それは、帰途の特急あずさ車内で飲む、缶ビール。
この一杯には、すべての思い出が詰まっている。
帰りの便に乗るのはたいてい夜で
座席につくと、どこからともなく
「プシュッ」と
お酒の缶を開ける音が聞こえる。
それを合図に、楽しみに買っておいた
缶ビールを取り出し、
我も続けとプルタブに手をかける。
車窓は、もう暗い。
ただ一方で脳裏は明るく、
旅の中で見た街、人、食べものすべてが、
再生されてゆく。
ごく、ごく、と
ビールと一緒に思い出を飲み込む。
最高だ。
そして、少し、寂しい。
今や気軽な街散歩も遠くなってしまった。
けれどあの味は忘れていない。
しあわせの一杯と再会できる未来は
きっとすぐそこだ。
さんたつ公式サポーターがおすすめするスポットやお店のメニューなど、街で見つけたいいものが満載!
走る! しあわせの一杯。
特急あずさ
更新日:2022.03.28
やまのコットンさんの投稿
中央線沿線在住歴6年。中央本線を下る散歩が趣味(コロナ禍を経て再燃中)とくに好きな街は諏訪、松本!
コロナが猛威を振るう前、
東京都内から中央本線を下る小旅行に出ることが多かった。
山や湖を越え、山梨や長野へ。
特急あずさに乗り、
移りゆく車窓をぼうっと眺めながら
未知なる街散歩への期待ばかり膨らませる時間は
まさしく至福のひとときだった。
「しあわせの一杯」、それは強い思い出が紐づいているもの。
中央線本線の思い出には、たくさんの一杯がある。
勝沼にある大善寺、通称「ぶどう寺」で飲んだ、濃厚な赤ワイン。
上諏訪の宮坂醸造でいただく『真澄』のきりりと香るあの味。
松本の信毎メディアセンターのビルテラス飲んだ、爽やかな『マツモト・オーサム! ペールエール』(松本ブルワリー)。
どの味も忘れがたいが、
街散歩の締めくくりに必ず味わった一杯がある。
中央線沿線在住歴6年。中央本線を下る散歩が趣味(コロナ禍を経て再燃中)とくに好きな街は諏訪、松本!
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