駅直結ビルにある日帰り温泉
最寄り駅となる河辺(かべ)駅は、新宿駅からJR中央線特別快速で1時間弱。北口の目の前から続く円形の歩行者用デッキで結ばれる河辺タウンビルB館内という好立地。エレベーターでフロントのある5階に向かえば奥多摩の山々も見え、ちょっとした旅行気分も味わえる。
靴ロッカーのキーと入浴料を受付で渡すと、脱衣場のロッカーナンバーがついたバーコード付きリストバンドを渡される。館内飲食などの精算はこのリストバンドで行う。
浴室は階段を上った6階にある。場所柄、青梅、御岳、奥多摩などで登山を楽しんだ人が帰路に利用するケースが多いが、フロント前のフリースペースにリュックなどを置くことができるので便利だ。とはいえ、スペースに限りがあるので休日の午後は込み合うこともある。
男女ともに8種類の風呂と2種類のサウナ
風呂は男女ほぼ同じ造りで、内湯と露天にそれぞれ4種類、計8種類。これに加えアロマビューティーサウナとドライサウナの2種類のサウナを備える。露天はビル6階にあるため空が近く、ビル内にありながら広々とした印象がある。
まずは露天エリアへ。中央部にあるひのき湯は源泉温度29.2℃のアルカリ性単純温泉を適温に加温してかけ流しで注ぐ。pH9.4という高いイオン濃度を誇るため、少しぬるぬるとした湯触りが特徴で、入浴後はスベスベな肌を実感できるだろう。2~3人サイズの小さな浴槽なので、順番待ちができることがある人気浴槽だ。
このほか井戸水を使った井桁湯(いげたゆ)、岩風呂、寝ころび湯がある。露天エリアは駅前ビルの屋上にあるため景観は期待できないが、四季折々の風情を楽しめるよう植栽も工夫されており、空も広がっているので気持ちがよい。
内風呂のメインは源泉循環式風呂。大きなガラス窓の向こうに露天エリアが広がる開放感のある風呂なので、半身浴でのんびり湯に浸かるのがおすすめだ。このほか、3種類のジェットバスを備えたエステ浴、キメ細やかな白いミクロの泡に包まれる寝ころび湯、備長炭を使った17℃の水風呂があり、コンパクトながら内外合わせて8種の風呂が楽しめる。
アロマビューティーサウナは低温ミストサウナ。ハーブアロマの香りが漂い、ゆっくりと無理なく汗をかける。広々とした高温ドライサウナはテレビ付き。
女性にうれしいアメニティとリラクゼーションメニュー
女性にうれしい配慮があるのも特徴の一つ。水道水の塩素を取り除き、柔らかい水質に変えるシャワーヘッドを採用しているので、髪や肌に優しく、化粧水を思わせるような使用感があるという。
さらに浴室内には美肌や美容のためになる厳選したシャンプーやリンス、ボディソープを揃え、パウダールームにはマイナスイオンとオゾンを発生させて髪をいたわるドライヤーを設置し、肌に優しい乳液と化粧水を用意するなど細やかな心配りも評判がよい。
リラクゼーションも女性に好評で、5階の『癒し処 癒寛楽(ゆからく)』ではボディケアやフットケア、韓国式あかすり、韓国式エステなどでは女性スタッフの施術を受けられ、天然温泉を使ったよもぎ蒸しも女性限定で体験できる。
青梅周辺の自然体験のあとは汗を流して帰りたい
湯上がりにひと休みするならイス席の休憩処へ。テレビが置かれ、飲料の自販機も備えれられている。足を伸ばして休むなら畳敷きのごろ寝処へ。定員10人ほどで、ざこ寝だが横になって休むこともできる。
お食事処「梅寿庵」では風呂上りにぴったりのおつまみから麺類、御膳、甘味など多彩なメニューを用意。入浴後に食事をしようと考えているなら、お得な「入館料+お食事のセット」1380円があるので入館時にこちらのチケットを購入するといい。
「青梅市は、御岳山をはじめ多くの山々や森、多摩川など自然を満喫いただけます。登山やキャンプ、マラソンを楽しんだ後はぜひ梅の湯で疲れをリフレッシュしてください」。支配人の川嵜一男さんが話されるように、青梅周辺の自然体験などと組み合わせて利用するのがおすすめだ。
取材・文=塙 広明、写真=河辺温泉 梅の湯