本場の教えを昇華した独自レシピ『肉まん研究所』[荒川区役所前]
「元々肉まんを食べるのが好きだった」という店主の田川健太朗さんは、中国の特級点心師に弟子入り。本場で学んだ目の詰まったむぎゅっと弾力のある生地と、日本人好みのふんわり生地の間を行くオリジナルを追求する。豚まんの餡は中国風の塩味ベース。豚肉は粗挽き、細挽きの2種類をブレンドし、豊かな肉汁と歯応えの両方を叶えた。
『肉まん研究所』店舗詳細
ブラッシュアップされた王道の味『久我家』[東尾久三丁目]
てりっと輝くみたらしダンゴ。4代目の岡田泰典さんは「主役の醤油を残しつつ全体の味が丸くなるように代々の味を改良」していった。たれは出汁の取り方を変え、砂糖は先代まで上白糖だけだったが甘みの際立つもの、キレのいいものなど3種類を配合。だんごを噛むごとに膨らむ米の旨味と、甘み、塩味が重なり、立体的な味わいに。
『久我家』店舗詳細
自宅の厨房でこしらえ、自販機で販売『Etsuko Kitchen』[宮ノ前]
民家の前の自販機をのぞくと手作りの焼き菓子がずらり。オーナーの髙橋恵津子さんは以前テレビ番組で消え物(料理)を担当していたといい、「このプレーンクッキーは40年くらい作っている」というベテランの味だ。よつばの無塩バターを使い、コクはあるが重すぎず、サクッとした歯触り。マドレーヌも素材の鮮度を味わえてうっとり。
『Etsuko Kitchen』店舗詳細
地元の定番として老若男女に人気『名匠 たこ焼 上木家』[大塚駅前]
柔らかいのにせんべいで挟んでもギリギリ破れない。かぶりつくと初めて中身があふれ、舌を喜ばす。店主の木村匡利さん曰く「大阪出身のたこ焼き愛強めの上田と店を始めた」そうで、表面をカリッと焼き、ふわっと仕上げるのはまさに大阪流。粉の配合や水分量にこだわり、中身と合わさってふやけたせんべいが好きという人もいるとか。
『名匠 たこ焼 上木家』店舗詳細
職人技が光るブリオッシュ生地『Racines Bread & Salad』[都電雑司ヶ谷]
ドーナツは生地によって3つに大別。オールドファッションとフレンチクルーラー、そして系列店にパン工房があるからこその強み、ブリオッシュだ。ふかふかでしっかり甘みを楽しめ、それでいて油っぽくなく食べ終わってもあと一つ、と手が伸びる。産地から直接仕入れた果実をグレーズに使うこともあり、顔ぶれはその時々で変わる。
『Racines Bread & Salad』店舗詳細
取材・文=信藤舞子 撮影=井上洋平