三芳町の「八割うどん」で肉汁うどん。
息子の部活が急にお休みとなり家族が揃う日曜日。うどんを食べに行こうと走らす車。目指す三芳町。いも街道を突っ走り、まもなく目的地です。
とナビが終わる頃に目に入る屋根の上にのる白く塗りつぶされた錐台の看板に薄っすらとあのかかし。一目で元「山田うどん」だとわかる外観。
同じく白く塗られた外壁に躍るポップな文字。手前打ち、肉汁、ぶっかけ、肉天、天ぷら、ざると並ぶ中心に大きくセルフ「八割うどん」。
そこかしこに賑やかに踊る写真と文字で丁寧に紹介されるメニューと食材を眺め何を食べようかと考えながら暖簾をくぐる。
香川から取り寄せた小麦で仕込む自家製麺といりこで取る出汁で作られる讃岐がベースにあるお店。入り口横にある製麺室には「さぬき一番粉」。
券売機に並ぶ、肉おろし、肉天かけ、釜玉、ぶっかけタルタル、ぶっかけカレー、坦々肉汁、ぶっかけもち明太にかけ、冷かけ、ざるにいろいろなミニ丼と天ぷらにトッピングとペペロンチーノと広い守備範囲。
あれかこれかと悩むも目に留まる地域柄提供されているという肉汁うどんの並(350g)に落ち着いて、イチオシという嵐山町で有機栽培された人参の天ぷらとちくわ天を一緒にポチとして店内へ。
「いらっしゃいませー」と明るく迎えられる店内はほぼ「山田うどん」。中央に鎮座するUの字のカウンターに壁際にボックス席と見慣れた風景。厨房のお姉さんに食券を渡し、水を汲み、窓際のボックス席に座る。
柔らかく陽が射し込むなんだか落ちつくいい場所。たわいもない会話で時間を過ごす。しばらくすると食券の番号を呼ばれ、厨房の渡し口までみんなでうどんを受け取りに行く。セルフのお店。
白の皿にもりっと盛られる少しクリーム色のうどんの横に焦げ目の付く冊切りのお揚げがたっぷりと入る肉汁のお椀と添えられるオレンジのかき揚げのような天ぷら。凛々しい顔立ちにおいしそうと皆で呟く。
箸を割り、七味をふり頂きます。
お椀を持ち啜る汁はあつつと喉を駆け落ちる。やさしくいりこが漂い、節の旨みと豚の甘みが滲むほんのり柚子が薫る円やかな醤油。おいしい。うん、おいしい。そして、心地よいあつつ。
程よい中太の四角い断面のうどんを肉汁にざぶんと浸しお揚げと豚をからめ啜る。武蔵野うどんの強いコシを「やや和らげる」ため加水と塩度をコントロールしたというしなやかで、もっちりぱっつんの心地よい噛み心地の喉をスルルと滑るうどん。
クリスピーな千切りの人参の人参天を汁に浸しサクと頬張り、芳ばしいお揚げとボリュームある豚をまぶし啜るうどん。ゆっくりと味わい平らげて、汁を最後まで飲み干して満足に浸る。
お昼時、続々と家族連れからお一人様が訪れる地元に根付くを感じるお店。遠くから「ペペロンチーノに舞茸天」なんて気になるオーダー。
販売もされる和のパスタに向けて開発したという「生粋モダン」という小麦を使用した生パスタを使うペペロンチーノなのだろうかと思ったり。
八割で美味しいと謳う八割のうどん。その八割の加減が程良くいい感じのうどん。一息ついて返却口へお盆を下げてごちそうさま。