2020年6月23日。
大量の缶酒を共用冷蔵庫の野菜室一杯に詰め込む担当編集・佐藤七海の姿があった。野菜室だけでは入りきらず、冷蔵庫の隙間という隙間に缶酒を突っ込んでいく。
総務部のお姉さまの白い目にさらされても怯まない。すべては缶酒たちのポテンシャルを平等に引き出すためである。
登場人物紹介
たこ焼きさん(左):前職がたこ焼き職人という経歴を持つライター・高橋健太。「タダ酒が飲める」という甘言に乗せられノコノコやってきたところで、いきなりたこ焼きヘッドを被せられた。1日目と3日目担当。好きな酒はウイスキーと日本酒。
たい焼きさん(右):本企画の言い出しっぺで担当編集・佐藤七海。その立場上、4日間ある試飲会全てに参加するという苦行を自らに課した、ある意味プロ根性の塊のような人。好きな酒はビール。今日は1日目ということで、万全のコンディションで臨む!
つまみとヘパリーゼを用意して、準備万端の試飲会
おお。生ハムやソーセージもあって華やかですね!
今回の「チューハイ&サワー」は果物系が多いんで、生ハムメロンみたいに好相性な組み合わせを発見できるかと思って。
マリアージュ的な?
そう、マリアージュ的な。
そして、これは欠かせないですよね。
気が利いているなあ。
いざ、試飲会スタート。変わり種から注ぎ始める
さて、まず何から試飲いきましょうか?
あの辺の、派手なパッケージのやつらがいいっス。得体の知れないやつって、先に片付けておきたくないですか?
当たり外れありそうですもんね。最後にがっかりしたら、嫌だもんなあ。
あれ? パインアメサワーって黄色じゃないんだ。
本当ですね。味も少し予想外で、もっと甘ったるいかと思いきや、水みたいにさらさらでさっぱり。でも、パインアメの味はしますね。
それと比べると、シゲキックスサワーが名前に反して刺激が少ない気がするなあ。もっと酸っぱいかと思ったのに。ZIMAはラズベリーの風味が酸味あって気持ちいいかも。でも、やっぱりお菓子っぽい。
ネクターは完成度高いですね! お酒じゃないやつと遜色ない、濃厚でトロトロの口当たりです。ただ、もはやジュースのネクターと何が違うんだかわからないです(笑)
果汁感が決め手の果物系は豊作揃い
おっ、あまおうチューハイうまい! イチゴの香りと味わいがしっかり出ていますよ。しっかりあまおうしてる!
二十世紀梨チューハイも上品ですっきりしていますよ。これこそ、生ハムに合いそう。
このぶどうチューハイって、たしか大阪のワイナリー「フジマル醸造所」が監修した、国産ブドウを使っているんですよね。ロゼワインみたい。あまおうと共に、食前酒向きかも?
その一方でWATTAはパッションフルーツは控えめな風味ですね。さっぱりしているけど、果汁感はないから何度も飲むような中毒性はないかなあ。
お! 素滴しぼり! ブドウ果汁100%の実力を見せてもらおうか!
たこ焼きさん、だいぶゴキゲンになってきましたね。
あっま!
本当に! 口のまわりに砂糖付いたみたい。でも、後味はかなりさっぱりしていますね。
ん? 果汁15%のりんごのほっぺの方が果汁感ある気がしますよ。
そんなことあるわけ……あれ、本当ですね。不思議。
いよかんサワーも素滴しぼりと同じで、後味すっきりの「先行逃げ切り型」っすね。湘南ゴールドは、まるでスポーツドリンクみたい。
これはこれで、飲みやすくて危ないやつですね。
缶酒サワー定番の、氷結®ゾーンへ
うっへえ……実は氷結®って悪酔いした記憶があって、苦手なんですよね。
今日はすでにチャンポンだから氷結®だけのせいにできないでしょ。あ、でもアイスの実、おいしいですよ。そのまんまだとインパクト薄いけど、アイスの実と合わせて本領発揮! レモフルも、果汁感あってハマります。
それより、旅する氷結®飲みました? サントリーニ島のヨーグルトの味を再現しているらしいんですけど、果汁0.3%でこの甘みは、やべえっすわ。
同じキリンの「世界のkitchenから」シリーズにありそうな味ですね!
これだけ甘いのに、色が透明なのも不思議なんだよな……。
それ、たこ焼きさんが時代に取り残されてるだけなんじゃ…。
あと、本誌には入れていないんですけど、この本搾り™がおいしいってカメラマンさんから聞いたんですよ~。
おお! すごい果汁感! 今日一番かも。
果汁28%なんですよね。さっきの素滴しぼりの例といい、果汁の割合と風味は比例しないのかもしれませんね。
ほっと一息、梅酒と樽ハイへ
おっ、ここへ来て梅酒ですか。CHOYAは赤白2種類あるんですね。
赤が梅干し、白が青梅。それぞれを梅酒と一緒にプレスしているんだそうですよ。これはどっちも飲んでみたい!と思って両方買ってしまいました。
白はフルーティっすね! 梅っぽさすごく出てます。赤はどっちかというとスッキリしてる。どちらも香りがすごくいいなあ。
このふたつを飲んだあとだと、男梅サワーは梅というよりシソの味、って感じがしますね。いや、おいしいんですけど。
ここに入ってくる樽ハイ倶楽部、パッケージのダサさよ。
ちょっと、侮らないでもらえます? 無味無臭かと思わせといて、最初のひと口が甘く、ほのかに柑橘が香るんです。私の一押しなんですから!
ああ、確かに。結局こういうシンプルなのに落ち着くんだよなあ。中毒性高い。
生ハムとのマリアージュも検証
メロンサワーとか、ちゃんとあるんですね。
生ハムと言ったらメロンですからね。あ、普通においしい。て、言うか普通に生ハムメロン(笑)
こっちの白ワインと清見みかんもさっぱりしていて、生ハムに合いますよ。なんかシャンパングラスとかに入れたいなあ。
ネクターと贅沢搾りは生ハムと合わせるの、微妙かも? 悪くはないけど、マリアージュって感じでもないですねえ。
あっ、あれ試したい! あまおう。絶対合うと思う!
うっま!
本当だ! フレンチレストランとかで出てきそう!
こいつや! 生ハムマリアージュ対決はこいつが優勝や!
そういう趣旨じゃないです。
本日のまとめ
いやあ~、飲みましたねえ。結構豊作だったんじゃないですか?
おいしかった! 特にあまおうがかなりインパクトあったなあ。ただ、氷結®はやっぱり苦手っすわ。
トラウマは払しょくできなかったですか(笑)
声を大にして言いたい。透明なのに甘い酒は危険であると! て、言うか、今日まだ1日目だけど結構酔いましたよね。たい焼きさん、4日連続でしょ? 大丈夫なんすか?
担当編集たる者、酒の企画で飲まれるわけにはいかないです! 心配無用で!
おお、頼もしいなあ。明日もがんばってくださいね。
ああでもない、こうでもないとくだを巻きながら勝手気ままな品評をしていたたこ焼き&たい焼きコンビ。4回にわたる試飲会は、まだ始まったばかりだ! 次回に続く!
*掲載されている商品の表示価格は編集部調べ(2020年6月時点)です。期間限定の商品など、販売終了となっている可能性がありますので、ご了承ください。
文・構成=高橋健太 撮影=佐藤七海 ・星野洋一郎(編集部)
さあ、初日から20本以上あるので、さくさく進めていきましょう。おつまみもしっかり用意しましたよ! じゃん!