ご兄弟が多かった女将のご主人が家族で経営なさっていたそうで、90歳を超える常連さんもいらっしゃるとか。
今は女将とご子息が力を合わせて日々美味しいお餅や和菓子を作ってらっしゃいます。
季節のいちご大福は勿論(頂きました)、長年愛される和菓子屋さんというのは定番商品だって美味しい!
ということで、今回はふかふかな「大島しぐれ」をピックアップ!

【大島しぐれ(120円)】
素朴。その言葉がぴたっと当てはまるようなお饅頭といいますか蒸し菓子の「大島しぐれ」。大島とは黒砂糖のこと。
しぐれ、とは蒸しあがった時の亀裂を時雨に見立てたもの。
こちらの大島しぐれは、時雨よりも霧雨のような優しい風合い。

このふわふわと指先から飛んでいってしまいそうな軽やかさのどこに潤いを秘めているの…

蒸らし、特有の丸みを帯びた風味が口の中で膨らみ、何度か咀嚼して水分が欲しいなと思った途端湧き上がる、瑞々しいこしあん。一瞬にして砂漠にオアシスが出現するかのような感覚。さらりと仕上げられたクリアな甘味のこしあんが染み込んだレアな部位もまた極上。
スーッと鼻から抜けて花開く黒糖の香りもたまりません。
自然と顎先が斜め上を指していました。


我慢できずに店先で頂いた名物の「梅大福」も、梅のしゃきっとした果肉感が損なわれないまま、種抜きをなさっているという優しい拘り。
自宅でいただいた苺大福しかり、いずれもやや緩めに仕上げられたこしあんというのも、京あづま港家さんの拘りかと。

ここで女将から衝撃の一言。

「そこの学生さん?」


学生という名から離れて2×年!
女将!!ありがとうございます!!!


聞けば近所の千葉大学墨田サテライトキャンパスの学生さん達も御菓子を買いにくるのだとか。
友人同士でわいわいと、それとも一人寡黙にむむむと悩むのでしょうか。いずれにせよ、カジュアルに老舗や新しいお店の味わいに触れられるというのはなんとも羨ましい限り。

梅の実のクエン酸と女将のありがたいお言葉で(騒々しいということかしら…)疲労回復!
心なしかいつもの3割増しの艶肌で、娘をお迎えできたに違いない。