吉玉サキ(達人)の記事一覧

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あと何年会ったり、話したりできるだろう? 梅田の姉の家には、甥や姪との思い出が詰まっている
3月のとある土曜の夜、私は急ぎ足で姉の家へと向かっていた。京セラドームで大好きなAぇ! groupのイベントを楽しんだあと、姉の家に泊めてもらうことになっていたのだ。
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お茶の水・文化学院で追っていた夢を諦めた私が、今叶えたいこと
大好きなアイドルグループが念願のCDデビューを発表した。私はその発表を、5万人の観客のひとりとして京セラドームで聞いた。最年長のメンバーは29歳で芸歴15年だ。彼が最後の挨拶で涙を流しながら「夢は諦めなければ必ず叶う」と言ったとき、私はかつて夢を諦めたことを思い出していた。私も彼のように15年間諦めずに続けていれば、小説家になれたのだろうか。ドーム中に灯る赤いペンライトの光の中、私はひそかに決心した。次に夢を持つことがあったら、なにがなんでも15年は諦めないと。
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こんな私でも、遠くから会いに来てくれる人がいる。山小屋時代の友人と話して気づいたこと
1月の末、山小屋時代の友達が夫婦で遊びに来た。2人は私と同世代のカンジ(男性・仮名)とテモヤン(女性・仮名)。カンジは2015年から働いているスタッフで、テモヤンは2017年だけ働いていた。私は2人よりも先輩で、2017年を最後に山小屋を辞めた。私が山小屋を辞めてからも、2人とは交流が続いている。
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「こんなに好きになることは二度とない」。特別な存在だった彼が、幸せだったことを願った
ようやく書けそうな心境になったので書くが、昨年(2023年)の春、ある友人が癌で亡くなった。その友人・祐樹(仮名)は2歳年上で、私が17歳のとき、全身全霊で惚れた相手だ。当時は祐樹のことが好きで好きで感情がおかしくなり、恋心を通り越して彼のことを神格化していた。彼は特別な存在で、それに気づけた私もまた、彼のそばにいていい存在なのだと思い込んでいた。「こんなに好きになることは二度とない」とJ-POPの歌詞のようなことを思ったが、実際、その後はゆるやかに信頼関係を築くような恋愛が多く、あれほどまでに恋に狂ったのは祐樹が最初で最後だ(今のところ)。とは言え、それは20年以上前の話だ。喉元過ぎれば熱さを忘れるというが、祐樹に恋していた事実は覚えているものの、当時の感情はもう鮮明ではない。だからか、彼が亡くなったと聞いてもさほど痛みはなかった。ただ、彼が自分の人生に満足していたらいいな、と思った。
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“大人”になった私を見てなんて言うだろう? 共に作家を目指し、旅立った彼女に語りかける
「さんたつ」ではエッセイを書いているが、実は私の仕事の9割はインタビュー記事だ。特にジャンルを決めず、幅広く書いている。企業の方やお店の方、芸能人や作家、なんらかの専門家の方などにお話を伺うことが多い。インタビュー中、「なるほど、すでに潜在的なニーズはあったんですね」などと相槌を打っているとき、ふと「今の私、大人みたいだな」と思うことがある。いや、年齢的にはとっくに大人なのだが、急に実感すると妙な気分になるのだ。
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旅することは本を読むこと。旅の数だけそこで読んだ思い出が残っているのだ。
出不精であまり旅行に行かない私だが、29歳から30歳にかけての半年間、当時の夫と長旅をしたことがある。以前パタゴニアについて書いたのも、この旅の中でのできごとだ。いつかこの連載で旅について書きたいと思っていたのだが、いかんせん半年間という長い期間でのできごとなので、思い出がありすぎる。印象的なエピソードだけ拾って書いたとしても、全10話くらいの大作になってしまうだろう。そこで今回は、「旅の間に読んだ本」に焦点を当てて、旅を断片的に振り返ってみたいと思う。いつもとは体裁が少し違う、番外編のような回だ。
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調布での暮らしはなんだったのだろう? はじめての一人暮らし、半同棲の果てに選び取ったもの
前回、新橋の会社で働いた話を書いたが、そのとき私は横浜の父の家に住んでいた。実家は札幌だが、父が横浜に単身赴任していて、専門学校時代から居候していたのだ。
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ようやく採用してもらえた新橋の勤め先で、だけど私は頑張れなかった
今まで、新橋について書くのを避けてきた。思い出すのも嫌だったからだ。
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夏休みの思い出。函館のおばあちゃんちで、私は曖昧に笑ってばかりいた
夏休みの思い出といえば、海や花火大会などのイベントから、ラジオ体操や部活といった日常のものまでさまざまだ。楽しい思い出はもちろん、大人になった今では、それほど楽しくなかった思い出すら懐かしい。たとえば、お盆になると毎年行った函館のおばあちゃんちの思い出。函館のおばあちゃんちは退屈で、人見知りの私にとって居心地の悪い場所だった。
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この先もきっと忘れない、パタゴニアで出会った友人との数日間
出不精で家にいることが多い私だが、地球の裏側に行ったことがある。今から10年ほど前、夫(当時)と3ヵ月かけて南米を旅したのだ。その前にはメキシコ、その後にはフランスとスペインへ行ったので、トータル半年間の長旅だ。
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