もうすぐお花見の季節 ことしの開花は全国的に早めの傾向
寒かった冬も終わり2月から全国的に気温の高い傾向が続いているため、2023年はサクラの開花が平年より早いところが多くなりそうです。
ウェザーマップの予想(3月9日発表)によると、全国トップとなりそうなのが、東京と福岡で3月16日に開花する見込みです。
首都圏エリアでは、熊谷(埼玉)で3月17日、横浜(神奈川)は3月18日、銚子(千葉)で3月21日に開花の予想で、平年に比べて大体1週間~10日ほど早くなりそうです。また、名古屋は3月18日、大阪では3月22日の予想となっているほか、仙台は3月25日に開花する予想で平年より2週間早く、記録的に早い開花となる可能性があります。
お花見の計画の参考に 目安は開花の発表からどれくらい?
サクラの開花は気象庁や各地の気象台から発表されますが、「開花の発表があったのに、自分の住む地域ではまだ全く咲いていない」あるいは「お花見を楽しめるほどは咲いていなかった」と感じた経験はありませんか?
実は、サクラの開花とは、「気象庁や気象台が観測対象として指定した標本木で5~6輪以上の花が開いた状態のこと」をいうと定義されています。東京のサクラの標本木は、靖国神社(千代田区)の境内にあります。サクラの成長は木によって差があるため、たとえ標本木で開花しても、別の場所ではまだつぼみしかない状態の木があることもあります。
また、お花見をするにはたった5~6輪ほどの花では物足りないですよね。標本木で80パーセント以上のつぼみが開いた状態になると「満開」とされ、こちらも気象庁や気象台から発表があります。開花してから大体1週間~10日ほど経つと満開を迎えるといわれています。この満開の時期を目安にして、自分の地域のサクラの様子も見ながらお花見の計画を立てるのがいいでしょう。
サクラの成長を観察しながら楽しむお散歩はいかが?
「お花見までもう待ちきれない」というあなたにおすすめしたいのが、サクラの成長を観察しながら楽しむお散歩です。そもそもサクラはどのような成長過程を経て、花開くのでしょうか。
サクラの花芽は夏に作られますが、秋が深まり冬になって気温が下がると、休眠に入ります。冬の間、一定の期間寒さにさらされたら、目覚めのスイッチが入り、成長を再開します。これを「休眠打破(きゅうみんだは)」といいます。
春になり暖かくなると、開花を迎えるのです。
はじめは小さく固く閉じていて茶色の状態のつぼみも、暖かい日が多くなると膨らみ始めます。徐々に先端が黄色や緑色になり、やがて緑色の占める割合が増えて大きくなっていきます。
その後、ピンクの花びらが見えて軸が伸びてきたら、もう開花間近といえます。
「サクラの開花600℃の法則」とは?
また、サクラの開花にまつわるある法則を使えば、自分でもおおまかに開花日を予想することができます。ある法則とは「サクラの開花600℃の法則」です。計算方法はいたってシンプルです。2月1日からの最高気温を足していくだけで、その結果が600℃に達する頃が開花の目安だといわれています。東京では3月7日までの時点で455.1℃となっていて、ウェザーマップの気温の予想(3月8日発表)を参考にすると、3月15日頃には開花する計算になります。
満開のサクラの下でお花見を楽しむのももちろん素敵ですが、いましか見られないサクラの姿を目で確かめながら指折り、開花を待つのも風流な魅力があります。家の近くや普段よく通る場所にあるサクラの木を「マイ標本木」として観察するのもおすすめですよ。
写真・文=片山美紀