タイムトリップ気分が味わえるのは?

テレビなどでも取り上げられる機会の多い高山、倉敷、金沢、妻籠宿などがやはり票を集めました。「落ち着く」「癒やされる」が2つのキーワードです。若いときに訪ねたことがあるけれど、年齢を重ねたいまなら違った楽しみ方ができそう、という意見も多く見かけました。ランクインはしませんでしたが、城崎温泉や銀山温泉、道後温泉など温泉街が挙がったのは、温泉が好きな『旅の手帖』の読者ならではかも。

【第10位】内子 (愛媛県内子町)

和紙木蝋で栄えた商家町。ゆるやかな坂道に町家が立ち並ぶ。

☆アンケートの声…「八日市・護国の町並みが見たい」「日本の原風景に心が洗われる」「和蠟燭づくりが間近に見られるのもうれしい」

江戸末期から大正にかけて建てられた建物には、いまでも住民が実際に暮らす。
江戸末期から大正にかけて建てられた建物には、いまでも住民が実際に暮らす。
100年以上の歴史をもつ現役の芝居小屋・内子座も見に行きたい。
100年以上の歴史をもつ現役の芝居小屋・内子座も見に行きたい。

【第9位】津和野(島根県津和野町)

“山陰の小京都”と呼ばれる、隠れ里のような山間の町。掘割には色とりどりの鯉が泳ぐ姿も。

☆アンケートの声…「『SLやまぐち号』に乗って出かけたい」「町の雰囲気がよく、水も澄んでいてきれい」

町並みは城下町時代の面影を感じさせる。
町並みは城下町時代の面影を感じさせる。
掘割には300~500匹ともいわれる鯉が悠々と泳ぐ。
掘割には300~500匹ともいわれる鯉が悠々と泳ぐ。

【第8位】大内宿(福島県下郷町)

「売らない、貸さない、壊さない」という3つの原則のもと、江戸時代の面影を残す伝統的な景観が守られている。

☆アンケートの声…「映画のセットのようでテンションが上がる」「茅葺き屋根の家をゆっくり見たい」

町には茅葺き屋根の民家が立ち並ぶ。いまにも参勤交代の行列が現れそう。
町には茅葺き屋根の民家が立ち並ぶ。いまにも参勤交代の行列が現れそう。
長ねぎを箸代わりにいただく、大内宿の名物・ねぎそば。
長ねぎを箸代わりにいただく、大内宿の名物・ねぎそば。

【第7位】川越(埼玉県川越市)

城下町として栄え、蔵造りの土蔵や商家が数多く残る。散策中に食べられるグルメも人気。

☆アンケートの声…「首都圏から行きやすく、グルメも楽しめる」「和菓子店が多くて気に入っている」

メインストリートの一番街には、“小江戸”を象徴する蔵の並ぶ風景が。
メインストリートの一番街には、“小江戸”を象徴する蔵の並ぶ風景が。
江戸時代初期から町に時を告げてきた時の鐘。
江戸時代初期から町に時を告げてきた時の鐘。

【第6位】萩(山口県萩市)

日本を近代国家へ導いた志士や偉人たちの故郷。城下町など5カ所が「明治日本の産業革命遺産」の構成資産として、世界文化遺産に登録されている。

☆アンケートの声…「江戸時代のものがそっくり残っていて、幕末を感じられる」「歴史が好きなので、一度行ってみたい町」

碁盤目状の町筋がそのまま残る萩城下町。往時の面影を留めている。
碁盤目状の町筋がそのまま残る萩城下町。往時の面影を留めている。
明治維新の原動力となった人材を数多く輩出した松下村塾。
明治維新の原動力となった人材を数多く輩出した松下村塾。

【第5位】妻籠宿(長野県南木曽町)

全国で初めて町並みが保存された宿場町。一歩足を踏み入れれば、江戸時代にやってきたかのよう。

☆アンケートの声…「郷愁を掻き立てられる場所」「中山道の面影がよく残されていて癒やされる」

江戸と京を結ぶ交通の要衝として、古くからにぎわいを見せた町並みがいまも残っている。
江戸と京を結ぶ交通の要衝として、古くからにぎわいを見せた町並みがいまも残っている。
国の重要文化財に登録される、脇本陣奥谷。高窓から陽光が差し込む「斜光」の様子は、秋から春にかけて見られる。
国の重要文化財に登録される、脇本陣奥谷。高窓から陽光が差し込む「斜光」の様子は、秋から春にかけて見られる。

【第4位】角館(秋田県仙北市)

歴史ある武家屋敷と桜並木が美しく、“みちのくの小京都”の名にふさわしい風情が漂う。

☆アンケートの声…「美しく落ち着いた素敵な町」「しだれ桜と情緒ある町並みをセットで見てみたい」

通りはコンパクトな範囲に数多くの歴史的な建物が立ち、見どころが多い。
通りはコンパクトな範囲に数多くの歴史的な建物が立ち、見どころが多い。
桜の名所としても名高い。風光明媚なしだれ桜と屋敷のコントラストを楽しんで。
桜の名所としても名高い。風光明媚なしだれ桜と屋敷のコントラストを楽しんで。

【第3位】金沢(石川県金沢市)

加賀百万石の城下町。商業をはじめ、歴代藩主の奨励で加賀友禅や九谷焼といった工芸、能楽などの芸能が栄えた。藩士が暮らした武家屋敷跡、芸妓がもてなすお茶屋が並ぶひがし茶屋街など、伝統と文化の足跡があちこちに。

☆アンケートの声…「武家屋敷で江戸時代の風情を感じたい」「車が入れない路地をめぐるのが楽しい」「古きよき伝統が残っている。北陸にあるのがなんともいい」

紅殻格子の町屋が並ぶひがし茶屋街。夜になるとガス灯が点り、さらに趣深くなる。(写真/金沢市)
紅殻格子の町屋が並ぶひがし茶屋街。夜になるとガス灯が点り、さらに趣深くなる。(写真/金沢市)
ひがし茶屋街には町家カフェやセレクトショップも。ショッピングも楽しい。(写真/金沢市)
ひがし茶屋街には町家カフェやセレクトショップも。ショッピングも楽しい。(写真/金沢市)
むかしながらの土塀、石畳の小径が特徴的な長町武家屋敷跡。(写真/金沢市)
むかしながらの土塀、石畳の小径が特徴的な長町武家屋敷跡。(写真/金沢市)

【第2位】倉敷(岡山県倉敷市)

江戸時代に幕府直轄地として水運で栄え、柳並木の倉敷川沿いに白壁の蔵や町家が立ち並ぶ美観地区。美術館や洋館、おしゃれなショップやカフェも点在し、伝統とモダンが混在した雰囲気が多くの人を魅了する。

☆アンケートの声…「江戸時代から続く町並みを見たい」「風情が抜群。時間がゆっくり過ぎていくように感じる」「大原美術館に行きたい」「修学旅行で行ったきりなので、大人目線で歩きたい」

倉敷川の両岸に広がる美観地区の町並み。右の洋館は大正6年(1917)築の倉敷館。(写真/PIXTA)
倉敷川の両岸に広がる美観地区の町並み。右の洋館は大正6年(1917)築の倉敷館。(写真/PIXTA)
船頭が案内してくれる川舟で、ゆったりと倉敷の町を眺めたい。(写真/倉敷市)
船頭が案内してくれる川舟で、ゆったりと倉敷の町を眺めたい。(写真/倉敷市)
古代ギリシャ・ローマ神殿風の建築が目を引く大原美術館は、日本初の西洋美術中心の私立美術館だ。(写真/倉敷市)
古代ギリシャ・ローマ神殿風の建築が目を引く大原美術館は、日本初の西洋美術中心の私立美術館だ。(写真/倉敷市)

【第1位】高山(岐阜県高山市)

城下町・商人町として発展し、上一之町から上三之町にかけて古い町家がずらりと並ぶ。新婚旅行や友人との旅など、思い出と町並みを重ねて懐かしむ声も多い。周辺には杉玉を提げた七つの酒造があり、地酒めぐりも楽しめる。

☆アンケートの声…「町並みの美しさに魅了される。何度行っても興味が尽きない」「散策とグルメが楽しみ」「朝市でのほんわかしたやりとりが好き」「おいしいお酒、おいしい酒蔵があるから」

伝統的建造物保存地区の上三之町。出格子のある町家が連なる。(写真/PIXTA)
伝統的建造物保存地区の上三之町。出格子のある町家が連なる。(写真/PIXTA)
宮川に架かる中橋。桜や紅葉など、飛騨の四季が絵になるスポットだ。(写真/高山市)
宮川に架かる中橋。桜や紅葉など、飛騨の四季が絵になるスポットだ。(写真/高山市)
毎朝開かれる陣屋前朝市。(写真/高山市)
毎朝開かれる陣屋前朝市。(写真/高山市)

文=朝倉由貴、『旅の手帖』編集部 写真=中村宏覚、国貞 誠

月刊『旅の手帖』で、11号にわたって読者のみなさんに聞いた、お気に入りの場所やものたち。泊まってみたい、もう一度泊まりたい温泉宿のランキングを発表します! 
月刊『旅の手帖』で、11号にわたって読者のみなさんに聞いた、お気に入りの場所やものたち。行ってみたい、もう一度行きたい 神社仏閣のランキングを発表します!