海の七草はお粥じゃなく酢の物で

本来、国崎ではたたいた後の海の七草は、酢や酢みそで和えて神棚に供えます。

小豆(あずき)粥も一緒に供える家もあるみたい。

毎年1月7日に『鳥羽市立海の博物館』で振る舞われる海の七草粥は、博物館が国崎の七草たたきと一般的な七草粥をあわせてオリジナルで考えたものだそう。

『海の博物館』の七草は?

海藻6種(フノリ、ワカメ、フクロノリ、アカモク、ホンダワラ、ヒジキ)+陸の青菜1種

陸の青菜を必ず1種類入れる。種類は特に決まっていない。

近年は海藻が採れなくなってきていることもあり、海の七草の種類は年によって変わることも……。
近年は海藻が採れなくなってきていることもあり、海の七草の種類は年によって変わることも……。

お土産にも海の七草!?

鳥羽市内のお土産屋さんで発見!!

乾燥した海の七草が入っていて、『海の博物館』の七草とは、まったく違う七草だけど……。

各地にある七草の囃子詞

昔、摘んできた七草をたたく時は、すりこぎでまな板をたたきながら唱える囃子詞(はやしことば)がありました。

1月6日の夜、一家の主が正装し、七草たたきをします。七草を包丁で刻むのと同時に、すりこぎで大きな音を出すのは、災いをもたらす唐土(とうど)(鬼車鳥〈きしゃどり〉。フクロウだという説も)を追い払うためなのです。

国崎Ver.
〽なずな七草 唐土の島が 日本の土地へ 渡らぬさきに かきやかして ごーちゃごちゃ
※地域によって文句は少し違います

取材・文・イラスト・写真=松鳥むう