決め手は壮大な天守と絶景?
天守のある華やかな城に票が集中しました。姫路城、松本城、彦根城、犬山城といった国宝の城は強いです。城跡で唯一ランクインしたのは、竹田城。写真や映像でよく見かける、雲海に浮かぶ姿を実際に見てみたいという声が圧倒的でした。また熊本城や首里城は復旧状態が気になるという方が多く、修復や再建された姿を見に行きたいという声も。応援がてら、工事中にしか見られない姿を目あてに出かけるのもいいですよね。
【第10位】犬山城(愛知県犬山市)
現存する日本最古の木造天守。小高い山に立っているため、天守からの眺めは絶景だ。
☆アンケートの声…「天守からの眺めと石垣が素晴らしかった」「国宝の城を見ておきたい」
【第9位】大阪城(大阪府大阪市)
大阪環状線の車窓からも見られる大阪のシンボル。
☆アンケートの声…「外から見るばかりで天守に入ったことがないから」「修学旅行で訪れた思い出の城」
【第8位】松山城(愛媛県松山市)
「登り石垣」という、全国的にも珍しい貴重な石垣がある。道後温泉も近いので、あわせて出かけたい。
☆アンケートの声…「周辺の散策や温泉も楽しめる」「現存12天守の中でまだ行ったことがないので」
【第7位】小田原城(神奈川県小田原市)
上杉謙信や武田信玄でも攻め落とせなかった、難攻不落の城。
☆アンケートの声…「駅から近く、のんびりできる」「城下町の見どころも多く、おいしいものも食べられる」
【第6位】彦根城(滋賀県彦根市)
唐破風や花頭窓、高欄付きの廻縁など、変化に富んだ外観の意匠も特徴の一つ。
☆アンケートの声…「当時の姿を残す国宝だから」「天守から見た琵琶湖の夕景が素晴らしい」
【第5位】竹田城跡(兵庫県朝来(あさご)市)
完存する石垣遺構としては全国屈指の規模を誇る。雲海は9~11月の晴天の早朝が狙い目。
☆アンケートの声…「雲海に包まれた姿が幻想的」「“天空の城”を見てみたい」
【第4位】松本城(長野県松本市)
文禄2~3年(1593~1594)築、5重6階の天守としては日本最古で国宝。鉄砲狭間、矢狭間といった戦国時代の実戦用の設備とともに、平和な江戸の時代に造られた戦の備えがほぼない辰巳附櫓、月見櫓などが残っているのも興味深い。
☆アンケートの声…「北アルプスを背にした天守が美しい」「城下町を歩くのも楽しい」
【第3位】熊本城(熊本県熊本市)
戦国武将の加藤清正が慶長12年(1607)に完成させた名城。天守は明治10年(1877)に焼失し、昭和35年(1960)に再建されたが、2016年の熊本地震で被災。しかし2021年に復旧し、天守閣内の展示と最上階からの眺めが楽しめるようになった。築城当時から現存する宇土櫓の石垣も現在修復中。
☆アンケートの声…「黒く荘厳な姿がかっこいい」「復旧具合が気になる。様子を確認したい」
【第2位】弘前城(青森県弘前市)
その桜景色に、読者から「日本一」との熱い声が。正徳5年(1715)、弘前藩士が京都からカスミザクラを持ち帰り、植えたのが始まり。その後、明治時代に荒れ果てた城の姿に心を痛めた旧藩士がソメイヨシノを1000本以上植え、大正時代には桜名所となって観桜会が始まった。現存12天守の一つの天守、3つの櫓や5つの城門など文化財も多い。濠を埋めつくすように咲く桜が壮観。
☆アンケートの声…「桜の時期に訪れ、その美しさに感動した」「本や写真でよく見かける、憧れの城」「城と桜といえばここしかない!」
【第1位】姫路城(兵庫県姫路市)
2023年、ユネスコ世界文化遺産登録30年を迎えた。天守は慶長14年(1609)築の国宝。江戸城と同じ様式の、三重らせん形の堅固な縄張をもつ。400年以上の間戦禍を免れたため、櫓、門、土塀、石垣など貴重な城郭構造が見られる。2015年には白漆喰が塗り直され、「修復後の白い姿が見たい」という意見が多かった。
☆アンケートの声…「天守に入って城主気分を味わいたい」「きれいになった姿を見に行きたい」「行くたびに発見がある!」
取材・文=朝倉由貴、『旅の手帖』編集部 写真=井戸宙烈、内藤昌康