吉玉サキ(達人)の記事一覧

吉玉サキ
達人
吉玉サキ
ライター・エッセイスト
札幌市出身。北アルプスの山小屋で10年間働いた後、2018年からライターに。著書に『山小屋ガールの癒やされない日々』(平凡社)、『方向音痴って、なおるんですか?』(交通新聞社)がある。山では迷ったことがないが、下界では方向音痴。
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お茶の水・文化学院で追っていた夢を諦めた私が、今叶えたいこと
大好きなアイドルグループが念願のCDデビューを発表した。私はその発表を、5万人の観客のひとりとして京セラドームで聞いた。最年長のメンバーは29歳で芸歴15年だ。彼が最後の挨拶で涙を流しながら「夢は諦めなければ必ず叶う」と言ったとき、私はかつて夢を諦めたことを思い出していた。私も彼のように15年間諦めずに続けていれば、小説家になれたのだろうか。ドーム中に灯る赤いペンライトの光の中、私はひそかに決心した。次に夢を持つことがあったら、なにがなんでも15年は諦めないと。
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こんな私でも、遠くから会いに来てくれる人がいる。山小屋時代の友人と話して気づいたこと
1月の末、山小屋時代の友達が夫婦で遊びに来た。2人は私と同世代のカンジ(男性・仮名)とテモヤン(女性・仮名)。カンジは2015年から働いているスタッフで、テモヤンは2017年だけ働いていた。私は2人よりも先輩で、2017年を最後に山小屋を辞めた。私が山小屋を辞めてからも、2人とは交流が続いている。
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「こんなに好きになることは二度とない」。特別な存在だった彼が、幸せだったことを願った
ようやく書けそうな心境になったので書くが、昨年(2023年)の春、ある友人が癌で亡くなった。その友人・祐樹(仮名)は2歳年上で、私が17歳のとき、全身全霊で惚れた相手だ。当時は祐樹のことが好きで好きで感情がおかしくなり、恋心を通り越して彼のことを神格化していた。彼は特別な存在で、それに気づけた私もまた、彼のそばにいていい存在なのだと思い込んでいた。「こんなに好きになることは二度とない」とJ-POPの歌詞のようなことを思ったが、実際、その後はゆるやかに信頼関係を築くような恋愛が多く、あれほどまでに恋に狂ったのは祐樹が最初で最後だ(今のところ)。とは言え、それは20年以上前の話だ。喉元過ぎれば熱さを忘れるというが、祐樹に恋していた事実は覚えているものの、当時の感情はもう鮮明ではない。だからか、彼が亡くなったと聞いてもさほど痛みはなかった。ただ、彼が自分の人生に満足していたらいいな、と思った。
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“大人”になった私を見てなんて言うだろう? 共に作家を目指し、旅立った彼女に語りかける
「さんたつ」ではエッセイを書いているが、実は私の仕事の9割はインタビュー記事だ。特にジャンルを決めず、幅広く書いている。企業の方やお店の方、芸能人や作家、なんらかの専門家の方などにお話を伺うことが多い。インタビュー中、「なるほど、すでに潜在的なニーズはあったんですね」などと相槌を打っているとき、ふと「今の私、大人みたいだな」と思うことがある。いや、年齢的にはとっくに大人なのだが、急に実感すると妙な気分になるのだ。
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旅することは本を読むこと。旅の数だけそこで読んだ思い出が残っているのだ。
出不精であまり旅行に行かない私だが、29歳から30歳にかけての半年間、当時の夫と長旅をしたことがある。以前パタゴニアについて書いたのも、この旅の中でのできごとだ。いつかこの連載で旅について書きたいと思っていたのだが、いかんせん半年間という長い期間でのできごとなので、思い出がありすぎる。印象的なエピソードだけ拾って書いたとしても、全10話くらいの大作になってしまうだろう。そこで今回は、「旅の間に読んだ本」に焦点を当てて、旅を断片的に振り返ってみたいと思う。いつもとは体裁が少し違う、番外編のような回だ。
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調布での暮らしはなんだったのだろう? はじめての一人暮らし、半同棲の果てに選び取ったもの
前回、新橋の会社で働いた話を書いたが、そのとき私は横浜の父の家に住んでいた。実家は札幌だが、父が横浜に単身赴任していて、専門学校時代から居候していたのだ。
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ようやく採用してもらえた新橋の勤め先で、だけど私は頑張れなかった
今まで、新橋について書くのを避けてきた。思い出すのも嫌だったからだ。
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夏休みの思い出。函館のおばあちゃんちで、私は曖昧に笑ってばかりいた
夏休みの思い出といえば、海や花火大会などのイベントから、ラジオ体操や部活といった日常のものまでさまざまだ。楽しい思い出はもちろん、大人になった今では、それほど楽しくなかった思い出すら懐かしい。たとえば、お盆になると毎年行った函館のおばあちゃんちの思い出。函館のおばあちゃんちは退屈で、人見知りの私にとって居心地の悪い場所だった。
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この先もきっと忘れない、パタゴニアで出会った友人との数日間
出不精で家にいることが多い私だが、地球の裏側に行ったことがある。今から10年ほど前、夫(当時)と3ヵ月かけて南米を旅したのだ。その前にはメキシコ、その後にはフランスとスペインへ行ったので、トータル半年間の長旅だ。
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アイドルきっかけでできた友達がもたらしてくれた、ひとつの気づき
「大人になると気軽に遊べる友達が減る」とよく聞く。若い頃はしょっちゅう一緒に遊んでいても、お互いに家庭を持ったり仕事が忙しくなったりすると会う機会は減る。自由に使える時間が減るにつれて、友達の優先度も下がる。また、大人は新しく友達を作る機会も減る。学生の頃はクラス替えのたびに嫌でも出会いがあったが、大人にはそれがない。職場によっては、新しく人と出会う機会がほとんどないことだってあるだろう。
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