しかもQRコード付き)やスタンプカードも自作する。料理は刺し身に焼き物、炒め物に煮物と和食全般。串天ぷらと〆鯖の新旧名物はぜひお供に。

店内は全60席。掘りごたつの部屋もある。
店内は全60席。掘りごたつの部屋もある。
板場で調理を担当する3代目の安田大輔さん。
板場で調理を担当する3代目の安田大輔さん。
厚切りの〆さば木の葉造り700円は昔からの名物。
厚切りの〆さば木の葉造り700円は昔からの名物。
店内2つの冷蔵庫に収まる埼玉の地酒。
店内2つの冷蔵庫に収まる埼玉の地酒。

『酒蔵 栄楽』店舗詳細

住所:埼玉県さいたま市大宮区桜木町2-159 安田ビル2F/営業時間:11:30~13:30(土は休)、17:00~23:00/定休日:日・祝/アクセス:JR・私鉄大宮駅から徒歩3分

取材・文=高木健太、下里康子、平野貴大、光松 瞳、本田直子、パリッコ、沼 由美子、鈴木健太 、風来堂  撮影=加藤昌人、オカダタカオ、井上洋平、井原淳一、金井塚太郎、本野克佳、門馬央典