Blanco
パエリアもつまみもひとり占め!
カウンターに腰掛けたなら、まずはちょい飲みセット を頼みたい。オレガノ香る鶏ハムや、イカ墨のクリームコロッケなどを肴に一杯やり、ほろ酔い気分に。さらに締めのパエリアを考えていると、店主・宮崎龍太さんか ら「一人前もありますよ」とうれしい囁き。魚のアラと牛 骨の出汁を米に染み込ませて炊き、具材とともにオーブンへ。ほどよい焦げ目のパラパラごはんからは魚介とサフランの香りがふわり。食後の満足感たるや、もう。
『Blanco』店舗詳細
イタリアニタ
素朴な中に織り込まれる、繊細な味わい
店主の橋本定男さんは、シチリアで修業していたとき、「この国の店は、なんて陽気でフランクなんだ」と痛感。親しみやすくも細やかなトークで一見から常連まで、さまざまな客を楽しませる。品書きやワインは、その日の仕入れで変わるのだが、そのなかで定番としているのは、自家製手打ち麺のトマトレモンクリームソース。 もちもちの麺に絡みついたソースからは炒めた生ハムと、レモンの香りがふわり。濃厚なひと口目から爽やかな後味への変化が楽しい。
『イタリアニタ』店舗詳細
Spyro’s
優しく角のない味に、親しみを感じる
六本木のギリシャ料理店で働いていた乾さんは、その味に感動し、学んだ技術を活かして店を開いた。「大使館にケータリングしたり、大使閣下がいらしたりもします」と笑う。代表的な料理ムサカは、ふわふわのベシャメルソースの下に、 米ナス、ポテト、ミートソースが閉じ込められ、かすかにシナモンを利かせ後引く味。また、ハルミチーズを焼いたサガナキも外せない。上品な風味とキュキュっとした歯ごたえが癖になる一品だ。
『Spyro’s』店舗詳細
Flowers & Spanish Sonrisa
空間と各皿の華やかさに酔う
客を迎えるのは店内を彩る花々。「ここは妻が花屋を営んでいた場所。カウンターの生花は週一、壁などのドライフラワーは3週間に1回ほど、妻が変えています」とシェフの上田光嗣さん。和食経験も長いシェフが手掛けるスペイン料理は、素材の味を生かしたもの。アロスアバンダ(薄焼きパエリア)2618円は甘エビや真鯛の出汁を利かせてあり、旨口のオレンジワインと合い、ついもう一杯。酔うほどに、花の香りや美しさが気分を高揚させてくれる。
『Flowers & Spanish Sonrisa』店舗詳細
構成=フラップネクスト 取材・文=佐藤さゆり、高橋健太(teamまめ) 撮影=加藤熊三、高野尚人、原 幹和