伝統工芸を取り入れた内装と、地元ゆかりの葛飾北斎

大きな暖簾をイメージしたという銀色の壁が目を引くモダンな外観。特に夜は、壁の波模様にライトが入り、ムード満点だ。入館は中学生以上で、2020年に大規模なリニューアルをした館内は、静かで落ち着いた雰囲気で寛げる。フロントには紅色の江戸切子を配した木のカウンター、後ろには地元ゆかりの浮世絵師・葛飾北斎の富士山。新しいだけでなく、清潔感があり、日常から離れてほっとする空間だ。

木のぬくもりが感じられるフロント。
木のぬくもりが感じられるフロント。

選べる6つのお湯。こちらも壁一面に北斎の富士山が

男性浴室。北斎の富士山が雄大。
男性浴室。北斎の富士山が雄大。

大浴場のタイル画も北斎だ。男湯は荒々しい浪間に浮かぶ富士、女湯は紅の富士から広がる雲の世界。男女浴室で異なる富士山のが楽しめる。銭湯のペンキ絵でよく描かれる富士山の新しい形だ。(両方の浴室が見られないのが残念…。)

特筆すべきはジェット湯の豊富さ。高圧水流で立ったまま全身をほぐすスーパージェット湯、イスに座った状態で水流を楽しめる座りジェットバス。そして、広さも十分な下からのジェットの歩行浴コーナーは、足つぼマッサージをしながら運動浴ができる。足つぼ刺激は水中だとそれほど痛くはないので気持ちいい。

お湯の数も豊富。雲形に開いた天井から日差しが入る、明るい屋外では寝湯と漢方薬湯、そして屋内には高濃度炭酸湯、水風呂と6つのお湯が楽しめる。アメニティが多く揃い、手ぶらで行けるのがうれしい。

 

女性浴室露天風呂。日差しが差し込み明るく開放的。
女性浴室露天風呂。日差しが差し込み明るく開放的。

追加料金ゼロの岩盤浴と、3つのサウナできっちり整う!

岩盤浴も豊富で広々。
岩盤浴も豊富で広々。

岩盤浴は、有機ゲルマニウムを多く含む遼寧石(リョウネイセキ)やミネラル分豊富なピンク麦飯石を使用し、無理なく大量の汗をかくことができるのが特徴。体の芯まであたたまって新陳代謝を促そう。

サウナは男性浴室には中温サウナ、女性浴室にはアロマスチームサウナがあり、フィンランドサウナは両方にある。フィンランドサウナは木を贅沢に使った内装で、毎時2回のオートロウリュを楽しめる。温度は90度前後とかなり熱めなので、じっくり入りたい派の人は、温度75度前後の中温サウナにどうぞ。

アロマスチームサウナはマイルドな温度。やさしいピンクから白へのグラデーションの照明の中、月替りの天然アロマオイル使用のスチームに包まれると、ほーっと息が抜ける感じ。リラックスって、こういうことか…。

岩盤浴やサウナの後は、露天エリアの外気浴。デッキチェアでそよ風に吹かれると、都心にいることを忘れてしまいそう。

アロマスチームサウナ(女性浴室)は温度が低めなので、ゆっくり楽しめる。
アロマスチームサウナ(女性浴室)は温度が低めなので、ゆっくり楽しめる。

さまざまなスタイルでくつろげる休憩スペースとワーキングスペース

お休み処「庭」。クッションがとても気持ちよく、ついうとうとしてしまう。
お休み処「庭」。クッションがとても気持ちよく、ついうとうとしてしまう。

休憩スペースが多く、どれもきれいで個性豊か!とくに人気なのが、厚手の絨毯フロアに、大中小のクッションを置いたお休み処「庭」だ。原っぱに横たわるようなリラックス空間で、夜は床にマットを広げて仮眠スペースになる。思ったより広く、クッションが本当に快適なので、思う存分体を伸ばしてごろごろできる、贅沢なスポットだ。

浴室を改装したという男性浴室の湯work。不思議なリラックス感がある。
浴室を改装したという男性浴室の湯work。不思議なリラックス感がある。
女性湯warkにはにはハンモックも!ゆったりしすぎてしまいそうだ。
女性湯warkにはにはハンモックも!ゆったりしすぎてしまいそうだ。

新しい働き方に対応するため、浴室をリニューアルして出来上がったのが「湯work」。湯船をリメイクしたテーブル席のあるワーキングスペースだ。 お風呂に入っているようなリラックス気分で、仕事もはかどるかも。もしかしたら、快適でうとうとしてしまうかも…。

もうひとつの特色は、サウナを改装したという「サウナ会議室」だ。サウナとしての機能はないが防音性が高く、効率のよい会議ができると評判だ。

リラックスでき、ナイスアイデアが浮かびそうなサウナ会議室。
リラックスでき、ナイスアイデアが浮かびそうなサウナ会議室。

和食中心の一品料理を提供する食事処「北斎」や、多様なボディケアの施術も受けられるので、時間があるなら一日ゆったり過ごしたい。短い時間の利用の人は、タオルとバスタオルが付く60分1250円の短時間プランがおすすめだ。

住所:東京都墨田区亀沢1-5-8/営業時間:10:00〜翌8:30/定休日:無休/アクセス:JR両国駅から徒歩5分

取材・⽂=ミヤウチマサコ 写真=両国湯屋 江戸遊