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吉玉サキ(達人)の記事一覧

学生時代を過ごした神保町は、訪れるたびに心がざわつく“焦燥と不安の街”だった
上京のエピソードといえば、「人の多さに驚いた」とか、「見るものすべてが新鮮で楽しかった」とか、逆に「田舎者コンプレックスを刺激されて辛かった」とか、そんな話をよく聞く。私はといえば、そこまでカルチャーショックは感じなかった。生まれ育った札幌もそこそこ都会だし、父が横浜で単身赴任していて、高校生のときから何度か遊びに行っていたからだ。上京してすぐに友達や恋人もできて、人からは順風満帆な東京生活に見えたと思う。
共に作家を目指し、神保町で一緒に同人誌を売った学生時代の友人。彼女は、今の私を見て何を思うだろう
神保町といえば古書の街だ。学生時代を御茶ノ水・神保町あたりで過ごした私は、文芸を学んでいたくせに古書店にはあまり行かなかった。平成の小説が好きだったから、新刊書店には頻繁に行くものの、古書店には行こうと思わなかったのだ。
神保町「ジャニス」に通っていたあの頃、オザケンっぽい彼との甘くて苦くて酸っぱい話
私にとって初めての「東京」は神保町だ。19歳で進学のため上京したのだが、学校が御茶ノ水にあったから、放課後はよく神保町で過ごした。その辺りには思い出の場所がいくつもある。そのうちのひとつが「ジャニス」というレンタルCDショップ。「ジャニス2」や「ジャニス3」もあって、私が通っていたのはどれだったか、建物がどの辺にあったかも覚えていない(調べてみたら何度か移転していて、私が通っていた店舗は閉店したらしい)。店内の光景と、黄色と緑の会員カードは覚えている。「ジャニス」のことを思い出すと、自動的に元恋人のことも思い出される。甘いと苦いと酸っぱいが同時に込み上げてくるような、妙な気分だ。
方向音痴の就活。迷子になって面接に遅刻した日、意外な結末が待っていた
この連載で「迷うことも楽しい」と学んでから、たまに知らない道を歩くようになった。しかし、それは多少迷ってもかまわないプライベートでの話。仕事や大切な用事など、遅刻が許されない場面での迷子は命取りだ。慎重にならざるを得ないし緊張もする。私の場合もっとも緊張するのは、取材で初めての場所へ出かけるときだ。編集さんやカメラマンさんと駅で合流して取材先へ向かうならいいが、現地集合やひとりでの取材だと、着くまでの間ずっと「道に迷って遅刻したらどうしよう」とドキドキする。だから目的地に着いた時点で「あ~、よかった」とひと仕事終えた気持ちになる。しかし実際はそこからが本番なわけで、緊張のピークを二度味わうこと...
民話の研究をする義弟から聞いた、あの老舗店と河童のつながり
この連載で地図研究家・今尾恵介さんとお話したとき、こんなエピソードを伺った。今尾さんが取材中、とある田舎町の田んぼで地元の人に地名の由来を尋ねたら、「あそこの家の人が詳しい」と教えられる。その家を訪ねると、家主は今尾さんを家の中に招き入れ、お茶でもてなしてくれたそうだ。今尾さんはじっくりと地名の由来を教わることができたと言う。その話を聞いて、義弟のことを思い出した。夫の弟である彼は民話の研究をライフワークにしている。最近はご時世的に難しいが、自由に移動できた頃は長期休みのたびに日本各地を飛び回っていた。民話の舞台となった土地へ行き取材するのだ。地元のお年寄りに民話について尋ねると、家に招いてく...
右折のタイミングがわからなくてイオンに入れない……人見知りならぬ“場所見知り”の母
この連載で何度か、「どうせ迷うんだろうなと思うと、知らない場所に行くのが億劫になる」と書いた。するとTwitterで「私も方向音痴ですが、迷うことを気にせずどんどん知らない場所へ出かけます」という声をたくさんいただいた。なるほど、もちろんそういう方もいるだろう。連載でお話を伺った地図研究家の今尾さんもそう仰っていた。ただ、同じ方向音痴といえど性格は人それぞれ。私は臆病かつ出不精なため、知らない場所に行く心理的ハードルがものすごく高い。「行ってみたいな」と思いつつ何年も行けていない場所が都内にもたくさんある。人に話すと「行けよ」の一言で済ませられるし、自分でもそう思うのだが、行く決意を固めるまで...
「店が動く」方向音痴の恐ろしき逸話、“執念”を感じる札幌の住所、無限に広がる空想地図の世界……地理人・今和泉隆行さんとお...
こんにちは、方向音痴ライターの吉玉サキです。私が方向音痴の克服を目指して右往左往する当連載、なんと本になりました。『方向音痴って、なおるんですか?』という書名で好評発売中です。さて今回は、空想地図作家・今和泉さんとの対談【後編】です。前編は「赤羽vs北千住」をテーマにおしゃべりしましたが、どんどん話が脱線。動くドラッグストアの話や、実はたくさんいる空想地図作家たちのこと、札幌の住所に見る“執念”などなど……そのはみ出した部分に今和泉さんの知識と感性が凝縮されていて面白かったので、こうして1つの記事にまとめました。方向音痴さんもそうじゃない人も、ぜひ地理人と方向音痴のおしゃべりを聞いてください!
赤羽vs北千住、方向音痴に優しい街はどっち? 地理人・今和泉隆行さんとおしゃべりしました【前編】
こんにちは、方向音痴ライターの吉玉サキです。私が方向音痴の克服を目指して右往左往する当連載、なんと本になりました! 『方向音痴って、なおるんですか?』という書名で、本日発売です。さて今回は、本にも登場した空想地図作家・今和泉隆行さんが再登場。『散歩の達人』6月号では、大特集「赤羽vs北千住」番外編として、今和泉さんと吉玉が「どちらの街がより迷いやすいか」をテーマに対談しました。雑誌では迷いやすさを中心にまとめましたが、この対談では2つの街の魅力についても気ままにおしゃべり。話が脱線しまくりましたが、面白かったのでWeb限定のロングバージョンとして本記事でお届けします。赤羽・北千住に行ったことが...
ある雨の日、道の真ん中で震えていた迷子のヨークシャーテリアを拾った
以前、本連載で御茶ノ水にある母校周辺を歩いたとき、私はこんなことを書いた。“この辺を歩いているといろいろな思い出がよみがえってきて、「あそこのロッテリア、放課後に友達とよく行ってました」「ここで犬を拾って交番に届けたことあります」などと、どうでもいい話ばかりしていました。そういうエッセイも書きたいな。”本筋と関係なかったので話を広げなかったが、郊外ならいざ知らず、都会で犬を拾うってあまりない経験じゃないだろうか。今回はそのめずらしい体験について詳しく書こうと思う。迷子になった犬の話だ。
「ぼく道わかるよ!」と歩き出した3歳の甥っ子が、青ざめた顔で座り込んでしまった
方向音痴克服を目指して試行錯誤する本連載「グーグルマップを使っても迷子になってしまうあなたへ」。このたび、その連載を大幅に加筆修正した(文体をまるまる変えた)単行本が発売される運びとなった。その名も、『方向音痴って、なおるんですか?』。5月21日(金)発売だ。単行本には書き下ろしエッセイも収録しているが、入りきらなかったエピソードがあるのでここで書こうと思う。
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