細胞に染み入る野菜チャージ『こもれび食堂+』[浦和]
「野菜を取りに行くたび、土の匂いに癒やされます」と、店主の中林公人(きみと)さんが頼りにするのは見沼で無農薬栽培する「舘野菜園」。管理栄養士で妻の敏子さんは「野菜を見てから毎週献立を考えます」と笑う。週替わりの一汁五菜プレートをいただけば、ゴボウ出汁が染みた大根、黒豆ご飯など、食べたそばから体が喜びだす。極め付けはドレッシング。まるで、野菜で野菜を食べるような感覚だ。
『こもれび食堂+』店舗詳細
碾き方で変化する甘み、喉越し、舌触り『手打ちそば処 久霧』[大宮]
町そば2代目の久森賢一さんが使うのは三芳町「そばの里」産。「夏と秋で品種が変われば、年、熟成具合でも味が変化します」と、農家と共に日々そば研究。その成果は味くらべで検証を。二八の喉越しはもちろん、新そばを注文後に練るそばがきは強い粘りと甘い香りに驚く。また、熟成実を手挽きした翡翠(ひすい)色の粗挽きは甘みがゆっくり立ち上る。そば前に酒を一杯の後、堪能すべし。
『手打ちそば処 久霧』店舗詳細
野菜と豆がたっぷり故郷の家庭料理『スリランカ料理 Aki Foods』[北浦和]
バナナの葉に盛ったバスマティ米に、定番カレーと日替わりが各4種、揚げ卵がのる華やかなランプライス。少しずつ混ぜて好みの味を作るのが現地流で、「ぜひ、手を使ってみて」と、店主のハルーシャさん。近所の直売所やスーパーの地元産売り場で調達する野菜。今日はビーツを使った滋味深いカレーが登場だ。故郷、スリランカ中部産のスパイスを使い、母直伝のレシピで。
『スリランカ料理 Aki Foods』店舗詳細
香り高い生ハーブがタイ旅行へ誘う『タイキッチン ウアムファン』[北浦和]
常連客が育てるパクチーをはじめ、ふんだんに使うのは爽やかな生ハーブ。辛さを控え、日本の調味料・魚醤を使うなど工夫して、誰もが親しめる味を大切に仕上げている。シェフは、タイ東北地方出身のチャンウィットさん。「留学生の頃、得意な料理で文化交流をしたのが楽しくて」、妻の内呂(うちろ)菜穂子さんと店を持つ夢を温めた。「ここでタイ旅行している気分に~」と笑顔でナビゲートしてくれる。
『タイキッチン ウアムファン』店舗詳細
目から鱗(うろこ)の野菜料理の数々『鉄板焼と野菜 へいきゅう』[大宮]
大根にメレンゲ、菜の花の白和えにイチゴなど、ランチの先付けからして斬新。有機栽培「内藤農園」から野菜リストが届くたび、和食出身の店長・妹尾(せお)和明さんは、「野菜のことばかり考えます」。また、ランチの看板は牛の横隔膜の筋も加えたほろほろハンバーグ。ソースが選べ、ドライトマトなら、自然乾燥させたやさしい酸味が赤身肉の旨味を増幅。さらに、土鍋炊きごはんにかけてフィニッシュを。
『鉄板焼と野菜 へいきゅう』店舗詳細
取材・文=佐藤さゆり、松井一恵(teamまめ) 撮影=オカダタカオ